2018年8月 Soul Matters @THE ROOM 渋谷

TSUBAKI FMきっかけで知ったSoul Matters、24時まで禁煙ということで行ってきました。今回ダンス企画もあり特別回だったとは思うのですが、それにしてもカルチャーショックの連続。

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場所はJR渋谷駅西口(バスターミナルがあるところ)を出て左、代官山方面に。陸橋を渡り徒歩1分。すき屋の下、地下1階。駅近。

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階段を降りたドアの前に100円ロッカー。小さいからリュックとかでも無理かな。扉一枚入ったところで支払いをして、次の扉を開けるとすぐフロア。正方形でBATICAの2階よりちょい広め、VISIONのDEEP SPACEや京都メトロより小さめのワンフロア。フロアの後ろがバーカンになっている。バーカンの照明がフロアに入るので、フロアも明るめ。フロアとラウンジの境界がないから、話せる程度に音を絞ってあるのかな。音割れ、建物の振動音もなく快適。

カルチャーショック
オープンから1時間もしないうちに、フロアはいっぱいに。この日は出演するダンサー仲間の方がたくさん来られていたのか、流行に流されない個性的なファッションに身を包んだダンサーの方で溢れている。フロア最前ではブレイクダンス、モダンダンス、様々な人が入れ替わり自分のダンスで主張・挑発し合い、ダンスバトルを繰り広げている。た、たっ、確かにダンスミュージックだもんね。フロア最前は「どないなエフェクトかけますのん?」「次何かけてくれるの?」「どないして繋ぎます?」とわくわくしながらDJブースを見つめる場所だと無意識に思い込んでいたので衝撃。
主催の方が、伝統あるTHE ROOMというような言い方をされていた記憶があって、スマホや撮影は禁止かもと覚悟していたが真逆。DJのみならずフロアにも向け、強めのフラッシュたいてプロの方がずっと撮影している。その方とは別にフロアに向けて動画を撮影されている方も。決して批判ではなく、人に自分の顔や容姿を晒したくない自分としては、映らないように常にカメラマンの位置を気にしているのに思わぬ方向のフラッシュにビビったりで、ただただしんどかった。動画は積極的に撮るけれど、お客さんの顔は撮らない、フラッシュはたかないのが暗黙のルールと認識していたが、イベント違えば常識も違うということを実感。おしゃれして注目を浴びに行くディスコと、オタクのオフ会みたいな文化の違いなのかな。暗くて自分の容姿気にせず音楽楽しませてもらえるいつものイベントへの感謝が深まる。自分より怒っている人をみると怒る気失せる感じで、写真さえ1枚も撮らず。
kurozumi氏は別として、繋ぎが割とラフ。ドタッドタッとなっても誰も気にしてない。よく行くイベントは、DJのせいでなくとも音が止まったら即ブーイング、ハウスやテクノは繋ぎやすいからかもしれないが気になることはまずない。かかる曲毎、繋ぎのマッシュアップ仕方にフロアが反応する。好きな曲がかかればラウンジやトイレから走ってくる人がいる。日頃他の客にもっと音楽聴けと内心思っていたけれど、振り返りこうして比較してみると、よく行くイベントのお客さんは音に耳をそばだてて聴いてる方だよなという気付き。
普段クラブに来ないダンサーの人だったからかもしれないが、スピーカーの上にドリンクがどんどん置かれていたのも気になった。THE ROOMに来るジャズおじさんに怒られるんちゃうかと心配に。よく行くイベントのDJは、機材とかスピーカーにはドリンク置かないでねとやさしくもきちんと客に教えるので、そのことを誇りに感じた。(私関係ないし、「お前何様」って言われそうだけど。)

kurozumi
オープンからのkentnishizawa氏の選曲も良かったし、島氏、JINI氏も期待通りだったけれど、kurozumi氏のDJが良かった。Sister Sledgeの Thinking Of Youのエディットかリミックスから始まり、「なるほどそういう感じで行きますか。」と思いきや、一旦落として地味目にハウス寄り。そこから徐々に音を増やし、メロディのあるもので上げていく。ダンサーのテンションもヒートアップ。思惑通りなのか、激しく踊るダンサーの後ろで地味にニヤニヤしながら選曲してる。ダンサーの熱気が最高潮に上がり切ったところで徐々に落ち着かせる。分かり易いと言えばそうなのだが、広く知られるポピュラーな曲でなくフロアの熱気を上げられるのはすごいなと思った。この方のDJをもう少し聴いてみたいと思い、家に帰ってDJミックスを漁ったのだけれど、UKハードコアのしか上がっていなくて驚き。UKハードコア?ハードコアのハの字も感じさせないDJだったのに。謎が深まり、さらに気になる。

Zabu&Eri
4つ打ちハウスで踊るペアダンスのデモンストレーションとレクチャー。ダンス動画をよく見ていた時期もあり、素敵なダンスを間近で見られて満足。足先はピアノで速い曲を奏でる指先のように素早くなめらかに動く。風を切る音が聞こえるほど素早い動きだが、腰から上はまるで固定されたかのように上下に動かず安定している。バレリーナはどんなダンスをしてもバレエの動きが出てしまうと聞いたことがあるが、Eri氏がバレリーナであることは一切感じさせなかった。高度なテクニックの結晶なのだろうけれど、体が作り出す動きの美しさに引き込まれた。動画は下からのアングルだが横からもまた違った印象があり、生でダンスを見る楽しさを味わった。

本当に小さな箱なのに、100人以上入っていたのでは。20代から30代前半かな、日本人以外の方も多かった。私は禁煙タイムの24時までしかいなかったが、そのあとなんとThundercatが来たらしい。魅力あるイベントには、若者も外国人もThundercatも来る。原宿の某老舗ミュージックバーのインタビュー記事思い出して、また腹が立った。
「東京をはじめ、日本はDJやバンド、つまり“音を出す側”のレベルは世界的に見ても非常に高いと思うんです。しかしその一方で、お客さんの成熟度が高まっていないように感じます。特に最近は、以前に比べて二十代の子たちがクラブで遊んでいることも少ない気がしますし」
「音楽って本能的なものだから、それほど廃れるものではないと思うんですけど……若者たちは今、夜に何をしているのか(笑)
若者のことも客のこともバカにしてる。40代の客しか来ないのは自分の店とイベントに魅力がないから。自分のところ以外のイベントに行ってもいないくせに、小箱の代表みたいな顔してナタリーのインタビュー受けないでほしい。音楽関係者は誰も言わない、言えないから客である私が言う。

あまりポジティブなこと書けなかったけど、終電まで良い音で聴きてみたかったDJ4人で思い切り踊ってサクッと帰る。タイテも出してもらったし、禁煙だから苦しい思いせずに思い切り息吸って踊れた。夜は寝て、翌日の休日も無駄にせずに済む。終電まで思い切り踊るイベントを望む声は割と目にするし、選択肢が増えると嬉しいですね。楽しい夜でした。

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