#ForTheMusic ダンスミュージックにおける性差別・ミソジニー・暴力を終わらせる ①

ブログを始めた頃は、「クラブは安全な場所ではないし、そういう場所だから嫌だったら来るな。」「誰でも来れるようにしたことが良くなかった。」みたいなことをよく言われた。さすがにそれを公に言う人は少なくなったけれど、恐らく今でもそう思っている人がマジョリティー。法で禁止されているドラッグや強引なセックスなど、自己責任で何でも許される自由区がクラブカルチャーだと思っている。イギリスの違法レイヴカルチャーのよううなものこそが、クラブカルチャーという考え。実際、それもクラブカルチャーの一面。ただ、イギリスの違法レイヴは、国に自分たちの文化を守れとは言わないし、補助金を要求したりはしない。歴史修正主義や人種差別と糾弾しながら、自分たちクラブカルチャーの黒歴史は闇に葬る、見ていて滑稽。Derrick Mayの被害者とされる女性たちと、伊藤詩織さんと同じように扱わないのはなぜなのか?

国のナイトタイムエコノミーの施策にも、日本版パープルフラッグを作るというのが入っているけれど、セクハラをセクハラだと認識さえできないのに、枠組みだけ作っても機能しない。

観光庁(観光資源課):1,000百万円(10億円)
<取組内容>
・ 夜間も安心して楽しめる店舗認証の導入、見廻りの支援 等 (「ロンドン パープルフラッグ制度」)

下記の記事を読んで、海外のダンスミュージック業界の実際の現状を理解した。日本のクラブ業界に対して、私がずっと感じてきたことと同じだった。ブログに書いてきたことと似たようなことも書かれていた。簡単ではないが、もしこの機会に世界のクラブシーンが少しは変化してくれたらよいのだけど。以下、和訳。

ダンスミュージックにおける性差別・ミソジニー・暴力を終わらせる必要があります
Zab Mustefaが、ダンスミュージック業界でのセクハラや暴行との戦いについてRebekah、DJ Empress、DaveClarkeと話します
WE NEED TO END SEXISM, MISOGYNY AND VIOLENCE IN DANCE MUSIC

#ForTheMusicキャンペーン

9月、Rebekahは、ダンスミュージックにおけるセクハラと性暴力に反対するキャンペーンを立ち上げました。 主に男性の仕事仲間が、フロリダで亡くなった状態で発見される前は性的暴行で逮捕されたErick Morilloを賞賛し続けていることへのストレスから、もうたくさんだと決心しました。
https://www.metoo-music.com/

彼女はMixmagに話しました。「この件は、この業界にいる何年もの間私が折り合いをつけてきた自分自身の性的暴行事件を思い出させたので、他の多くの人にも思い出させたに違いないと思います。自分自身のトラウマを受け入れると同時に、こういったことがこのシーンでどれだけ起こっているかを知り、とても感情的になりました。これは新たに起きたことではなく、あまりに長く問題にされておらず、野放しになっていただけです。」

#ForTheMusicを立ち上げて以来、Rebekahは、シーンでの性差別・ミソジニー・暴力について悲惨な出来事の報告に関する数十件の投稿を受け取りました。「これまでのところ、反応は非常に良く、多くの支持があり、日々成長しており、世界中に広がっています。それが狙いです。ダンスミュージックはグローバルで、セクハラと性的暴行もグローバルであるように見受けられ、我々のシーンのあらゆる場所に影響しています。」と彼女は言いました。

Erick Morilloの件

何人かのハウスとテクノのスターのMorilloへの賛辞は、Business Teshnoによって記録されています。 しかし、どのソーシャルメディアの投稿にも、Morilloの被害者についての言及は1つもありませんでした。 そして、Morilloの女性に対する性的暴力の歴史を無視していると批判されたとき、これらのDJたちは、守りに入って、被害者の方がおかしいように情報を操作し始めました。これは、直面した不正に対してよくある反応で、このシーンの女性・LGBTQ +の人々・有色人種、その他の疎外されたコミュニティは、とても慣れてしまっています。

そして、そこに問題があります。力のある男性を高い地位に上げたままで、(セクハラ等の)報告に対する説明責任ゼロです。女性たちは、うんざりして疲れています。私たちは、くたくたです。私がこれを書いている間も、多くの女性がまだ訴訟手続き中で、Morilloの死に対する(業界の)反応にショックを受けていることは確実です。

MixmagのジャーナリストのAnnabel Rossによる専門的な調査により、何十年もの間、49歳のMorilloは性的搾取者であったことが明らかになりました。 30年間の大部分の間、Morilloはあらゆる責任から逃れていました。疑う余地なく、強力な支援者が、起因となるこの種の振る舞いを許し続けています。つまり、Morilloのような男性は引き続き守られ、セクハラや性的暴行の重大性に向き合うことはほとんどありません。これは変える必要があります。

しかし、この問題は、Erick Morilloよりもはるかに深刻です。それは、ダンスミュージックに深く根ざした性差別とミソジニーの文化についてです。有毒な文化と振る舞いの矛先となっている人々が信じてもらえない中で、それはラッドカルチャー(女性差別的な若い男性のカルチャー)を存続させます。Harvey WeinsteinとMeTooムーブメントから何も学びませんでしたか?

告発に対する嫌がらせ

ニューヨークを拠点とするドラムンベースのアイコンであるDJ Empressが、90年代にMorilloからセクハラを受けたという自身の経験を発表した後、彼女に対する世界的な反発が始まりました。ネットの嫌がらせ投稿は、彼女のソーシャルメディアをハッキングしようとし、彼女は、口汚いメッセージとコメントの集中砲火を浴びました。またしても、一人の女性が信じてもらえませんでした。しかし、彼女には後悔はありません。

DJ Empressは、Mixmagに語りました。「エンターテインメント業界での性的虐待がどれほど常態化されているか、そして、それがどれほど悪いことなのかに気付きました。Erickが亡くなってから1週間以上、人々から(考えを)汲み取って激怒していました。彼らは、『おー、それは彼の魔性だったね。』とか『みんな苦労していることはあるよ。』と言っていました。私はノーという感じでした。それは、常態化されるべきではありません。一気に隠蔽されるべきではなく、この業界でとても影響力の強い人々によって語られるのでもなく、もっと知られるべきです。」

ダンスミュージックシーンで最も不幸なことの1つは、社会的に無視された人々が、常態化した虐待に慣れてしまっていることです。機会・ブッキング・仕事・連絡・ギグを失うことを恐れ、性的虐待について名乗り出ることに躊躇っていることが分かります。

DJ Empressは付け加えます。「業界の多くはネットワーキングに依存していて、それにより、たとえ虐待されたとしても、敵を作ることを恐れます。それが、自分の経験についてすぐに話さなかった理由の1つです。悲しいことですが、業界での性的虐待の経験はこれだけではありません。でも、どうすればよいでしょうか。私と一緒に働きたいと思う人がいない場所まで、完全に自分を遠ざけますか?シーンは男性によってコントロールされているので、そこに留まるために多くの虐待に耐えなければなりませんでした。」

直近で、これらのダブルスタンダードについて率直である業界の有名人は、RebekahとDave Clarkeを含め、ほんの一握りでした。

(②へ続く)

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