嵐の夜に2 スペインの忍者、ウクライナのダンス

台風の夜にdigして見つけたアーテイスト第2弾。

María Peláe (スペイン)

スペインのSSW。Spotifyのbioによると1990年生まれ。
María Peláe - La Niña (忍者)


スペインかポルトガル風の家で、プリプリ怒ってるラップをしていて、歌詞は旦那さんの愚痴とかかなと推測したらなんと「忍者」と連呼していた。びっくり。"La niña ninja y karateka (忍者少女と空手家)"という歌詞も。「女の子だけが行くバーがあって、どんなことが起きるかわからないし、その子はもう家には入れてもらえないだろう。」みたいな歌詞。忍者が野蛮さの象徴みたいに歌われているようにも受け取れて少し複雑。

La niña ninja y karateka
忍者少女と空手家
la niña es un hacha haciendo volteretas
少女は宙返りをしている
la niña es atleta
少女はアスリート
la niña es una fiera te trepa la higuera
少女は獣で、イチジクの木を登る
la niña descalza manchada hasta las cejas
眉色まで日焼けした裸足の少女
la niña es Mowgli en mitad de la selva
少女はジャンルの中にいるモーグリ(野生児)
la niña es artista, lo mismo te canta que luego te pinta y le dice
少女はアーティストで、あなたに歌い、絵を描く

あれだけ軽蔑したように「女の子だけが行くバーなんて」と歌いながら、最後はバッチリおしゃれしておばあちゃん達と恐らくそのバーに出かけている。歌詞も"Y os lo juro que por pura purita curiosidad acabé anoche entrando (純粋な好奇心から結局中に入ったと誓います。)"なので、実はめちゃくちゃ興味があって行きたかったというストーリーだと解釈した。"sólo van chicas (女の子だけが行く)"は「そろばんしーか」と聴こえる。ラテン系の言葉はローマ字読みだから、英語より日本語に聞こえる言葉が多くて楽しい。「おい、おい」とかも。
他にどんな曲を歌ってる人なのかと思って聴いてみたら、しっとりしたボサノバも歌ってて、またそれが上手くて笑ってしまった。美人だし。

Tina Karol (ウクライナ

ТИНА КАРОЛЬ — ВАБИТИ (премьера 2019)


トロピカルハウスというのかな、目新しくもないしMVもダサい。歌詞も薄っぺらい。(ダンサーだけは上手い。)でも何回も聴いてしまう。自分は外国語の言葉の響きが好きなんだと気が付いた。ロシア圏は「んーっにゃ」とか「ちゅに」という発音が多い。食べ飽きた食パンにボルシチ合わせてみるようなもので、ロシア語かウクライナ語が載っているだけで音が楽しい。彼女の他の歌はダンスナンバーではなかった。Little Bigもそうだけど、ダンスミュージックに転向や挑戦するケースが増えているのだろうか。
ロシア圏のMVは、アル中や旦那(彼氏)の浮気の場面が多い。ロシア圏に限らずだが、男性が美女を侍らしている割合が高い。女性がイケメンを侍らすのは初めて観た。

MONATIK & Nadya Dorofeeva (ウクライナ

MONATIK & Надя Дорофеева - Глубоко...


オリジナリティや新鮮さは感じないけれど、展開もあってダンスミュージックとして普通にかっこいい。何よりMV。メタボリズムではないんだけれど、細胞を増殖させたようなかっこいいデザインの建物。丸窓や柱、徹底的に角をなくしたデザイン。押しつぶしたような低めの天井、楕円の線。映像を撮る人が、建物の魅力をわかっている。人の置き方や影も把握してるように感じる。この建物どこにあるのか調べようと頑張ったけど、ウクライナ語のMVという情報源からのスタートは厳しかった。バービー並みの体形のモデルさんは、横に並んだら私の胸の高さくらいから足が生えてそう。激しい振り付けもしっかりこなしていてかっこいい。だけど、ちょいちょいおかしな振り付けがあって、スーパーモデル達が「ズクダンズンブングンゲーム」のような動きをしているところがあって笑ってしまう。
MONATIK - Каждый раз


歌の内容は映像の通りで好きではないが、曲が良い。最初はコーラス・ベース・フィンガースナップだけの少ない音で、後半徐々にキューバやカリブの音楽の要素が足され、映像のイメージと一致していく。とってつけたような「キューバ風にしてみました」感が薄くて、なくなじんでいる。ダンスミュージックとラテンの融合。AメロBメロの繰り返しではあるが、展開する毎にリズムが変わるのでグルーブが途切れない。ダンスミュージックなら楽器の音で煽るところも、ボーカルでやってる。曲作ってる人上手いな。

あとノルウェー、イギリス、韓国のアーティストが残ってるんだけど、これ以上は長過ぎるし、ひとまとめにする必要はないので分けます。

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