D-Hack「学暴(校内暴力)」被害を受けたアニメオタクから「ヒップホップスター」へ

D-Hack「学暴(校内暴力)」被害を受けたアニメオタクから「ヒップホップスター」へ 【インタビュー】②

いじめから逃れようとして触れたヒップホップにはまる
「『君にもできる』という希望を与えたい」
「東京ドーム公演・(元GFRIEND)ウナとのコラボが目標」

最近『OHAYO MY NIGHT』で音源チャートで逆走し、スターダムにのし上がったD-Hack(本名イドンフン)は「MZ世代」リスナーが熱狂するミュージシャンである。 感情と経験を率直に溶け込ませた歌詞が、彼らの心を動かした。

「これまでのカッコ悪い過去と恥ずかしい瞬間まで、勇気を出して歌詞で表現してきました。そういう点が報われた気がします。  将来は『二等兵の手紙』、『三十くらいに』、『ある60代の老夫婦の物語』など、様々な世代に愛される曲を誕生させた故 金光石さんのように、全世代を一つにするミュージシャンに成長したいと思います。 自分の名前を取った『D世代』を作りたいという抱負もあります」。

アニメをはじめとする日本文化への憧れを、アルバムジャケットと歌詞、ミュージックビデオなどを通して堂々と露にしたことも、人気の一因となった。自分を『成功したオタク』と表現するのを躊躇わないD-Hackは「自分の歌のおかげで自信と勇気を持てたというSNSメッセージを送ってくれる方々が多い。」と述べた。

「最近は社会的な認識が大きく変わりましたが、私が学生時代を過ごした時は、アニメを見るのを恥ずかしく思う雰囲気がありました。(D-Hackは、1994年生で今年28歳である。) 私がサブカルチャー文化を楽しむ人たちに、歌を通じて『君たちも堂々とさらけ出していいよ』というメッセージを投げかけたと思います。 私も学生時代にそういうことを経験して苦労して傷ついただけに、誰かの人生の助けになったということで、さらに胸がいっぱいになります。」

D-Hackは、学生時代「学暴(校内暴力)」の被害者であった。 彼は「非常に太っている上に『オタク文化』が好きでもあり、標的になりやすかった」とし「周りの友達をいじめる集団を、所謂『一陣(ヤンキー)』と表現するじゃないですか。 私は、その反対地点に最高峰があります。」と告白しました。 ヒップホップ音楽は、いじめから逃れるために「無理やり」聞き始めたのだ。 「ヒップホップが好きな友達と一緒にいるときは、いじめられないことがありました。 それで、無理やりヒップホップを聞き始めました。そうするうちに、ある瞬間ヒップホップの魅力にはまり、ノートを買って歌詞に書いて、こっそり録音もしてみて、新しい夢を持つようになりました。 もちろん『かっこいいラッパーになれば、子供たちは僕をいじめないだろう』という漠然とした考えも少しありました。」

D-Hackは「中学3年生の時から本格的にヒップホップにはまった。」と振り返った。 高校3年生の時、幸いにも近所の教会で縁ができたMad Clownから、毎週末ラップのレッスンを受ける機会を得たという。 D-Hackは、そのように着実に実力を積み、2016年に正式にデビューし、地道にミックステープとアルバムを出しながら、地位を固めた。 2018年に発表した『SUPER STARLIGHT』が、それなりにホットな反応を得つつ希望を見出し、自分の名前を掲げた個人公演も3回開いた。 『OHAYO MY NIGHT』の逆走は、そうやって実力を鍛え、様々な経験を積んだ末に得た貴重な成果だ。

「ヒップホップシーンでは、私の音楽に対する好き嫌いが分かれました。 新しいものの受け入れるときにある抵抗に、オープンな人は良く聴いてくれましたが、閉じている方々は『この子はヒップホップじゃない』と言いながら評価を切り下げたりもしました。良くない評価のため傷ついたりもしましたが、自分だけのヒップホップが必要だという考えで諦めず、私の道を歩き続けました。 次第に私を応援してくださる方々が増えてきて、私の考えが間違っていないということに気づきました。」

自分の人生を変えてくれたヒップホップは、今やD-Hackから切り離せない存在になった。 D-Hackは「『特に恵まれていない人生を送ったこんな私でも上手くいくことができるのに、なぜお前たちができないのか』というメッセージを投げかけるミュージシャンでありたい。」、「私の歌を聴いている方々が、自分が進む道は間違っていないということに気付いてほしい。」と願った。

10月発売を目標にしたニューアルバムを準備中のD-Hackは、制作した曲が既に10曲を超えるとし、「最高を作ろう」という思いで曲を選び出し、後半の作業に集中していく計画だという。 日増しに増えるスケジュールを管理までするのに精一杯としながらも、口元には笑みが広がった。

インタビューの最後には、いつか必ず成し遂げたい目標についても聞いた。彼が掲げた目標は2つ。まず最初は、日本の東京ドームの舞台に上がることだ。 D-Hackは「インディペンデントミュージシャンとして出発し、東京ドームで公演する歌手に成長すれば本当に素晴らしいことだと思う。」とし、「それほどレベルが上がれば、韓国でも素晴らしい公演をしてツアーもできるのではないかと思う。」と笑顔を見せた。

2番目は、ガールズグループGFRIEND出身ウナとのコラボレーション成功。 D-Hackは、ウナのためのトリビュート曲を2曲も発表したことがあるほど、熱烈なファンだ。 彼は「4年ぶりに3つ目のトリビュート曲も作り始めた」と変わらぬファンの気持ちを表わし、「いつかはぜひ一緒に曲作りをしてみたい」とにっこり笑った。

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