Phew 『Vertigo KO』ニュー新橋ビル
SAKUMA (Modest)さんの2019年ruralでの1曲目、出合ったことがない不思議な曲が気になり、調べて知ったPhewさん。
アルバムリリース予定で、映像が出ているのを知らなかったが、ださラップで紹介した方がSNSでシェアしてくれて、見落とさずに済んだ。自分とは全く異なる属性で趣味も異なる人から、自分の好みど真ん中の映像をシェアしてもらえるのは、奇妙な感覚で面白い。たとえ思想が違っても、同じものを楽しめるのは音楽の良いところ。
さて本題。
Phew - Vertigo KO
このアルバムは、無意識のサウンドスケッチです。 閉鎖的で閉塞的な時期である2017年から2019年に、日本でレコーディングされました。 これは、世界観の提示ではなく、個人的な2010年代後半のドキュメンタリー音楽です。 このアルバムの隠されたメッセージは、「私たちが住んでいるのはなんて酷い世界でしょう、でも生き残りましょう。」です。
Phewさんの音楽を聴いて想像していた世界が、そのまま映像化されていて驚いた。同じ日本人だから、音からインスパイアされる映像が同じになるのか。それとも、Phewさんが情景を音で表現する能力が高いから、音という媒体で配布しても、音に落とし込んだ情景までが伝わるのか。
薄汚れたビルの駐車場、扉の閉じた行き止まり、逆再生、レトロビルのタイル・掲示板のフォント・エスカレーター・ガラスブロック。好きなものばかりだ。ニュー新橋ビルとかかなと思ったら、一発で正解。昔、地下の牛カツ屋さんに1回行っただけで、上の階は行ったことないのに当ててしまった。シャッターが閉まっている細い路地を進むと、行き止まりのシーンも良いですね。頭バーの入り口を思い出す。「あれっ、行き止まり。」と一瞬戸惑う感覚。映像の女性は、Phewさんなんですかね。かっこいい。この曲だけを単体で聴くのは、自分には難しいかな。ただ、DJでこの曲を使うとしたら、DJの人はどうやって使うか、どんなミックスになるか、どんどん想像が膨らんで楽しい。
「ビルヂング」と名前のついた古いビル、陶芸品のようなタイル、レトロなフォント、「釦(ボタン)」など漢字表記の注意書き、接触式ではなく物理的に押し下げるエレベーター等のボタン、色褪せた赤いベルトのエスカレーター、模様ガラス、ガラスブロック等が大好きで、神戸に帰省する度に写真を撮り貯めている。例えば、三宮センタープラザには、注意して見ると古いものが多く残っていて、毎回足を運ぶ採集場所。写真に残しきれていないものがなくなってしまう前に、早く神戸に帰りたい。
インターネットは面白くて、自分も同じ道を散歩したら、絶対同じところに目が行く、絶対同じ写真を撮ると思える人を見つけることができる。ネットもSNSも、使いよう。