DJ配信映え James Hype、://about blankの独自性

DJ配信の競争が激しい。音楽には言語の壁がなく、世界同時パンデミックのため、視聴者の奪い合いもグローバル。

DJ配信映え James Hype

James Hype (DJ-set) | SLAM! Quarantine Festival

ターンテーブルを4台使ったターンテーブリスト的なDJを得意とするハウスDJ。テクニックを必要とするミックスは、正に料理のようで、キッチンという場所がピッタリ。ミキサーを操る手元を堪能できるコンテンツは、配信向き。視聴者への語り掛け、巻き込み方も上手い。1時間全力投球で、サービス精神旺盛、聴かせるより見せるエンターテイナー。10代からのキャリアで、飽きるほどDJしてきたのに、こんなに楽しそうにDJできるプロ。本人が楽しそうって大事。
見た目重視なのか、操作上のメリットがあるのか、ヘッドフォンではなくイヤフォン。背中にイヤフォンの配線を通している。手汗ですべらないように、常にTシャツで拭いている。
VinylでのアナログDJの手元も見ていて飽きないから、配信では優位。カメラや切り替えの人が、その点わかってくれていると嬉しい。

://about blankの独自性

United We Stream #23 - ://about blank - ARTE Concert

単に人が集まって音楽を楽しむ場所に留まらないベルリンのクラブ。性的マイノリティや政治について考えたり、チャリティパーティーも数多く行ってきたクラブ『://about blank』。そのクラブからの配信、一番手はAkirahawksさん。
Akirahawks
10年以上ベルリンを拠点に活動する日本人DJ。民族・性別・宗教・LQBTQ+差別に対する活動団体への寄付イベントも開催。DJを始めたきっかけは、捨てられていた、安いディスコマキシと90年代のヒップハウスの20〜30枚のレコードを見つけたこと。それからヒット曲を集め出し、友人からエレクトロニックミュージックの歴史と理論を学び、レコードで練習を始めた。好きなDJはDaniel Wang。
DJ AKIRAHAWKS | ITCHY SILK
Akirahawks - Dalston Superstore

日本で、中年男性が女性器のイラストがプリントされているTシャツを着ていたら少し驚くが、『://about blank』についての記事を読んで、どういう場所か少しは知っているので、性的な演出にも全く嫌悪感がない。工場跡地のようなクールな箱もかっこいいが、暖色系で柔らかい光やアートオブジェがある演出もいいな。
Akirahawksさん以外も、LGBTQ+カルチャーに関係するDJがブッキングされている。ラインナップとタイムテーブルから、箱はどういうコンセプトでブッキングしたのかを考えてみるのも面白い。日本とは異なるクラブカルチャーを感じることができる。ベルリンのクラブコミッティーはロックダウン中も、地中海の難民問題をオンラインで議論していて、DJ配信で得た寄付金の一部を寄付している。

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