米Rolling Stone誌 ベストソング2022 ジェンダーバランス固持 ナイジェリア推し
昨今の米Rolling Stone誌は、KPOPはもちろん、アルゼンチンのBizarrap/Trueno/Nicki Nicole、ドミニカのTokischaまで幅広く扱っている。自分の好きなアーティストに限ってみれば、「何か売れているから、よく知らないけれどインタビューしてみよう。」という内容ではなく、私が聞いてみたかったことが質問されていて、アーティストのことを理解した上でインタビューに臨んでいるように感じられた。アメリカメディアやBillboard系のラテンミュージシャンへのインタビューは、英語/スペイン語バイリンガルのインタビューアーはこの人しかいないのかしらと思うくらいLeila Coboばっかりなんだけど、音楽の中身が薄くてイラっとする。去年のNPRのラテン特集も、Pabllo Vittarへのインタビューが非ネイティブのスペイン語だったみたいで(Pablloはブラジル人なので母語はポルトガル語)、質問が聞き取れないようで困惑していた。英語ポルトガルの通訳を用意する予算もないのか、ケチったのか。そんな感じなので、まともなラテン語圏アーティストの英語のインタビュー記事は貴重で有難い。
Rolling Stone The 100 Best Songs of 2022
その米Rolling Stone誌が選ぶ年間ベスト、ざっと目を通して、かなりアメリカ以外も入っている印象を持ったので、国とついでに性別を調べてみた。
アメリカがちょうど半分、(ボーカルが女性の場合は女性でカウント、トランス女性も含めた結果)女性もほぼ半数で、これはかなり意識した結果だと思う。HIPHOPのラッパーはどうしても男性が多くなるので、カントリーの女性歌手を含めたのかな。そもそもカントリー歌手は女性が多いのかは知らないけど。米Rolling Stone誌は、ロック誌だと思っていたが、ヒップホップとカントリーが多く、ロックは少なかった。
韓国というかKPOPは、イギリスよりも多く、次いでナイジェリア。
ベストアルバムには、43位にアルゼンチンのラッパーTrueno『Bien o Mal』が入っていたが、ソングにはなかった。
ヒップホップとカントリーの評価が妥当かは聴かないのでわからないが、俯瞰してみた雑感として、長年の読者層に媚びず、チャートに流され過ぎず、Rolling Stone誌はこうだという主張が感じられて良いと思う。
ちなみに、Pitchforkは今年、読者投票の年間ベストの結果を、性別/年齢別で公開している。Pitchforkの読者に限っても、わかりやすく違いが出ていて面白い。
The Best Music of 2022, According to Pitchfork Readers | Pitchfork
私は、3年前にThe Guardianのデータで性差の検証を試みている。