世界のクラバーや旅行好きが家にいる、今はチャンス
普段は外へ遊びに出かけている世界中のクラバーや旅行好きが、家にいてYouTubeを観たりしている。競争は激しいが、日本のクラブや地方の観光を、世界に配信して宣伝できるチャンス。
United We Stream クラブのプレゼン
United We Streamは、ベルリンのクラブコミッションが主催し、クラブ維持のために寄付金を集めるための配信。
ベルリンだけではなく、ドイツの地方やオーストリアのクラブから、日替わりで配信されている。毎日1つのクラブなので、クラブ同士の配信が重なって競合することがない。色んなクラブのチャンネルを探してフォローしなくても、このチャンネルさえフォローしておけば見逃さない。こちらが選ばなくても、毎日順番に配信されてくる。
箱が主体となって、ブッキング・タイムテーブル・演出まで総合的にプロデュースしている印象。ジャンルも、テクノ・ハウスだけではなく多様。一配信だけを見ても、それぞれの箱に個性があるのがわかる。どんなクラブであるかをDJと演出でアピールする、云わばクラブのプレゼンテーション。配信を観て気になったクラブを検索してみると、必ずと言ってもいいほど口コミの評価も高い。今まで知らなったベルリン以外の箱や、日本には来たことにないDJを知る機会となっている。
日本も、バラバラにやるのではなくて、厳選して1日1クラブ、気合の入ったブッキングと演出で配信する1つのチャンネルがあるといい。外タレをメインに集客してきて、主力日本人DJがいないところは厳しいだろうな。日本のクラブの配信は、内向きで常連さん向け。このチャンスに、海外を意識していないのはもったいない。来年訪日してくれるかもしれない、クラバーや旅行好きに向け、日本のクラブの魅力が伝わるような配信があれば。
海外のクラブの配信は、そのクラブの魅力の見せ方が参考になるし、逆に海外にはない、日本の良さが見えてくる。
SLAM! 地方の観光資源
SLAM!はオランダのラジオ局。EDM系が多いのでDJはあまり好みではないが、ロケーションが良くて、またオランダに行きたくなる。特に気に入ったのが、トラム(電車や乗り物好きなので)。最初、車庫から出てきて、停留所でDJが乗り込むのも面白い。レトロな車体、それとは対照的な洗練された内装、窓から見える街並みは春らしくて気持ちが良い。他にも、オランダの広大なお花畑や、船の上、空港の滑走路など様々。
政府クールジャパンの資料によると、日本酒・錦鯉・国立公園を、海外に向けて売り出したいらしい。錦鯉のいる日本庭園で、世界的に知名度のあるDJにプレイしてもらって、このチャンスにさっさと配信したらいいのに、なんてね。海外の人は、西洋のクラブや観光地は見慣れているし、そろそろ飽きていそうだから、日本庭園からDJ配信したら観てもらえそうじゃない?
アフターコロナに向けてどう日本を売り出すか、思い付きで税金無駄にしてほしくないし、構想や計画、プロセスももちろん大事なんだけど、「アウター」とか「インナー」とか、いつになったら具体的な施策までいきつくのか、それがニーズの実態に即したものになるのか不安になる。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/chiiki_kachi_wg/dai3/siryou2.pdf
あまり国に期待していてもしょうがないな。配信においては、地方のクラブやDJさんも、都心や世界と同じ土俵で戦える。今は、本当にチャンス。
数字は語る
少し話はそれるが、各クラブのクラウドファンディングの状況を時々見ている。リターンの内容も様々だし、集まった金額は人気のバロメーターであっても、クラブの質を評価するものではない。ただ、クラブの印象と集まった金額は大体比例している気がする。ブッキングやSNSでの評判で良さそうだなと思っていたクラブは、支援されている。
配信の数字も正直。誰のDJで視聴者が増えて、どれだけ離脱したかが数字で出てしまう。SNSで偉そうなこと言って、DJは現場でしか見せない、動画も撮らせない、セットリストも秘密にしていたDJも、とうとうオンラインで配信せざるを得なくなり、手元も見られて実力が露になってしまう。箱は、どのDJが本当に人気・実力があるか、知ることができる。実力のある人にとっては、チャンス。
就活のエントリーシートじゃないけど、日本では、自分の強みや魅力をわかっていないDJや箱が多いような気がする。他人にわかってもらうためには、自分で良さがわかっていないとね。