イギリスの違法レイヴ 自由と安全

イギリスのスクワット・レイヴ

VICEのイギリスのレイヴパーティの映像は怖かった。ドラッグは演技でしか見たことがなかったから。「楽しそう。」「やってみたい。」という支持する人もいて、それもショックだった。

Britain's Illegal Rave Renaissance: LOCKED OFF (2016)


「10年前 ここのレイヴでたき火をしてたら、男が火にガソリンをかけた。火は男が持ってた缶に燃え移って、大騒ぎになったよ。バカだよな。そいつのズボンが溶けて足にくっついたのは笑ったよ。」
笑うんかい。山火事になったらどうすんねん。
人が所有する建物に不法侵入して、パーティしてドラッグ吸いまくって、過去には10代の子供が亡くなったり指を切断したりしてるんだけど、出てくる人は大体「僕たちは誰にも迷惑かけてないし、悪いことはしてないんだよぉ。」みたいなこと答えてる。目の前の人を刺し殺すこと以下は悪いことではないし、事故が起きても自分のせいではないという考えなんだろうな。「法を犯すというスリルがさらに興味をかきたてる。」と言ってる人もいて、まあ、そうなんでしょうね。多角的に取材しているようで、結局はスクワット・レイヴを肯定的にまとめている。VICEだからね。

違法レイヴを別の角度から

違法レイヴに関するニュースをいくつか見てみる。

2020年2月6日
イワシのように詰め込まれたレイヴ会場で、19歳の男性が薬物で死亡。無料の水が提供されなかったことが問題だったのではという内容。ドラッグを止めさせるのは無理だから、死なないように無料の水をという記事は、他のクラブメミュージックディアでも読んだ。
Teen died 'after taking ecstasy at club where staff refused to give tap water' | Metro News

2010年1月5日
国立公園がランドローバーで荒らされている。
Second illegal rave on Dartmoor in under two weeks - BBC News

2019年12月27日
盗まれたシバガス(亜酸化窒素)のボンベと人間の排泄物を含む大量の廃棄物を周辺地域で発見。クラスAおよびCの麻薬の所持で18歳の男性が、薬物の影響がある状態で運転をしたとして27歳の男が逮捕された。
Police block roads to shut down Dartmoor illegal rave - BBC News

2018年12月27日
15歳の子がレイヴ会場から2kmのところで意識がない状態で見つかり、ヘリで病院に移送された。
Police called to break up 'illegal' Dartmoor rave - BBC News

不法侵入しなくてもパーティはできるし、スクワット・レイヴの楽しさは、やはりスリル(法を犯す背徳感)とドラッグなんだろうな。

レイヴカルチャーと安全

The Guardianは、VICEよりフラットに書いている。
『緊縮財政、中産階級化、大衆音楽:違法レイブが盛んな理由』
主流クラブが崩壊する中、違法イベントは元祖レイヴ精神を想起させるが、警察はこれまでと同じように危険で犯罪的であると主張
Austerity, gentrification and big tunes: why illegal raves are flourishing | Music | The Guardian

違法レイヴは、危険ではなく都会のクラブより差別がないと言えるのだろうか。結局は、レイヴパーティによるのだろう。ドラッグをやっている状態で、特にVICEで取材したようなスクワット・レイヴのような状態で、合意の上で性交渉をすることは困難だと思う。たった一人の命でも、特に未成年は、失われるべきではなく、それによってクラブが閉鎖されたり、イベントが中止になるのは仕方ないと個人的には思う。

音楽を楽しみたい人や女性も安全に楽しめる、レイヴパーティを作っている人たちもいる。

シドニーDIYパーティ
シドニーDIYのwarehouse party。Sydney lockout lawsにより営業や酒類の提供時間が制限され都心でパーティがやりにくくなり、地元の人は行かなくなっている。不法侵入しなくても、こういうやり方はあるよね。移民の国なのに、経済的に安定していそうな白人ばかりなのは気になるけど。
Real Scenes: Sydney | Resident Advisor (25:00あたりから)

NYの屋外レイヴパーティSustain
・1000人限定のレイヴパーティーで、子ども用のキャンプ場が会場
・参加者が友人を1人だけ招待できる(もし招待した友人がルールを破って退場になったら、それ以降もうゲストを招待できない。)
・客層がそもそもパーティー系じゃなくて、音楽を聴くことが目的の人たち
Aurora Halal - NYの屋外レイヴパーティSustain -
Interview: Aurora Halal -NYの屋外レイヴパーティSustain-ReleaseのサテライトイベントがContactで開催- | EYESCREAM

イギリスの違法薬物(ドラッグ)の現状

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