頁をめくる手がとまらない(DJ MAYURASHKA、Jennifer Loveless)

MAYURASHKA
Toreiさんが「めっちゃ良かったと噂の」と一言添えてシェアして下さったMAYURASHKAさんの2時間セット。噂通りでした。

明るい時間に生活感あふれた部屋で聴き始めたが、血が駆け巡るような興奮。だらだら見ていたPCの画面から目を上げて、思わず椅子から立ち上がる。続きが読みたくて次の頁をめくる手が止まらない、一度開いたら最後まで読み切ってしまう本のような、あっという間2時間セット。わかりやすい緩急はなく2時間走らされっぱなしなのだが、冗長にならないのはなぜか、自分なりに分析してみた。

<分析結果>
・単純な繰り返しの曲がほぼない
(展開したり不規則に音が入るので繋ぐポイントが限られ、それらを把握する必要もある)
・繰り返しの曲は短め、曲の中で展開がある曲は長めにかける
・4つ打ちでもビートを打つ楽器や音の種類が幅広い
・4つ打つだけではないリズムの種類の多さ
・むしゃむしゃ食べる音、不気味な低い声の笑い声、笛などがスパイスに
・人の声が入った曲も躊躇なく
・共通項のある5曲程度をブロックで組み、ブロックごとに雰囲気を変える
・当たり前に繋ぎのマッシュアップが超絶きれい
(曲の割り出すの大変でした。)

<分析詳細>
列車の音に羊の鳴き声、2時間DJの旅の始まり。Air Train Go Awayに別の曲をかぶせたり、行ったり来たり。3:30からの曲、最初はビートだけで徐々にトラックが追加されていく。立ち上げにぴったり。4曲目はACID TRAIN、ここまで鉄道繋がり。
00:00:00 Radio Silence - Air Train Go Away
00:01:14 The KLF - Wichita Lineman Was a Song I Once Heard
00:03:30 ?
00:07:00 CRATEBUG - ACID TRAIN (BUG EDITS)
音数少なく繰り返しの多い地味な曲の後は、妖怪がむしゃむしゃ食べるような音やブラス、人の声など特徴ある音で派手に。
00:10:45 Visnadi - Hunts Up (遠吠え)
00:14:15 ?(昔のゲーム音)
00:18:53 yello - Wall Street Bongo (咀嚼音、ブラス)
00:21:03 MCL - New York (Danvenfloor Cut)
早いビートに金属の楽器や音が重なる。Burntは、途中ビートを無視した音が重なっていてアクセント。
00:27:30 Phil Kieran - Polyrhythmica (ガムラン
00:30:00 Fango - Rectum
00:33:35 Eric Duncan & Justin Vandervolgen - Burnt
00:36:33 ?
シャウトやベースの音がロック。人の声。
00:40:40 ? (Nitzer Ebb - Let Your Body Learnか?)
00:44:35 My Rules - Dig Dag
インダストリアル系の金属音、テクノ寄り。音の数少なく、音の隙間がある。
00:46:35 ?
00:51:00 ?
00:54:28 Psyk - Cutting edge
00:58:17 ?
01:00:51 (低い笑い声)
高速のドラムや太鼓。音が少ない分、太鼓のリズムの種類が豊かさが映える。
01:06:00 ?
01:09:36 Maurice Fulton presents Stress - Moo That Rocked The Electric Chair
01:14:00 Yak - Mido
01:18:09 ?(ベースとシンセが奏でるメロディ、ずれた笛)
民族音楽
01:22:11 Young Wolf - Kabuki (Ritual Version)(口琴BPM上げ)
01:25:12 (民謡、アボリジニの楽器、鳥の鳴き声)
エレクトリック。Axel Boman - Nokturn、キーが徐々に上がる連続音は高揚感を増す。その後音数減らした低めの音。1曲の中で緩急がしっかりあるので長めにかけてある。
01:30:35 Chaim - Toriaz
01:33:30 D. Lewis & Emix - Spacer (エフェクトのかかった歌)
01:37:14 Zombi - Sapphire
01:44:35 Axel Boman - Nokturn (Grand Finale) (民族楽器)
01:49:00 Fantastic Man - Cool Waters
01:51:12 ?
01:55:25 Kingpin Cartel - Ghetto (BPM上げ)

素晴らしいDJは、分析するほどに発見があり良さがわかる。ホント耳が肥えてしまって困ってしまう。いつか選曲の様子や手元を拝見しながら聴けるといいな。この分析をやることだけで、MAYURASHKAさんのDJの素晴らしさが他人に伝わるとは思っていない。一番利益があるのは自分で、人様のDJセットを展開の様子を、頭から順にパート分けしながら聴くようになり、どの長さで繋ぐか次にどんな曲をかけるか勝手に予想して、当たり外れを楽しんでいる。

Jennifer Loveless
MAYURASHKAさんのの上記DJセットに近い印象があるのは、Jennifer LovelessのBoiler Roomでのセット。(43:45あたりから)極端にBPMを落とし再び徐々に上げる過程で、人々の興奮も高まっていく様子がわかる。選曲も単調でつまらない4つ打ちがなくて、音とリズムの種類が豊富。メルボルンからはるばるFFKTに遊びに来ていたらしく、私が一番気になってる外タレなのに日本でDJせずに帰ってしまうなんて、残念でならなかった。


(トラブルで序盤は音が悪い。隣で乳を放り出して踊るお姉さんが気になっていたが、見慣れてくると個性的な踊りが面白くて好きになる。)

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