L Devine 分類を拒否するクィアなポッププリンセス

クィアアーティストのインタビューって、何でこんなに面白いんだろう。考えたこともなかった視点と勇気を与えてくれる。一般の人が経験することのない、解決策が広く共有されていない困難を乗り越えて、人より成長し思慮深くなれたのだろうか。自分と同じ境遇の若い人に向けて、自分を包み隠さず語ってくれていることもあるかもしれない。

以下、インタビュー記事の翻訳。(段落毎の見出しは、本ブログにて追加)

 L Devineは、ジャンルによって定義されることを拒否するクィアなポッププリンセス
L Devine is the queer pop princess who refuses to be defined by genre 

Boring People

L Devineは1月に『Boring People』と呼ばれる伝わりやすいシングルをリリースしています。 タイトルが示唆するように、この曲は、単調なビートに乗せて単調な生活を観察していますが、他人の選択を批判するのではなく、私たち全員がどれだけ似ているかを示しています。9時5時のライフスタイルと眠気と戦うためのコーヒーを批判する、聖歌のようなコーラスが始まる前に、彼女は歌います。 「ペンキが乾くのを見て、子供の頃を思い出すかもしれない。ダウナーになり、ハイになり。私が抱える問題と同じ夢を見る。」彼女は嘆きます。「我々は退屈な人々で、人生に退屈している。」と。

L Devine - Boring People

彼女は言います。 「私たち全員が同じであるというコンセプトから、インスピレーションを得ました。私たちがお互いにどんなに違うと思っていも、私たちは同じクソなことを経験しています。私は歌詞を超内省的にし、自分の傾向・自分が時々どうやって退屈になるか・自分自身の心の声である戯言を拾い集めるように、心がけています。これは、自分自身についてもう少し話すチャンスでした。そして、コーラスは、普遍的なメッセージです。」音楽的には、これまでの彼女の作品とは異なりますが、L Devineがこの1年でリリースしたどの曲についても同じことが言えます。ひとつのジャンルやテーマにこだわるのではなく、シングル優先で音楽をリリースする方法を模索しています。彼女は説明します。「私にとっては、意識的な決断ではありません。私はただたくさんの音楽に興味があるだけで、自分が作れる音楽に蓋をする必要はないですし、いつも何か新しいことをやってみたいと思っています。」

職業としてソングライター

父親はMotownとSoulを聴き、母親は家でFleetwood Macをいつも弾いていました。学校では友達がhip-hopやR&Bを聴いていて、彼女だけの時間には Sex PistolsThe Clash のようなパンク音楽に出会いました。「とてもたくさんの音楽ジャンルが、私の人生に入り込んで来ました。私はそれら全てに恋をしていました。」と彼女は言います。しかし、新たに見つけたポップスの鑑賞の仕方が、ついに彼女自身の音楽への旅のきっかけとなりました。「職業としてソングライターになれることに気が付き、私はすっかりpopに夢中になりました。」と彼女は回想します。インスピレーションとして、Robyn、Christine and the Queens、Kate Bushのような強い女性アーティストを挙げました。popはきっかけになったのかもしれませんが、まだL Devineは1つの音だけに制限されたくありません。「ストリーミングによって、最早ジャンルに従う必要はありません。店に行って、一枚のCDに9.99ポンドを費やす必要はありません。今や何でも聴くことができます。このジャンルのるつぼにやって来て、アーティストらがそれらの全ての境界線を曲げられるのは、何だかクールです。」

クィアとして小さな町で

L DevineはNewcastle upon TyneのWhitley Bayで育ちました。世界で最も多様性に富んだ場所ではありませんし、小さな町での生活を経験してきた多くのクィアな人々のように、唯一違った人のように感じるのは息苦しいものです。彼女を受け入れてくれる"多くの愛情と思いやりのある人々"が周りにいたことは幸運だったと言いますが、「決して簡単だとは思いませんでしたし、誰にとってもそうだとは思いません。単なる小さな秘密であっても、背負っている羞恥心と戦っています。」と彼女は認めます。「多くの人のケースはそうではないことを知っています。」彼女は独立すると、クィアな人が大抵することをしました。彼女はロンドンに移って自分の音楽のキャリアを追求するために、大都市の明るい光に向かいました。彼女は説明します。「小さな町から来た私は、LondonやLAのような場所で、自分のセクシュアリティをオープンにすることができるとは思っていませんでした。クリエイティブ業界や世界中のこのような場所で、私がどのような人かについて、こんなにオープンにできると感じたことはなかったので、私はこのような場所で働くことができて、そこに友人がいることを本当に幸運だと思っています。」

クィアと分類されること

去る五月に、このシンガーソングライター(L Devine)と話した時、彼女は自分のセクシュアリティを、絶対に"資本化やマネタライズ"したくないと言い、それがマーケティングの物語として使われるのではないかと心配しました。どうしたら、彼女が搾取と祝福の境界線に立てるか尋ねました。これは、もちろん、似たような人を探している若いファンにとって重要です。彼女は回想します。「私は、成長して音楽業界を外部の視点から見ることが心配だったと思います。分類されたり、何かの箱に入れられたりしたくありません。しかし、それは実際とても馬鹿げていて私の問題ではないと、今はわかっています。単に社会が私に言っているだけで、それに対して私ができることは何もありません。ゲイアーティストとして知られるより前に、一人のアーティストとして知られたいと思っていますが、しかしそれも私の一部でもあります。」

ポップスター像

彼女が外からこの(音楽)業界を覗き込んだと感じた疑念で、彼女はもう少しで歌手になることを止めるところでした。彼女は言います。「私が幼かったとき、私はアーティストになりたくない時期を経験しました。私は、単にソングライターになりたかったのです。なぜなら、ポップスターとはどんなものであるかという考えがあり、自分にはそれにフィットすると思わなかったのです。女性のポップスターは、女の子らしい女の子で、皆歌い、皆踊り、Britney (Spears)風の古風なポップスターだと思っていました。それは全く自分ではないとわかっていました。私がもっと幼く、歌手になることを考えていたとき、『男子にもアピールするために、自分がバイセクシュアルだと言わなければならない。』と思っていました。それは完全に馬鹿げています。そしてもちろん、今では完全に変更されています。」

クィアロールモデル

彼女のセクシュアリティを受け入れ、彼女の音楽に正直になることで、彼女は世に知られた新時代のクィアの人々のロールモデルになりました。例えば、ファンのお気に入りの曲『Daughter』では、彼女のクィアネスと(元カノと彼女の)関係を拒絶した元カノの母親を激しく非難します。彼女は歌います。「私を信じて。あなたの無知で私を困惑させないで下さい。彼女は私のベイビィ、ガール。あなたが彼女に教えた全てに反しますが、すみませんミセス、私はあなたのお嬢さんに恋をしています。」彼女の心からストレートに出てくる、彼女独自の信頼できる物語は本物で、リスナーに対して明らかに影響を与えました。L Devineは言います。「人々が物事を乗り切るのを手伝うのが大好きです。私ができることをすることで一番良いことは、人々が私に近づいてきて、『私がどういう人間かを受け入れるのに、あなたにとても助けられました。』と言ってくれることです。『Daughter』のような曲が、どれだけ人々を助けているかを知り、それ以来、決して尻込みしたくありません。」

L Devine - Daughter

クィア歌手が歌うクィアソング

トランス(ジェンダー)の俳優がトランスの役をするのかどうか、クィアな歌手がクィアな歌を書くのか、なぜ真正性が最近バズワードになるのかには理由があります。生きた経験から語られる物語は、はるかに強く共感されます。しかし、もちろんそれは常に起こるとは限りません。イギリスのシンガーソングライター Charli XCXは、最近不満をソーシャルメディアに投稿しました。(ちなみにCharli XCXはL Devineをpopの"motherfucking future"と呼んだことがあります。音楽業界の女性が、彼女たちのキャリアを支配下に置いておくために、彼女達の能力が疑問視されるというやり方について。L Devineが情熱を注いでいるもう1つのトピックです。 彼女は言います。 「若い女の子の歌が、どれほど40歳の男性によって作られているか気が付いたなら、それは信じられないことです。女性が曲を書けないからだとは思いません。A&R(Artists and Repertoire、アーティストの発掘・契約・育成とそのアーティストに合った楽曲の発掘・契約・制作を担当)やこれらのセッションを設定する人々が、部屋に入れ、自分自身で歌を書くチャンスを与えていません。若い女の子のために歌を書こうとしているなら、それは若い女の子によっても書かれるべきだというのは、常識でしかありません。今はチャレンジングだと思います。正直に言って、過去2年間で、最も創造的で独創的な音楽のいくつかは、女性から生まれました。Billie Eilishは、この2年で完全に音楽の方向付けをした素晴らしい若い女の子の完璧な事例です。Rosalíaも同じく。次の大きなものが何であるかを見るために、誰もがそれらの若い女性を目を向けています。

活躍するクィアアーティスト

近年、クィアの女性は特に、音楽において重要な位置を占めており、一般的な同性愛や女性のセクシュアリティに関するタブーを打ち破りました。繰り返しになりますが、何について歌い、自身をどう表現するのかを言われる女性ポップアーティストの課題について、何年もチャレンジしています。L Devineは言います。「ここ数年で、私たちは大きく前進したと思います。」彼女は物事が良くなっていることを肯定しています。「私が音楽をリリースし始めて以来、明らかにとても多くのクィアな女性が、彼女たちの歌詞の中で女性について語っている音楽をリリースしました。King Princess、Clairo、 Hayley Kiyoko、Carlie Hansonのようにとても多くの人々を、多くの事例として挙げられます。私たちは間違いなく正しい方向に進んでいると思います。」

去年一番聴いたレコード

L Devineが、今年自分のために繰り返しかけたレコードは、批評的に絶賛されたLana Del Reyの『Norman Fucking Rockwell!』(「始めから終わりまで、私はそのアルバムに心を奪われました。」と彼女は夢中で話します。)と、フランスのアーティストChristine and the Queensによる『Chris』だと言います。「私はChristine and the Queensの大ファンです。歌、ビジュアル、ライブ、全て合わせて。」彼女自身のデビューアルバムについて、間違いなく彼女は意識していますが、最終的に手元に届くまで、ファンはしばらく待つことになりそうです。彼女は言います。「アルバムは私にとって本当に重要であり、それは間違いなく、私が目指すようなアーティストです。アルバムを作るとき、私はどこかへ行って、1つのテーマや特定の音を掘り下げたいです。今のところ、私は本当にまだそこにいません。物事を試すことを、まだ楽しんでいます。今年はシングルと音楽を世に出します。それは一貫性と関連性についてです。」

今年の抱負

インタビューを締めくくるので、この先の可能性に満ちた1年について、最後の質問をします。L Devineは成し遂げたとき、どうやってそれがわかるでしょうか?彼女は笑います。「それは大きな、大きな質問です。私にとっての究極の目標は、たとえほんのわずかな汚れであっても、この大きな古い音楽業界に小さな足跡を残すことだと思います。私は心から人々を鼓舞したいです。私の音楽が彼らに影響を与えたと、他のアーティストやクリエイターから言われたいです。それが夢です。」彼女は既に、それを成し遂げるための道を、順調に進んでいると思います。

以上、翻訳終わり。

電算機おすすめ曲

L Devine - Naked Alone

ダメ、一人でもう一晩も過ごせない
温めてくれる別の体が必要
ずっと裸で一人で寝るのは嫌だった
裸で一人で
ああ、私は触れられるのを随分長く待っていた
その気にさせてくれる体が必要
ずっと裸で一人で寝るのは嫌だった

L Devine - Like You Like That

午前6時、まだあなたと話している
ウザかったら言って
電話を切れない、あまりにもあなたに夢中
あなたが私と同じように感じているかは知らないけど

あなたと二人だけになるのを毎日待っている
言って、正直に
「気が変になりそうだから」なんて言わないでしょう、たぶん
あなたが全て、私が考えること、夢見ること、話すこと、決して嘘をつかないこと
今ほしい、今教えて、あなたが望むなら
あなたどう?

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