個性の強い音楽(SUKISHA、Mom(マム)、MCウクダダとMC i know、the oto factory)

今年2018年によく聴いた音楽第4弾、個性の強い音楽。

SUKISHA
ツイッターアカウントを、フォローして頂いたのがきっかけ。ブログを書いてるとね、好きな音楽の方からやってきてもらえるんですよ。いいでしょ。32歳ニートと自称されているけれど、ミュージシャンとしてのキャリアも音楽からの収入があるから、正確にはフリーランスかな。ちょうど自主制作のクラウドファンディングが終わったところで、「好きなことをして食べていく」を試行錯誤を重ねて実践されている時期だった。その後、「Feat.ソニーミュージックオーディション」のファイナリストに選ばれ、支援金300万円を獲得。ファイナル審査では4位。

配信やファンの方とのやり取りを見ている限り、愛され上手さんなんじゃないかと。音楽の才能はあるけれど他はちょっと頼りなさげで、自分が応援してあげないといけない気にさせる。音楽だけでは人気を得るのが難しい時代、人に媚びずに愛されることも才能。
「4分半のマジック」や「恋する幽霊」が人気のようだけど、私の一番のお気に入りは
Let Me Know
「Baby今晩の注目、曲どんなんが売れる 全然goodではないね でもレーベルが推してる」の上がったり下がったりするメロディとリズムが病みつきになった。「インドの山奥でんでん虫カタツムリンゴは」みたいな気持ちよさ。明るい曲調ではないけれど、テンポよくグルーブがあるから踊れる。「聞か<せ>てよ」ではなく「聞か<し>てよ」、ラフな言葉遣いが雰囲気を出してる。
体脂肪率29%のご友人に送った29%、ソウルな卵納豆乗っけライスとファンクな感謝の正拳突きも好み。ソウル/R&B/ファンク/ディスコ好きとしては、日本人がそれっぽく真似て作ったような曲、特に歌物はイラっとくることが多かった。SUKISHAの曲は歌詞が日本語で自然だし、楽曲も歌い方も単なる真似ではなくSUKISHAの色が出ているから違和感がないんだと思う。
「オーディション期間中はネタ感のある曲をたくさん作ったが、ギリギリ自分の中で許せる範囲の、自分のことを嫌いにならなくて済むような内容で、と言うのは最初から決めていた。」「それは行きたくない会社に行ってやりたくない仕事をしてお給金をもらうことと大して変わらず、それなら普通に働けばいいし作りたくない曲を作ってお金を儲ければいい。」「僕は今のところ、Seaboardの曲がバズって2000イイネをもらうよりも、釈迦の手のひらのような曲を作って家族や友達が「いい曲だね」と言ってくれることの方が嬉しい。」
わかるなぁ。一方、話題にならなければ、SHUKISHAの音楽が好きな人に届かないんだよね。世の中音楽や情報は溢れていて埋もれてしまうから。やりたい音楽と世間のニーズとうまく折り合いをつけ、好きなことを続けられるモデルケースが増えるといいな。

 

Mom(マム)
2月の法政大学でのライブに行ったときは、フォロワー数も2千人いってなかったんじゃないかな、それが今や6千人目前(書いてる間に増えてて越えてた)。ワンコインだったCDが8倍の高値で取り引きされてる。大物のフックアップや大手レーベルのプロモ無し、どこにも属さずイベント共演者を褒めたりもしない、ツイートも普通だから音楽の実力だけ。「That Girl」の次はだいぶ間が空くかなと思っていたら、怒涛のリリース。ちゃんと全て違うテイスト。お惣菜屋でバイトしてたけど、実はめっちゃ金持ちで超優秀なおかかゴーストライターが何人もいてるんちゃう?と疑ってしまうくらい、驚異のスピード。就活回避のためならば、人は才能を開花させてしまうのか。
3月 1日   「東京」
3月19日   「That Girl」
4月 1日   「いたいけな惑星」
6月22日   「Kiss」
8月 3日   「夏の魔法 '18」
That Girl」、「Kiss」、「夏の魔法 '18」がお気に入り。「夏の魔法 '18」は楽園ベイベーに取って代わる夏の定番ヒップホップになるんじゃない?アルバム収録曲になるので上の曲は一時的に試聴できなくなってるけれど、今も聴ける「暗闇坂むささび変化 (Happy End Cover)」も良かった。やっぱり上手い人は自分の曲のように歌う。原曲よりスロー、ごまかしの利かないこのテンポで歌える歌唱力。僅かにこぶしを効かせ、味わい深い。

「パソコンが壊れてCD聴けず、無料で聴けるのがヒップホップだった。」それがヒップホップとの出会いだそう。CDプレイヤーが家にない世代なんやね。音楽に限らずだけど出会いって面白い。Chance The Rapperがやってきたことはこういうことなんだな。

ポップで親しみ易いのに、過去の誰とも形容し難い音楽。シティポップでもダンスでもなく、かと言って既存のヒップホップとは少し毛色が違う、和物ヴィンテージ感漂うクラフトヒップホップ。11月14日にフルアルバム『PLAYGROUND』リリース予定。


MCウクダダとMC i know
2016年当時界隈の音楽をまだ聴いてなかったので今まで知らず、SoundCloudが勝手に再生してくれて知る。Youtubeのおすすめは相変わらずアホやけど、SoundCloudは時々いい仕事する。MCウクダダさんは、未来才能全員集合祭 AT THE CORNERにもDJ ukddとして出演された方。okadadaさんの推しやねんね。この前TLに流れてきた嫁入りランドさんの動画も見てなんか納得。AT THE CORNERも公募とか言わんと「Seihoとokadadaの推しを集めて紹介しまーす!」って言うとけば良かったのに。
morning down
ラップより後ろでなってるバッリバリにひずんだ音が気持ちよくてずっと聴いてた。最後めっちゃ笑ろてるし、不思議な曲。

GOHAN
お茶漬けバー オオノ屋でもライブしてたのね。アイドルのライブみたい。ご飯ネタは老若男女共感できる。「俺はウクダダ商店駄菓子屋育ち、売ってる菓子は大体食べた」「今は握るうまい棒とマイク」日常や身近なことを面白おかしくラップしてるんだけど、韻も踏んでるし表現が豊か。

セカンドアルバムのびあいっつぴーくは、かわいいアイドルというより同世代へのメッセージ。これから何をリリックにしていかれるのかな。ウクダダさんはDJもうしないのかな。

the oto factory
シティポップでもSuchmos、Nulbarichは違う、トークボックスでも鶴岡龍、ORLANDは違う、オトファクじゃなきゃダメなんだ。なぜこんなに魅せられるのかはずーっと考えていて、少しずつだけどわかってきた気がする。しっとり聴かせる曲もあるけれど、オトファクはダンスミュージックだと思う。はっきりと主張はしないけれど、おそらくメンバーの人が聴いてきたディスコのグルーブやファンクがオトファクの音楽の中に生きている。縦ノリではなく、踊りたい魂(ソウル)がじわりと呼び起こされて体が動き出す。そんな感覚なんだけど、大袈裟かな。
パソコン音楽クラブ - Inner Blue (the oto factory Remix)
改めて聴き直してみて、細かく入っている代々木さん?のコーラスがいい味出してる。コンガと跳ねるようなシンセ、単なるリミックスではなく、オトファクの音楽になってる。私が気付けないような音の積み重ねや手間のかけ方で、質が変わってくるんだろう。パパっと作ったようなリミックスとは比較にならない。それにしても"tonight"とか歌ってるコーラスがいいな。「終わらない夜」だからかな。

シバノソウ - ai (Prod. the oto factory)
作曲-神納啓太 編曲-the oto factory Mix/Mastering-前田充紀
シバノソウが歌ったらバンドとかアイドルっぽくなっちゃうんじゃないと思ったら、ちゃんとダンス。大人っぽい歌い方だからか、オトファクの音にきちんとはまってる。ただ単に明るいだけじゃなくて、エモいのにゆらゆら踊れる曲、そう!こういうのなんだよ。木魚みたいにポコポコなってるカウベル、バックでループしてるギターのメロディー、
"wonderworld"のコーラス、後半キーが上がる前のシンプルなシンセとハンドクラップ、やっぱりオトファクは最高。カウベル叩き放題、フリーカウベルのイベントはいつになったらやってくれるん?待ってるで。

オトファクの情報を漁っていたら出てきたラップも良かった。リリックがダサいけど、フローって言うの?メロディのブラスがかっこいい。
Light My Fire - ONKEN MC's(Kai Endou,MC Ribon)

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