BTSの進化 鈍感なミソジニーから思いやりのあるフェミニズムへ

竹田ダニエルさんがシェアされていた記事が興味深く、広く知ってもらいたいと思ったので和訳。BTSも、つい数年前は、ホモソーシャルで、随分とひどい無意識に女性差別をしていたことを知る。でもそこから、女性をエンパワーメントする男性グループに進化した。昨日のブログで、ジャニーズの性犯罪意識の低さについてふれたが、今からでも変わろうと思えば変われることを実証している。意識の改革なしに、世界的成功なんてあり得ない。海外メディアによる嵐の松本潤さんのインタビューが批判されたのは、あれはとても良いことで、進化するスタート地点に立てたということ。今なら、今後の進化に期待するファンや未来のファンがまだいる。
フェミニズムを理解するのは、女性の気持ちを理解することに留まらず、男性は自分の男性性や、男性的なバイアスに気が付くことができる。有害な男性性に気付けば、男性も生きづらさから解放される。

以下、和訳。

BTSの進化 性差別主義から思いやりのあるフェミニズム
BTS' Evolution From Crass Sexism To Considerate Feminism

もし「音楽が愛の糧」だとしたら、ボーイバンドは、完全に(目の保養を読む)精神の御馳走を味わうものでしょう。ビートルズからNSYNC、ワンダイレクションまで、大勢の忠実な女性ファンを集める、一緒に歌うボーイズグループのようなものはありませんでした。しかし、韓国のボーイバンドであるBTSが、数年前に主に女性の世界の人々の心を捕らえたとき、世界はかなりカルチャーショックを受けていました。 BTS防弾少年団又はBeyond The Scene、7人のボーイバンド)は、数々の点でそれまでとは異なります。 バンドのメンバーはアジア人であり、白人や黒人ではありません。彼らは、典型的なバッドロックボーイにも、見た目の良い青い目のアコースティックでセレナーデを歌う人たちにも当てはまりません。ボーイズは、堂々と、お化粧をして、一見「女性らしい」衣装を身に着けています。彼らは自分たちの男性性に心地よさを感じることにより(男性性を受け入れることにより)、女性のハートをつかみました。

さらに、バンドは、資本主義・メンタルヘルス、そして自分たちの歌を通して有毒な男性性など、関係する社会問題に取り組むことで有名です。 こういったことにより、BTSフェミニストバンドのように思えるのでしょうか?今日、BTSフェミニストバンドの1つで間違いありませんが、ずっとそうだった訳ではありません。何年にも亘り、韓国に蔓延しているミソジニーの縮図を、彼らの歌・インタビュー・ソーシャルメディアでの悪い冗談に垣間見るだけでした。 しかし、ボーイバンドは、鈍感なミソジニーから、今日の思いやりのあるフェミニズムへと、興味深い進化を遂げました。

BTS 歌詞のミソジニーという判断ミス

歌詞は、ミュージシャンの世界観を理解するための最も明白なヒントを与えます。 BTSは、韓国社会で蔓延しているジェンダーの不平等・ミソジニー・性差別を完全に無視するどころか引き継いだりして、何度も何度も監視にさらされてきました。 2014-15年、バンドの曲「War of Hormones」を次のような歌詞で女性を単なるモノとして低く扱ったとして、ファンは強く批判しました。「女の子は方程式のようなもの/我々男はただそれを解く(イェー)/今すぐ君にあげる /女性は最高のプレゼント」

少し後には、彼らの曲「Joker」は、メンバーRMによって書かれた次の歌詞が炎上しました。:「イェー、君は最高の女性、最高の膣(gapjil) /やってるとき、とてもいい、最高の膣/だけど、今考えてみると、君は全然最高じゃなかった/君を最高と呼ぶのを止めて、その代わり淋病(imjil)と呼ぶ」 フェミニストのバンドファンは、このリリックを、女性の魅力と女性を低く見る理由を女性のセクシュアリティ表現の自由だと考えがちな一般的な韓国人男性を参考にした、露骨で下品なものと解釈しました。彼らが2014年に提供した「Boy With Luv」は、女性の同意を軽んじたとされており、女性をいじめ男を愛するように仕向けた跡があります。「僕には、ただ見ていてくれる君がいるだろう。君が、小さな子どもみたいに振舞う大きな男の子にした。」

バンドの問題あるコメント

個人的な面においても、バンドのメンバーは、インタビューやソーシャルメディアで、かなり問題のあるコメントをしています。 J-Hopeのインタビューで彼の理想の女性について質問されたとき、バンドのメンバーは、naejo(夫の成功に一生を捧げる主婦)や家庭内のサポートが得意な女性と述べました。バンドのボーカリストであるVは、エンタメポータルのStar Newsに、彼の理想の女性は「私(V)が持ち帰ったお金を賢く使う」と語りました。 バンドの最年長のJinも、「父と同じように、午前7時に仕事に行き、午後6時に家に帰って、妻が作ってくれる食事を食べたかった。」と語りました。 こういった発言は、女性を完全に家庭内の領域に追いやり、女性の存在は夫の存在の二の次にしていると批判を招きました。

さらに、2013年、バンドの公式Twitterアカウントは、「女の子は、冬と夏も(肌を見せる)寒い服を着ないといけないよ。男はそれが好きだから。」と読み取れるツイートで、女性の権利に対する無関心を示しました。そのBTSのアカウントはまた、女性ファンの批判に対し、彼女は「頬を(こちらに)向ける」べき、そうしたら「拳で殴る」ことができるからと書いてリプライしました。ファンからの批判後、バンドは、これらの発言は冗談であり、真剣に受け止めるべきではないと主張しました。

フェミニストの気持ち

ファンが、#WeWantBTSFeedbackでバンドの振舞いを繰り返し非難した後、BTSの事務所は謝罪と改善を約束すると応えました。その結果として、バンドは、フェミニストの序曲を含む意識的な歌をリリースしました。 ファンは、2016年に提供された「21st Century Girl(21世紀少女)」を、「君には価値がある 君は完璧だ 君にはその価値がある 相応しい/がっかりしないで/誰がなんと言おうと君は大丈夫/あなたは強い」といった歌詞を、強い女性のエンパワーメントのアンセムとして歓迎しました。 BTSはまた、昨年、彼女自身の権利においてフェミニストのアイコンであるHalseyとコラボし、考え直しフェミニストバージョンにした彼らの歌「Boy With Luv」をリリースすることで、問題のあった過去を修正しました。新しいバージョンは、前のバージョンのミソジニーの色合いを排除し、次のような歌詞で関係の平等性を称賛します。「私はすべてに興味があります。 今日はどうですか? /ああ、教えて。 / 何があなたを幸せにしますか? /ああ、ショートメッセージを送って。」

バンドのメンバーはまた、過去に近視眼的で不快な発言や歌詞をしたことを認めています。 2017年のインタビューで、過去の過ちを繰り返さないようにするために、全ての新曲の歌詞をジェンダー研究のフェミニストの教授にチェックしてもらっていることを認めました。 このグループは、2018年の国連総会での重大な演説を含む様々な機会に性的マイノリティを支援し、ジェンダーの流動とジェンダーポジティブの考えも支持しました。

BTSの批判を敏感に受け止め、自身を改善するための積極的な努力は、間違いなく称賛に値します。 今日のキャンセルカルチャーの時代では、特に良い結果をもたらす考え方であるフェミニズムは、学びと改善の場の1つとなるでしょう。

和訳は、以上。

この記事を読んでから、国連のスピーチを聞くと、1つ1つの言葉に重みがある。彼らが、実際に失敗し乗り越えてきたことだから。それは今も続いている。本当に昔の歌詞はひどいけれど、そこからフェミニストの教授に歌詞をチェックしてもらうまで徹底するところが凄い。公式Twitterアカウントから攻撃されたら、私だったらブチ切れて、そのまますぐに見捨てる。でもそれを、辛抱強く批判し改善を求め続けたファンが立派。そうやって小さな進化を重ねた結果、今があるのだと。BTSから学ぶべきことは、それじゃないだろうか。

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