嵐の夜に3 何者でもない自分の歌

台風の夜にdigして見つけたアーテイスト第3弾。世の中の多くの人が「普通の人」として暮らしている。何者でもない「普通の人」のことを歌っているような歌。

Bolbbalgan4 赤頬思春期 (韓国)

1995年と1996年生まれのユニット。日本でもライブしたことがあるんだ。アイドルが苦手なのでKpopは聴いていなかったけど、探せば色んな種類の音楽があるんだよね。MVチャートの上位には少ないので、digの仕方はdigしないとダメだけど。20代の女性の恋愛以外の心情を歌う日本人歌手ってパッと思いつかなくて(私が知らないだけ)、なんか気になった。
BOL4(볼빨간사춘기) _ Workaholic(워커홀릭)

フレンズ「夜にダンス」を思い出してフレンズ聴いちゃった。「夜にダンス」みたいにポジティブで楽しくなくて、これは最後暴れるだけなんだけど。
BOL4(볼빨간사춘기) _ 25


"No thanks I'm gonna leave my show (いいえ結構、私は自分のショーから去るつもり
We all know life not a show (人生はショーではないと皆知っている)
It's not enough to see only beautiful things (美しいことだけを見ているだけでは物足りない)
Only 25 25 (まだ25歳、25歳)"
人生はショーだと言っているのかと思ったらその反対。「大変なこともあるけれどそこから少しずつ学んでいくんだから大丈夫」みたいな前向きな歌詞だった。25歳という具体的な数字を出すことで、近い年齢の人の注意を引けるので良いアイディア。

Nahae (韓国)

以前インタビューさせてもらったNahaeさん、この曲だけ見落としていた。クリスマスソング。これがまた良かったんですわ。男性ボーカルも十分上手いんだけど、Nahaeさんのパートになると、一気に華やいでプロが登場したときのように締まる。楽しそうに活動してるからいいんだけど、インディーズで地味にやっていっくのはもったいなくない?MVの作り方によってはもっといける気がする。韓国のMVチャートの歌と比べ、音楽のクオリティは全く見劣りしないどころか上だと思うので。
lokid - youandi(christmas) w / NA HAE (prod by Sukiee)

Maisie Peters (イギリス)

2000年5月生まれ(19歳)。emo girl pop(彼女が命名したカテゴリ)。
Maisie Peters - This Is On You (あなた次第)


クラブのトイレが舞台。いちゃついてる人、泣いてる人、なぜかご飯食べてる人がいる。ダイヤル式、プッシュ式の電話機が出てくる。Bolbbalgan4のMVでもダイヤル式電話が出てきた。MVが面白いからなんとなく観たけど、音楽は普通だなぁと。ぼんやり歌詞を聴いていたら、なんか良さそうだ。
"And I get that you're hurt (あなたが傷ついているとわかってる)
Having issues at work (仕事で問題を抱えてる)
Always fight with your father (いつもお父さんと喧嘩してる)
But for years I was there (何年も私はそこにいたし、)
Had your back, it's not fair (私は味方だった、でもフェアじゃない)
How you took me for granted (あなたは私がいて当然と思っていた)
I went down with the ship (私は船を下りた)
Always your therapist (いつもあなたのセラピスト)
Always your good luck charm (いつもあなたのお守り)
Hanging on to your arm (あなたの腕にぶらさがった)
But not anymore (でももうこれ以上は)
[コーラス]
Who gave it all, and held you up? (全てを与え支えたのは誰?)
When nobody else gave a fuck? (誰も気にかけなかった時がある?)
Who bailed you out? (誰があなたを救い出した?)
That was all me (それは全て私だった)
Who was your biggest fan, and oldest friend? (誰があなたの最大のファン?旧友は?)
Your steady hand you traded in (あなたが手放したあなたの決断力)
But still stuck around (だけどまだ立ちすくんでる)
Well, that was all me (そう、全て私だった)"
「ずっと相談に乗って支えてあげたけど、私ができることは全てやったし、後はあなた次第だよ。」という内容だった。Maisie Peters は作家志望だったそうで、なるほど。

(意訳)Peters が元々は作家志望であったというから、会話形式の歌詞と物語が下地の歌に驚くことはない。Taylor Swiftにハマり、歌も物語だと気が付いた。

引用元:GET TO KNOW MAISIE PETERS

着物風の衣装とメイクだけひどい。アジアの文化の理解ってこんなもんかと思ったら、Tani Kumikoさんて、日本人か。そこは正しい着物と伝統的な化粧に近づけてほしかった。
別の曲「Adore You」のMVは、イケメンのマネキンを買って同棲するストーリー。いろんな解釈ができるので楽しめる。Maisie Petersの表情や演技がかわいらしい。

Gabrielle Aplin (イギリス)

1992年10月生まれ(27歳)、Folk, indie folk, indie rock, synthpop, pop。
Gabrielle Aplin - Kintsugi (金継ぎ)

タイトルが日本の金継ぎ。元気な声で「キンツーギ」と歌っていてかわいい。金継ぎで修復されたものは一切映像に出てこないんですが。金継ぎが何であるか、単なる修復に留まらないことまで、動画のコメント欄で説明してくれている人もいるし、16万回再生されているこの歌がきっかけで知ってもらえるならとても嬉しいこと。
"All my scars are golden (私の心の傷は金です。)
Glue me back together (接着して元通りにして)"
またダイヤル式電話が出てきた。

ブログに書き起こせるまで歌詞の意味を理解するのは、簡単ではないし時間もかかる。その国の文化や、単に年齢だけではない自分とは違う時代に生きる世代の理解も必要。自分の10代と今の10代は違う。完全には理解できないし、どんなに想像力を働かせても理解できる範囲は限られている。それでも楽しいな。自分とは違う人の考えを知るのは。簡単には理解できない分、理解できたときに「そういうことか!」と喜びが大きい。

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