歌姫、ポップアイコン、イットガール

ラテンポップの歌姫

Travis Scottとのコラボで、日本でもようやくRosalíaの認知度が上がってきて嬉しい。
tofubeatsさんは、2年前の2018年から既に注目していたんだったよね。

Rosalíaは、コンポーザーでも音楽プロデューサーでもあるし、振付師も自ら交渉して、総合的にセルフプロデュースし、著名人との交流も深め、セルフプロモーションまでしている。アートだけでなく、ビジネスの才能もある人。用意された歌と踊りを完璧にこなすアーティストではない。日本だと、どうしてこういう紹介のされ方になってしまうのだろう。私は彼女のアイディアやプロデュース全体を評価してるんだけど、一般の人に向けては、わかりやすくしないといけないんだろうか。

・ラテンポップの新星
・ラテンの歌姫
・情熱のアーバン・フラメンコ・プリンセス
・いま世界をメロメロにさせている情熱の歌姫
・スペイン・バルセロナ発、新進気鋭の歌姫

ラテン・グラミー4冠獲ったとき、Rosalíaはラテンなのかという論争はあった。「バルセロナ発」って人に対して使う言葉なんだろうか。海外のメディアだと、スペイン人ではなく、カタロニア人と記載している記事もあった。有色人種に対する「アーバン」という言葉を使うことに対して、批判がある。

女性音楽アーティストによく使われる言葉

・歌姫
・ポップアイコン
・ディーバ
・イットガール

「歌姫って、何やねん。」と思ったら、既に記事があった。
歌姫ってなんなん? - i-D
「Mitskiのライブを観に行ったら、髪型のせいか、遠くからの見た目がなにやらテレサ・テンにそっくりで、そのことに、なぜかひどくグッときた」という既存のものに当てはめてしまう見方と、それをパブリックな文章でリリースされるのは、なかなかきつい。国民的歌手、英雄として使われているとは思わないな。若くて美しく華やかで、歌の上手さを強調するような歌を歌う女性歌手で、マジョリティに人気があるときに使われていると思う。

アイコンは、時代や文化を象徴するような人だったり、ファッション・アイコンなど見本になる人という意味で使われているという理解。皆が安室奈美恵に憧れて、アムラーになっていた時代とは違う。多様なモデルがあり、そもそも誰かの真似をする必要もない。自分自身が昔から、人と同じことをする、つまり流行に乗ることがダサいと思っている。自分の価値観で選び取ったものが、偶然流行と一致したのならいいけど、多くは他人の目を気にしたり影響された結果だと思うから。もう誰もがアイコンでよくないですか?ロールモデルだったら、助けになりますが。

イットガール(It girl)とは

魅力的な若い女性、一般的にはセレブで、性的な魅力と特に魅力的な性格の両方を持っていると認識されています。

「It Girl」が注目されるのは、一時的です。上に上がっていくのIt Girlsの一部は、一般的にテレビのリアリティーショーやシリーズへの画策的な露出を経て、本格的なセレブになります。そのような加速剤がないと、彼らの人気は通常衰退します。

It girl - Wikipedia

この意味で使われているなら、「イットガール(It girl)」と呼ばれることが、誇らしいことなのかよくわからないね。

 歴代のイットガール

女性誌COSMOPOLITANの特集記事。日本語版とアメリカ版の比較。

アメリカ版

「芸能界」で名を成すには、間違いなく過酷なハードワークが必要です。 同じ夢を手に入れようと奮闘している無数の他人と競争していて、非常に脅威になり得ます。 加えて、有名になることと、絶対的なスターになることは別です。 (『Too Hot To Handle(アメリカのリアリティーショー)』に出演することと、自分が書いた音楽をプレイするスタジアム(のチケット)を売り切ることは、別です。)

しかし、ビビデ・バビデ・ブーのように、単にたまたま業界の第一人者になれるのではありません。そのような成功と注目度に到達するには、文字通り数年かかる場合があります。 それはグラマラスでありながらタフなギグであり、情熱的な人だけが
現実的に到達します。 つまり、Billie Eilishは13歳のときにヒット曲を書いていて、実際数年後に理解されるようになりました。

以下では、1960年までさかのぼって、ハリウッドの全ての「It Girl」が見れます。これらの女性は全て、ベストにベストを尽くしました。

Hollywood It Girls Through the Years

日本版

美しさの基準は年代とともに変わるのはわかっていても、実際振り返ってみるとここまで変わったの!?とビックリ。今見ても魅力的なセレブもいれば、中には当時なぜみんながそんなに夢中だったのか、サッパリ…というセレブも(?)。そんなItガールの変遷を、コスモポリタン アメリカ版から!

過去30年のItガールを一挙振り返り!(1985-2015)

 日本語版ひどい。「中には当時なぜみんながそんなに夢中だったのか、サッパリ…というセレブも(?)」って何なん。英語のオリジナル記事に、「It Girl」の理由が全部書いてあるやん。「美しさの基準」って、見た目だけとちゃうんやで。過去のブログエントリにもいくつか事例を載せているが、学校教育だけではなく、女性誌の文化レベルが違い過ぎる。記事を読むことで価値観が形成されるから、10代でインプットする情報や考え方は大事なんだよ。

相手をどう呼ぶかで、関係性が位置付けられる。私は年下の男性を「君」付けで呼ばない。業界によっては、男性が、仕事関係の年下の女性を「ちゃん」付けで呼ぶ。親しみを込めて、仲が良いからだと、呼ぶ方の男性は説明する。そうやって呼ぶことで、無意識にマウントしている。「ちゃん」付けされている女性が、反対に男性のことも「ちゃん」付けで呼んだとしても、馬鹿にされた気がせずにいられるだろうか。

「歌姫」とか「新星」とかいう言葉を使えば、考えなくて済むので楽だけれど、アーティストのことを知り、表現する言葉を考えて延々と悩む時間は、そのアーティストへの敬意だ。

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