コロナ禍後ナイトクラブの再開(スペイン、イビザ)Social Local 地元の才能で安全にイベント再開

イビザのクラブ再開の続き。

記事で紹介されていたSocial Localは、海外アーティストの入国が難しく、イベントを開催するにも制限がある中で、地元の才能にフォーカスし、安全にイベント開催できるよう主導する活動。その活動内容を説明する、vision statement的なものが良かったので、和訳して紹介。日本のクラブシーンでも、特に若い人が、こういうのを主導してくれたら、かっこよかったんやけどな。

Social.Local - Social Local is an initiative to reboot... | Facebook

"Social Localは、イビサのコロナ後社会の「新しい日常」の中で、責任を持ってイベントを再起動するイニシアチブ(問題を解決し先導する活動)です。私たちは地元の才能に焦点を当て、地元のシーンをプロモーションすることを目指しています。私たちは、人々が安全に交流し、イビサの国内で育った才能をプロモーションできるようにこの社会的イニシアチブを生み出しました。

元々私たちは、イビザの音楽・アート・映画のプロモーターの集まりですが、検疫フェーズの段階的解除の規制内で、安全にイベントの経済を再起動するためのソリューションを見つけるため、地方当局に働きかけます。私たちの目的は、コロナ後の「新しい日常」が許す範囲内で、社会的交流をする現実的な方法を取ることです。社会的そして経済的回復への道のりで必要な規制について、地方自治体が、これらの分野で重要な役割を果たすイベント業界と話し合いをするのを助けるイニシアチブを作りたいと思います。

この不確かな時でも、いくつかのことがはっきりしています。社会的距離は私たちの生活の一部になり、旅行制限も必要です。当局は、島がCOVID 19の感染被害を最小限にするのに十分な、決断力のある対応をしました。島なので、隔離において、我々は地理的に明らかに有利です。イビサが慣れ親しんだ海外観光業を再開する前に、いくつかの難しい質問に答えなければなりません。しかし、我々は、再開したイベント経済を地元市場に戻し、近い将来の国内市場の可能性に取り組むための、賢い解決策を見つけることができます。

今こそ内側に目を向け、近年の商業的なシーンにおいては、より目立つプレイヤーの陰に隠れていた、イビザにはずっといた地元出身の才能に目を向ける時です。地元の才能にフォーカスすることにより、私たちはイビサを文化的に象徴するより強いアイデンティティを生み出したいと考えています。我々は、直面しているこの困難な状況を受け止め、我々の業界を再形成し、より強く・自立し・自主的になって現れ、誰が何がイビザを象徴するのかアイデンティティをより明確にする機会にすることができます。私たちは間違いなく文化的に経済的困難に直面していますが、このイビサルネサンスを作ることができます。"

以上がステイトメントの和訳。頼もしい。これだけ困難な時に、こういうことが言えて行動できる人が、日本のクラブカルチャーからも生まれるといいな。別に、上手くいかなくて、また元の商業的なシーンに戻ってしまったとしても、それはそれで仕方ない。どうしようもなく絶望的な時にでも、何とかしようという意気込み、それが希望の光となって前に進む力となる。

今週は市議会とミーティングをする予定です。 次の緩和段階であらゆる種類のイベントを行うことについて、聞いてきてほしいことがありましたら、質問を送って下さい。

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こうやって、オープンに進めるのもいいよね。日本のクラブはは組織がバラバラだし、閉鎖的。(お金をもらえる系以外の)情報共有もしないし、遅い。

日本は、ベルリンのように、感染者が出始めた時点でクラブ委員会が専門家に相談し、対策マニュアルを作って配布したりしなかった。店を閉めるタイミングも、バラバラ。再開に向けて、業界団体がロードマップやガイドラインも出さない。お上の指示待ち。金出せという活動でしか、団結していない。営業自粛期間の補償を求めるのは当然として、自粛してやってんだから金出せという抗議の仕方は、学校の先生に反抗してる子供みたい。感染を防ぐのは自分たちを守るためなんだし、請求する権利もあれば感染を防ぐ義務もある訳で、一員であるという当事者意識や、自主的に先にルールを作ったり、作る過程に参加して決めるという主体性が見えないんだよね。

 やっぱりそう思うよね。VJ TONTONさんは、もう何年もイビザで活動されているビジュアリスト。

あれだけ海外からDJが来日していて、日本人DJも海外でプレイしているのに、クラブカルチャーが輸入されないのは、何でなんだろう。言葉の壁で、カルチャーの話ができてないからかな。興味ないからかな。

DJ Nobuさんも、Powderさんも海外で評価され、逆輸入的に日本でも評価される。捕まっちゃったけど、DJ CHIDAさんという方も、確かそうなんだっけ。知り合いとか仲いいからではなく、DJだけで評価する目利き、キュレーターが日本にもいるといいなと思ってきた。でも結局、日本にはいなくて、韓国のOslatedが日本のDJやプロデューサーを実力で評価してくれている。

「利害関係なく完全インディペンデントでやるために、アフィリエイトもプロモーションも無しで、メジャーなメディアでは取り上げてくれない才能ある若手をピックアップしている、そのためにブログをやっている。」と海外の人に話したら、「それは、とても意味のあることだよ。」と言われた。そんな風に言ってもらったことがなかったから、嬉しかった。日本では、「自分のこと書いてくれて、ありがとうございます。」くらいしか言われたことない。何か僅かでもいいから良くしたい、何かしら意義があればいいと思って書いてるところもあるけど、最近は「あほくさくて、やっとれんなー。」と思う回数が増えたな。

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