YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング 使い道とタイミング
要旨
このエントリは、お店が半年持つかわからない状況の中、小規模店舗が数十万、数百万の支援を必死で募っていたときに、資本と安定した雇用を持つ組織が有名人を多用し、そこに割って入ってすぐに使いもしない支援金を募る必要があったのかということが言いたいだけの内容です。
クラウドファンディング
今年の夏、クラウドファンディングが乱立しクラファン疲れとも言われる中、苦境の渋谷の街のカルチャーを守るために立ち上げられたプロジェクト『YOU MAKE SHIBUYA』。単なる独立した団体ではなく、渋谷区も関わっていることから、現時点での集まった資金の使われ方を見てみた。（皆忘れている、興味ないと思うので。）
2020-07-22に募集を開始し、1,304人の支援により44,772,735円の資金を集め、2020-09-06に募集を終了
渋谷のカルチャーをつなぎたい！みんなでつくる #YouMakeSHIBUYA - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
新自由主義に取り込まれていると批判
資金集めの有料配信に出演するGEZANが、新自由主義による文化破壊に取り込まれていると批判されていた。それについて、マヒトゥ・ザ・ピーポーさんとDOMMUNEの宇川さんが、下記のように答えている。
問い合わせのあったSHIBUYA CULTURE LIBRARYのDOMMUNEでのGEZANの出演に関して、今思ったことを書きました。我々の選択です。
— マヒトゥ・ザ・ピーポー (@1__gezan__3) 2020年8月28日
その上で各々が考え、選択してもらえたらと思います。 pic.twitter.com/Ph3DGBnJdS
#YouMakeSHIBUYA クラウドファンディング（https://t.co/lhwwfWDe1n）の #DOMMUNE によるリターン番組について、GEZAN（@gezan_official）とマヒトゥ君（@1__gezan__3）から頂いた言葉達への返礼と、DOMMUNE自らの態度表明です! この気持ちを持って本日番組を行います!▶︎https://t.co/hRrQScbQ41） https://t.co/LkEpDcFbfa pic.twitter.com/lONYuNkx7f
— UKAWA NAOHIRO™ (@DOMMUNE) 2020年9月5日
クラウドファンディングの目的
エンタメ業界においては、例えば東京都内でも6月19日からライブハウスの営業が再開できるようになり、一部の大規模なイベントを除き休業要請は解除されました。しかし“三密回避”など感染拡大防止対策に留意する必要がある以上、以前のように“現場”にたくさんの人の熱気が溢れかえるようになるまでには、まだ時間がかかるでしょう。
また、ライブハウスやクラブ、劇場など、あるいは実演家にとっては、充実したオンライン配信環境を整えるための負担は大きく、実施が難しい場合が多いのが現状です。ファッション業界においてはECサイトという販路は普及しているものの、やはり“街で好きな服に出会う”という機会の喪失が与える影響は大きく、またEC展開をしていない店舗にとっては、来街者の減少はこれからも大きな痛手となります。また飲食・理美容業界ほか、多くの業種において同様に苦しい状況は続いていくと思われます。
すでに国や行政、もちろん渋谷区からも一定の支援が行われていますが、これからもいわゆる第二波、第三波に備え、エンタメやファッション、飲食、理美容といった渋谷のコアカルチャーを守り、つなぎ続けるために、いま、渋谷区民のみなさんと渋谷を訪れるみなさんのご協力が必要です。
このクラウドファンディングで集まった支援金は、みなさんにとって身近な街づくりのための資金として活用されます。
知ってほしいこと | YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング｜#YouMakeSHIBUYA
使途は「街づくりのための資金」であっても、苦しい音楽箱・ミュージシャン・ファッション小売業者・飲食理美容業者を支援するという目的ではあったはず。
クラウドファンディングの使い道
① 安心・安全な店舗営業のサポート
・緊急時のための備えと有事の際のサポート
・区内事業者の所在情報をデータベース化
・ビジネスサポートプログラム
対象者：渋谷区内にある「直接的な接客が生じる店舗」のうち申請のあった店舗。申請方法は、準備ができ次第案内。
② エンタメ産業を支援
・オンライン配信環境の整備
・配信プラットフォームの構築（渋谷区ライブプラットフォーム（仮））
・エンタメ発信の"場"の創出
対象者：渋谷区内の文化施設、ライブハウス、クラブなどそしてそこで活躍するアーティスト・実演家・興行主催者
③ ファッション産業を支援
・小規模店舗を集積した渋谷区合同 EC サイトの開発・PR 「YOU MAKE SHIBUYA EC（仮）」
・オンラインファッションショーの開催
対象者：渋谷区内ファッション（物品販売）店舗、渋谷のファッションカルチャーを発信するデザイナーやモデル・スタイリスト・ヘアメイクの方々
小規模店舗にとって4千万円は大きいが、渋谷区の店舗数を考えるとそれほど大きくはない。使途は公共的なものになってしまうのは理解する。
現時点
9月16日 渋谷駅ハチ公前広場 支援者名とお礼メッセージ掲載
10月12日 渋谷駅東口地下広場 "感謝の気持ち"掲載
10月17日 SHIBUYA HARAJUKU FASHION FESTIVAL
10月20日 渋⾕区公認ECモール『SHIBUYA FAMILY SALE』 オープン
NEWS アーカイブ | YOU MAKE SHIBUYA クラウドファンディング｜#YouMakeSHIBUYA
公開されている情報を見る限り、エンタメ産業への支援はまだ行われていない。
SHIBUYA FAMILY SALE
渋谷ブランドというより、全国展開のブランドが多い。
出店ブランド
CANNABIS / HARE / Heather / nano･universe / niko and... / RAGEBLUE / SHIPS / TOMORROWLAND / UNITED ARROWS / URBAN RESEARCH / アンシャンテ / 原宿パリジャン
80's90's HIPHOP古着コーデ by りゅうちぇる – SHIBUYA FAMILY SALE
販売業者は、株式会社ワンオー。
ワンオーは、プロモーション機能とディストリビューション機能を併せ持ったファッションPRエージェンシーです。メディアプランニングからPRコンサルティング、イベントの企画はもちろん制作まで、PR戦略をワンストップで提供しながら、通常のPR会社と異なり、卸事業、コンテンツ制作、ショップの運営まで手がけています。
ワンオーは、クール・ジャパンに関わったり、音楽活動もされていたり有名な方の会社のようだ。アパレルの有名ブランドを販売するサイトを、業界の有名人の会社が請け負って、そこに流れているだけに見えるのだけど。
苦境が続く音楽業界
苦境が続く音楽業界。それ以下も含め、半年持つかわからないが、全体の60%。感染者が再度増加しており、全面的なライブや大規模イベントの再開目途も立たない。小規模だけでなく、avexが希望退職を募るなど大手も厳しい状況。
【アンケート公開】
— SaveOurSpace (@Save_Our_Space_) 2020年11月2日
先日実施した「全国のライブハウス／ミュージッククラブを運営する事業者の方々へのアンケート」の集計結果を公開しました。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。音楽ベニューの切実な現状をぜひ多くの方に知っていただきたいです。https://t.co/09TMpCx0D2 pic.twitter.com/JlUCWFf3lG
「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」も、渋谷区、渋谷区商店街連合会、渋谷未来デザインが関わっていた。渋谷にゆかりもないアーティストが、渋谷でなくても全国どこからでもできる配信。渋谷の街の地元にはほとんどお金は落ちていないのでは。渋谷区の実際の街のためになっているのか、ブランド価値向上になっているのか、全くわからなかった。開催費用、有名アーティストの出演料はどこから出たのだろう。
世界最大級バーチャルフェス 世界中から約40万人が参加！バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス閉幕！ | 渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト #Shibuya5G
YOU MAKE SHIBUYAのクラウドファンディングが、小箱やミュージシャンのクラウドファンディングの分を奪ったかどうかはわからないが、大企業と連携し余裕のある組織が、すぐに使わない基金をあの時点で募る必要があったのか、使い道は苦境にある渋谷のお店やアーティストを支援する内容になっているのか、疑問に思う。
