FM802 OSAKAN HOT 100 洋楽離れの変遷 ローカルFM局オリジナルチャートの存在意義

FM局で洋楽が流れなくなったのはいつ頃からなのか気になって、自分が大きな影響を受けてきたFM802の年間チャートから調べてみた。(ブルーが邦楽、日本の曲)

こうしてみると、FM802も、洋楽中心なのは開局数年間だけ。そもそもFM局では洋楽が流れるというのが、90年代の思い込みだったのかも。その前の時代は、FMは高音質でクラシックを聴くものだったような。
北米がポップミュージックの本場だと思わないし、イギリスやアメリカ音楽崇拝もなく、むしろラジオ局は日本の/地元の音楽をプッシュすべきだと考えるが、もうちょっと海外の音楽も聴いた方が、耳が肥えて日本の音楽の良さもわかるようになるのでは。海外の音楽もたくさん聴いた上で、日本の音楽が評価される/愛された結果なのだったらいいのだけど。

最近のOSAKAN HOT 100は、関西ローカルという地域性やFM802の独自性が薄く、テレビと同じような全国的に標準化されている印象。昨年2021年のOSAKAN HOT 100年間チャートの内、83曲が邦楽。
調べてみたら、日本国内のストリーミングサービス再生回数や大阪だけではなく全国のレコード店舗の売り上げもポイント加算されるようになったらしく、それは、最早「OSAKAN(大阪の) HOT 100」とは言えないのでは。ドコモがスポンサーだから、dヒッツでの再生回数を入れているのか。わざわざ全国トレンドを混ぜて、ローカルのヒット傾向を薄める意味が理解できない。
例えば、1995年は、1位がDIANA KING『SHY GUY』、2位 SCATMAN JOHN『SCATMAN』で、ビルボードともオリコンとも違って面白い。どんだけ「マーシーマーシー」と「スキッビ デュビデュバ」が流れていたんだ。1995年と言えば、Coolio『Gangsta's Paradise』、TLC『Waterfalls』、Mariah Carey『Fantasy』がリリースされた年なのに。その時代にその地域でどんな音楽が流行っていたかがチャートに表れないと、存在意義が薄れてしまうのでは。

色々調べる中で、東京J-WAVEや名古屋ZIP-FMでは、まだもうちょっと洋楽がかかるとあったので確認してみた。去年2021年の同じ位置づけの年間チャートの比較。パーセンテージは、邦楽の割合。
大阪 FM802 OSAKAN HOT 100 83%  
名古屋 ZIP-FM ZIP HOT 100 25%
東京 J-WAVE TOKYO HOT 100 41% 

確かに名古屋ZIP-FMが、一番海外の音楽の割合が高い。名古屋ローカルのアーティストも入っている。東京J-WAVEは、Oslo Ibrahim『Baby Don't Let Me Go』やKroi『Page』など、知らなったけど面白い曲が入っている。長谷川白紙も。
大阪FM802は、洋楽17曲を並べてみると、同じアーティストの曲が複数あり、単にチャートイン数が少ないだけでなく幅も狭い。

全国チャートの加算とか、そんなよくわからない集計なら、Spotifyの大阪チャートの方が地域の特色を見いだせるのでは。(国別チャートしか公開されていないが、アーティストのリスナー数は、都市単位で表示されている。)

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