ライブ配信の楽しみ方、アーティストに求めるもの

新型コロナウイルスによる自粛を機に、多くのアーティストがライブを配信してくれている。普段あまり聴いていないアーティストのライブも、少し覗いている。ライブよりアーティストの表情や、バンドの演奏も細かくよく見える。音量も好きに調節できる。ライブ映えする演出と、配信映えする演出は違うはず。アーティスト毎に、ファンのカラーがあって、コメント欄の雰囲気が全然違って面白い。配信は、配信の楽しみ方がある。

aiko Love Like Rock vol.9~別枠ちゃん~

関西人でFM802育ちなのに、aikoは聴いて来なかった。なので、初めて。MCの内容がかっこよかった。ライブも、めっちゃ動くのに息切れもせずに声もしっかり出てて、音源と変わらない上手さ。好感度が上がる。生配信なのに、カメラワークも完璧。aikoが上を見上げたときに、目線が合うように、上からのカメラの映像に切り替わる。ドキッとした。ストリーミングやフルのミュージックビデオ解禁の宣伝の仕方も、押し売り感がない。「昔のミュージックビデオは、古いアルバム見ているようで恥ずかしい。」とか言われちゃうと、ファンでなくてもどんなのか気になるじゃない。いくつか聴いてみようかなという気持ちになった。

MCの一部を書き起こし。書き起こしって写経みたいな感じで、言葉をかみしめたり、刻み込む感覚がある。

"コロナウイルスの関係でライブが延期になってしまいました。せやけど、「Zepp空いてるし、やりたいな。」と思って、今日はライブをYouTubeで配信させて頂くことになりました。ライブやっても、やれへんくても、みんないろんな思いが、考えてることとか、思ってることとか、言いたいこととがあると思うんですけど、でも本当に大変な状態で、みんな一生懸命頑張っています。その中に、いろんな日常の中に「楽しい」ということは、絶対に、どんなことがあっても、あると思うので、今から一緒に「楽しい」という気持ちを、このライブで、配信を観て下さってるみなさんと一緒に「楽しいな」って気持ちを感じることができたらいいなと思いますので、少しの間ですが、一緒に楽しんでって下さい。
不思議だよ。全然人おらへんな。でも、これはこれで、絶対記念に残って、きっと笑える日が来ると思います。なのでこの曲を歌いたいと思います。聴いて下さい。『メロンソーダ』。"

"そう、サブスクも始めて。サブスクも始めて。サブスクってなんか言いたくなるな。サブスク。みなさんよかったら、いろんな曲が全部配信されてますんで、聴いてやって下さい。あれやんね。YouTubeのミュージックビデオも、全部フルで。全部公開されています。今まではワンコーラスとか、ちょっとだけやってんけど、全部公開されていますので。なんかでもね、昔のミュージックビデオは恥ずかしいな。なんやろ、あれですよね。なんか古いアルバムを開いてるみたいな感じ。昔の写真を見てるような感じ。なんかすごい恥ずかしいんですけど、それもよかったら、なんかついでに、すごい時間があったら、観てやって下さい。よろしくお願いします。最近は、ということで、色んな場所に行きました。そして、今回のツアーでは、この曲歌ってなかったんですけど、なんか歌うきっかけがよくあって、しかもいろんな人と歌わさせて頂きましたが、今日は一人で歌いたいと思います。ヘラクレス』じゃなくて『カブトムシ』です。聴いて下さい。"

【注釈:直近に出演したラジオを聞いていた人がわかるネタ】

岡村:俺と歌ってるときよりも、みんなも「いや、来たー!」みたいな、「うわ、来たー!」っていう。何なん、この新しい『カブトムシ』……新型の「ヘラクレス」みたいにさ! 海外のライブみたいに、みんなスマホ取り出して。『カブトムシ』が2人でやると「ヘラクレス」になるわけ!?

aikoヘラクレス」になります、もう井口くんのおかげで。

井口:お互いのパワーでね、「ヘラクレス」に変化するっていうことですかね!

井口・aiko:(笑)。

岡村隆史&aikoのデュエットにKing Gnu井口乱入! 2人の仲に岡村「何、このイチャイチャ…」 | 無料のアプリでラジオを聴こう! | radiko news(ラジコニュース)

"3月の7日と8日にやる予定やったライブは、延期になってしまいました。本当は今日やりたかったんですけど、できなくなってしまって、でもこうやってYouTubeで配信することができるきっかけをもらえたと、前向きに捉えて、今日はこうやって、歌をまた歌うことができてよかったなと思っています。延期したライブは絶対にやります。なので、みなさん、今日とか昨日のチケットを持ってる人は、このまま持ってて下さい。もし、でもな、今日とか昨日来れる予定やった人が、次の延期したその日にちに、どうしてもスケジュールが合わない人もいると思うので、それを考えると、めっちゃモヤモヤするんですけど、でも必ずまた会える日を、会える日があることを願っています。今日もこうやっていろんな人が、初めましての人もいると思うんですけど、みんなに届くように一対一で、音楽と、思ってることとか、感じたこととか、いろんなことを届けていきたいなと思っています。最近あったこと、なんかあるかな。なんかさ、やっぱYouTubeで配信されているということは、いろんな人が観てるから、普段言ってるようなしょうもない下ネタとかは言ったらあかんなと思ってしまうんですけど。いつもと全然違う感じがする。テレビみたいな感じで、すごい緊張する。"

"みなさん本当に今日はどうもありがとうございました。始まる前はどんなライブになるやろうと思ったんですけど、次の曲で最後になりました。あっという間でした。これからもちゃんと、みなさんと繋がっていられるように、みんなとちょっとでも楽しい時間を1個でも、愉快に過ごしていけますように。なんやろな。でも、本当に、笑っていこうね。みんなで。しょもないこと、いっぱい言って、笑いましょう。よかったら、またライブも来てやって下さい。今日は緊張してなんか。あれやで、でもなんかこう、誰もおれへんけど、みんながおると思って、aikoは下を向いてずっとしゃべってたんですけど。よくライブに来てくれる皆さんの姿を顔を想像しながら、今日はライブをやりました。ここまでやれて良かったです。本当にどうもありがとうございました。じゃあ、最後にこの曲を歌って終わります。本当にどうもありがとうございました。『さよなランド』聴いて下さい。"

以上、書き起こし。

大物で余裕があるからというのもあるけれど、震災を経験している人は強い気がする。共通した「あの時に比べたら」というのがある。おそらく今、時代が求めているのは親近感があって、自分の主張を代弁してくれるアーティスト。スター性を求めるのは古いんだろう。「(大変な状態でも、)いろんな日常の中に"楽しい"ということは、絶対に、どんなことがあっても、ある」と言ってくれると、安心する。自分はやっぱり、いざというときに、かっこいいこと言ってくれる尊敬できるアーティストを求めているんだなと気付くことができた。

海外のクラブは、まず顧客や従業員の安全について言及し、それを判断基準にしている。日本のインディーズバンドやクラブイベントは、自分たちのライブやイベントで感染者を出してしまって、叩かれることを一番気にしている。私は支持を得られなくても、叩かれても、自分が正しいと信じていることを書き、それがブログをやっている意義でもある。音楽をやってる表現者が、何が正しいかではなく、"叩かれる"という世間の評価をめっちゃ気にしていて、ダサい。世界が連携し励ましあってウイルスと戦ってるときに、ライブ中止のステイトメントに(ワイドショーによる)「ライブハウスやクラブの吊し上げ」について書いている。島国だからって、日本の、しかも自分たちの音楽業界のことしか見てなさ過ぎじゃない。

ライブ配信のコツ

ライブハウスの店長さんが生ライブ配信のコツをシェアして下さっていた。

ライブハウスはクラブより撮影も禁止のところが多い印象だけど、困難な状況にもめげず、知恵を絞り、新しいことにもチャレンジされている。

SIRUP / Studio Live 2020.03.14

生配信だったのかしら。テレビの歌番組並みにカメラワークが上手い。引きと寄り、映像の切り替え。切り替えは、長過ぎず、短過ぎず。SIRUPさんもカメラに目線送ったり、慣れてる。女性ファンは、画面の前で悶絶では。照明の点滅は苦手だけど、SIRUPのネオンと、ミラボールの使い方(ステージの真ん中に置く)が良かった。ライブ配信をいくつか観ると、比較できて、それぞれの良さがわかってくる。

※3/31まで期間限定公開

価値あるライブを配信してくれるアーティストなら、課金システムも大歓迎。手数料が少なく、支払い方法の選択肢が多いと助かる。三毛猫ホームレス『KANEKURE』みたいに、銀行口座番号でもええよ。

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