Billboard 集計方法変更 新しいグローバルチャート アメリカは音楽の中心ではない
SpotifyやYouTubeのグローバルでフラットなチャートで、世界的なヒットや流行を肌で感じている身としては今更に思えるが、Billboardが今までの集計方法を見直し、新しいチャートを創設した。ラテンやKPOPが世界でどれだけ聴かれているか、数字を追っていない人は、きっとピンと来ないだろう。最近では、Billboardやグラミーは、アメリカローカルだと言われていたりもする。あまりにもグローバルでのヒットとずれていた。最早アメリカは音楽の中心ではない。
2つの新しいBillboardソングチャートが、世界第1位を授けます。1つは全世界を対象とし、もう1つはアメリカを除外します。 Billboardは、9月14日に、Billboard Global 200およびBillboard Global Excl. U.S.と呼ばれる新しいチャートを発表しました。 Billboard誌の発表によると、どちらのチャートも、楽曲の販売とストリームの組み合わせによって決定されます。有料サブスクリプションからのストリームは、無料サブスクリプションからのストリームよりも重み付けが高くなります。 Billboardの発表では、1販売に相当する有料および無料のストリームの数は示されませんでした。 Hot 100では、1販売と同じにするには、有料ストリーム125回又は無料ストリーム375回が必要です。
チャートの範囲は別として、とりわけラジオのプレイは考慮されません。親会社のMRC Entertainmentの担当者は、こう述べました。 「各国で体系的に測定できる指標が焦点でした。ストリーミングやダウンロードの売り上げとは異なり、現時点では、多くの地域でラジオは信頼のおける測定をしてておらず、追跡したとしても、国によっては矛盾なく行われていません。」Billboardの重要なソングチャートであるHot 100は、アメリカでのヒットを判断するのに、まだ売り上げ・ラジオ・ストリーミングを用いています。ストリーミングが音楽リスニングを支配するようになったにもかかわらず、Billboardはストリーミングを受け入れ、調整するのが遅れました(ストリーミングが最初にチャートにカウントされたのは2007年です)。そしてラジオはまだ、Hot 100を決めるのに、ストリームより大きな割合を占めています。新しいグローバルチャートは、Billboardのライバルとして2019年にデビューしたRolling StoneのTop 100チャートに、より一致しているようです。Top 100は、有料ストリーム120回又は無料ストリーム360回が1販売に相当し、売り上げとストリーム数を混ぜ合わせて用いられます。
グローバルに波及しラジオを無くすことで、新しいチャートは確実に熱狂的なファンに支配されるようになります。既に海外のファン(そしてアーティスト)は、BillboardのアメリカのチャートをVPNで操作する方法を見つけています。Justin Bieberは、今年初め、アメリカ国外のファンに『Yummy』をストリーミングで再生するときに、VPNを使用するよう仕向けました。 (一部のVPNは、アメリカ国外のインターネットユーザーが、アメリカのインターネットユーザーとして振舞うことを許しているため、アメリカ人の音楽ストリームとしてカウントされます。)
Billboard’s New Global Charts, Explained
日本国内のFM曲のヒットチャートを見ていると、良くも悪くも、流行や人気とは一致しない。その局でラジオ番組を持っているアーティストのプレイ数が多い。ラジオパーソナリティも自由に選曲できるのではなく、レコード会社の息もかかっている。
数字で判断することで、熱狂的なファンに支配されるのは避けられない。アイドルのような人気グループは特に、アルゴリズムまで研究・把握し、組織的に順位を上げてくる。個人的には、それはファンの熱量の数値化でもあるし、人種や年齢の偏った権威が審査して選ぶよりかは、民主的に思える。音楽の権威からは、ポップミュージックは女子供の聴くものだと思われがちだから。
BTS『Dynamite』
— 電算機 (@senotic_id) 2020年9月1日
Spotifyのストリーム回数が、1260万ではなく780万より少なくクレジットされたのはなぜ?
ARMYが熱心で忠実過ぎて、1日何回も再生してフィルターにひっかかったから。
When Does A Music Stream Really Count? via @forbes https://t.co/IBRXuPpn46
8/24〜9/6 ツイート数まとめ
— Snow Man Billboard (@SnowBillboard) 2020年9月6日
※Billboard JAPANと集計方法は異なります。参考程度にお考え下さい。
発売まで残り4週
➤Debut single『D.D.』発売中
➤2nd single 10/7発売
『KISSIN’ MY LIPS / Stories』 pic.twitter.com/uByu108Fw2
音楽に限らず、閉鎖的な業界において、数字が公平をもたらす。
フランスの名門大学、パリ高等師範学校(Paris ENS)は、新型コロナの影響で入学試験の際に口頭試問を行わず、筆記試験のみで合否を判断した。採点は匿名で行われた(すなわち、受験者の性別は採点者にはわからないようになっていた)。その結果、女性の合格者が倍増した(例年は4割、今年は8割)。 https://t.co/xRhsyljI11
— Kenji Shiraishi (@Knjshiraishi) 2020年8月20日
Spotifyでストリーミングできる音楽はまだ限られ、世界中どの国でも利用できるわけではないが、多くの国のストリーミング再生数をダイレクトに収集できるSpotifyが、アワードを立ち上げた。
「あなたの再生・パターン・習慣は、ファンが何を聴いているかを純粋に反映するSpotify Awardsのカテゴリー・ファイナリスト・優勝者を決める助けになります。人々が何をストリーミングしているかを真に語るアワード授賞式に、あなたは興奮できるでしょう。」
Spotify Awardsのゴールは、とても明白です。Spotifyは、ファンに、お気に入りのアーティストの音楽をプラットフォームでもっとストリーミングすることで、耳で投票することを促したいのです。
Spotify Is Launching Its Own Music Awards Show - Variety
例えば、Aya Nakamuraはラテンやアフリカでよく聴かれているけれど、フランス人なので、ラテングラミーやLatin Billboardなどラテンにも入れない。Spotifyアワードのようなものは、システマティックに広く網羅できて良いと思う。