嵐の夜に 女性 Soul R&B Singer
台風による強風で換気扇がパタパタなる中YouTubeでdigってたら、女性 Soul R&B Singerの曲をざくざく掘り当てた。あくまで私の好みにあう曲だけど。ちょっと掘っただけでこれだけたくさんいるのに、SolangeやElla Mai、Samm Henshawくらいしか聴かない人がSolangeべた褒めしてるの、ほんまにわかってるんかな。
Nicole Horts （メキシコ）
1996年8月26日に生まれ（23歳）、メキシコのSSW兼楽器奏者。Soul, Neo-Soul, Pop, Funk。個人的にはジャズ寄りの印象。
Nicole Horts - Coloréame
ソウルフルだけどクールな表情で軽やかに歌っているからくどくない。スペイン語の発音がいい味出してる。jazzyなトランペットとキーボード。今回紹介する中で一番好き。Coloréameは英語だと"Color me."。恋に落ち、これからお互いのことを知っていきましょうみたいな歌詞だった。Billie Eilishも蛍光の緑色を好んで身に着けているけど流行色なんですかね。
Miraa May （アルジェリア）
アルジェリア生まれイギリス育ちの23歳。アルジェリア語、フランス語、日本語、アラビア語を話す（らしいが英語もフランクなので、日常会話レベルなのかも）。Pop, R&B, Garage。イスラム教徒。母数が多いから当然だが、移民や2世のアーティストは多い。彼女の歌が気になったのは西洋に異文化を溶け込ませた香りがしたからで、調べて納得。モロッコやアラビアの香り。歌の中でもしばしば韻を踏んでいて、多言語を話し言葉の音に耳を傾けている彼女が得意とするところなのだろう。スラングが多いが、言葉を音として使っているので、言葉の正しさや美しさより、発話としての響きが優先した結果なのかもしれない。
Miraa May - Nobody
"Tell 'em I don’t bow down to nobody
（誰にもお辞儀しないと言っておいて）
Only trust God and my family
（神と自分の家族だけを信じる）"
たくさんの家族と教会やモスクなど宗教に関する映像が出てくる。国旗はアルジェリアの国旗。2歳からイギリスで育った一方、イスラム過激派のテロが起きている国でイスラム教徒の移民として生きてきた彼女。信仰と、自分のルーツへの誇りと愛着を持ちつつ、同時に多様な人種や他の宗教への偏見はなく同じものとして見れている。それが映像の表現されていると感じた。
Miraa May - Angles ft. JME
"They have no compassion, they're following fashion
（彼らは思いやりがなく、ファッションを追いかけてる）
Yeah, I'm not involved, take me out of the caption
（そう、私は関わらない。キャプションから外して。）
Don't fit in a box, I fit in a mansion
（箱には収まらない。私はマンションに収まる。）
Tryna do a mad ting, always for the gram
（常にインスタグラムのために狂ったことをしようとする）"
エフェクトとかめちゃくちゃ使いながら、インスタ映えに支配され過ぎていることをユーモアを交えて皮肉っている。
Ama Lou （イギリス）
2000年5月生まれの19歳。作曲からプロデュースまで全て一人でこなす。2016年リリースの最初のシングル『TBC』では、Eric Garnerの死（NY警察が逮捕時に禁止された締め技を用いたこと黒人男性が死亡）について触れている。次の『Not Always』では性別の概念を扱っている。「最初の2曲がリリースされた後、私は政治的なアーティストと評されることが多く、visionを変えようと思った。」「Activism （行動主義）は今でも私の音楽になくてはならない要素だが、それだけに限定したくはない。私は自分の仕事に制限をかけたくない。」
Ama Lou - DDD
短編映画仕立てになっていて、Ama Louが監督、Amaの姉妹であるMahalia Johnが撮影。Amaが演じるLos Angelesの犯罪組織の若者のある旅の1日を追った映画になっている。Amaはスケボーに乗ったり、ボンネットの上をシューッと滑ったり運動神経が良さそう。表情やジェスチャーの表現も豊か。ボーカルにピアノだけのパートやビリビリの低音と音の表現も、保守的でなくて面白い。歌は今回取り上げた中で一番上手いと私は思う。
Seinabo Sey （スウェーデン）
1990年10月生まれ（28歳）、スウェーデン ストックホルム出身。Soul, Pop, Electropop。2014年のノーベル賞授賞式で歌を披露。（なるほどストックホルム出身だからね。）父親はガンビアとセネガルで名前の知られたミュージシャン。
Seinabo Sey - Good In You
"Then he said, "It's your reflection, darling"
（そして彼は言った「それは君の反射だよ、ダーリン。」）
Then he said, "It's your reflection, babe"
（そして彼は言った「それは君の反射だよ、ベイビィ」）
I see the good in you
（あなたの中に良さが見える）
Do you see it too?
（あなたも見えますか？）"
低い声が印象的でポップの曲調だったので気になった。歌詞を読んでみたら、曲から受ける印象通りのポジティブな内容だった。
Mahalia （イギリス）
1998年5月生まれ（21歳）R&B, Neo Soul, Hip hop, Soul。
サマソニに出てたのか。紹介文読んでも全く良さが伝わって来ないな。何々に選ばれたとか、何万回再生とかだけだとわからん。
MAHALIA - LINEUP - SUMMER SONIC 2019
Mahalia - I Wish I Missed My Ex
この曲が一番ポップで、逆再生のMVも面白いし、Mahaliaも楽しそうだから好き。こぼした牛乳が戻ったり、ボールが坂道上って行ったり。タイトル『I Wish I Missed My Ex』ここでのmissは「恋しい」のではなく「逃れたい」の意味かも。
先月Ella Maiとのコラボ曲を出しているけど、歌もMVも今一つかなぁ。
Nicole Hortsは楽器もできるようだし、ジャズっぽいしスペイン語の響きが好きなので期待。Miraa Mayはスキルが高いとか上品ではないけれど、モロッコやアラビアっぽさのある楽曲とアイディアが面白いのでその点に期待。Ama Louは思想を持っていて、表現力と歌の技術が高く才能溢れる方なので今後も楽しみ。
韓国の人はバラードやR&Bを聴くし、Nahaeさんたちのように作る若手も多い。日本はなぁ、90年代に聴いていた人で新譜もdigする層が中心になっちゃうのかな。RIRIは声もきれいだし技術は上手いけど、プロデュースのされ方見ていると心が痛い、かわいそう。Ariana Grande意識したような衣装と髪型で、中身のないペラっとした歌詞歌わされて。
