世界のリーダーのパンデミック対応 台湾

近所の児童公園は、平日も休日も、子供から大人まで多くの人で賑わっている。距離も近いし、声を出し息も切らし、飛沫たっぷりのボールをやりとりしている。買いだめさせず消費を続けさせるために、ほとんどの人は症状がないとか人に感染させないと、専門家が流布してきた。結果、その通りになっている。多くの人がウイルスを恐れていない。

台湾は2週間しか休校にしていないが、感染防止対策と教育がしっかりしている。学校の門で検温、手と靴の裏の消毒。ウイルス感染の脅威を伝えるためパニック映画も用いた小学生でも理解できる教育、マスクの着用、授業の休憩時間毎の手洗い、生徒が消毒係りとなり教室の入り口で手をスプレー消毒、飛沫防止のため昼食時は各自衝立で囲う。学校で習慣付けてくれると、放課後や家庭での意識も変わるはず。

対策本部は外出自粛を特に求めず、人々はほぼ普段と変わらない生活を送る中、感染者や濃厚接触者、海外から戻った人に義務付ける14日間の隔離を徹底。隔離された人に1日当たり1000台湾ドル(約3600円)の補償金を支給する一方、違反者に最高100万台湾ドル(約360万円)の罰金を科している。

台湾、コロナ封じ込め成功 新規感染者ゼロも引き締め:時事ドットコム

4月19日時点での台湾の全感染者数は420人。パラオに寄港した海軍から感染者が出たため、同じ艦船に乗船していた700人全員を検査、合計24人の陽性が判明している。国内新規感染者はゼロの状態が続いている。水際対策、教育、検査して隔離という基本的なことをやれば、封じ込めは可能だと示している。
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新規感染者数のグラフ。グレーは海外からの帰国者、オレンジは国内の感染者。こうしてきちんと正確に情報公開されると、国民の行動の結果が数字で出るので、我慢したり努力しても達成感が得られる。
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COVID-19 - Taiwan

世界がお手本にしている台湾総統の言葉を和訳した。

台湾総統 蔡英文:我々の国はCOVID-19の大流行をどのように防いだか』
Taiwan's President: How We Avoided a Major COVID-19 Outbreak | TIME

"台湾は立ち直る力のある島です。 何世紀にもわたる困難により、我々は耐え難い状況に対処し、適応し、生き延びることを強いられてきました。私たちは、国家として、共に困難な時を乗り越える方法を見つけてきました。COVID-19のパンデミックも同じです。このウイルスは感染性が高く、我々は感染源に近いにも関わらず、大流行を防ぎました。4月14日の時点で、確定された症例数は、400人未満です。

この成功は偶然ではありません。 医療専門家・政府・民間部門・社会全体の努力の結集により、私たちの国の防御力を強めました。何十人もの命を奪い台湾人を傷付けた2003年のSARS大流行、その辛い教訓から、政府と国民はいち早く警戒しました。昨年12月、中国で新型呼吸器疾患の伝染の兆候が見え始めたとき、武漢からの旅行者の監視を始めました。1月には予防対策を実施するため、中央伝染病対策本部を設置しました。 旅行制限を導入し、リスクの高い旅行者のための検疫手順を確立しました。

(マスク)買い占めパニックを防ぐため、政府は早い段階で、商品市場の急拡大を監視し、医療グレードのマスクの製造と流通を政府が引き受けました。経済省は、民間の工作機械と医療供給会社の協力を得て、サージカルマスクの追加生産ラインを調整し、生産能力を倍増させました。 テクノロジーの専門家・薬局・コンビニエンスストアの支援により、マスク配給システムを考案しました。 これで、病院と一般市民の両方が、マスクを手ごろな価格で手に入れることができます。政府と民間企業の提携、我々が「チーム台湾」と呼ぶこの協力により、深刻な影響を受けた国々に物資を寄付することができました。

(補足:1月初旬には、マスクの輸出を禁止。政府が、国民に1週間に1人3枚のマスクを配給。マスクはオンラインでも購入できるが、転売防止のため、購入履歴が政府に管理されている。購入したマスクは、コンビニで受け取れる。マスクは3枚で100円くらい。オンラインでマスクを買いたくない人のために、地図上でマスクの在庫が確認できるマスクマップが開発された。後に、同じニーズのある韓国バージョンも開発された。)

台湾には、世界でもトップクラスの医療システム・優れた研究能力・透明性の高い情報があり、積極的に公共機関や国際機関に共有しています。実際、台湾は自国内で、コロナウイルスを効果的に封じ込めてきました。世界的に見ればまだ、COVID-19は人道的な危機であり、全ての国が共同で取り組む必要があります。台湾は、世界保健機関 (WHO) や国連から不当に排除されてきましたが、製造業・医療・技術などの強みを生かし、世界と協力していきたいと考えています。

(補足:多くの国が台湾のWHO参加を望む中、WHOテドロス氏は、台湾から差別を受けていると、公式な場で根拠も示さず台湾を名指しで批判。そのことで、テドロス氏は世界から非難されている。)

地球規模の危機は、国際社会の構造を試すものであり、私たちを窮地に陥れ、引き裂く恐れがあります。今、これまで以上に、グローバルネットワークのそれぞれの繋がり全てが、意味を持ちます。論争をやめ、人類の利益のために、協力しなければなりません。COVID-19との戦いには、世界中の人々の総力が必要です。

台湾は困難に見舞われたことは初めてではなく、最も困難な障害でさえ、乗り越えるために進んで団結することが、立ち直る力になります。これこそが、何よりも、台湾が世界と共有したいと思っていることです。誰かと一緒に困難を乗り越える、人類の能力は無限です。台湾がお手伝いします。"

和訳は以上。


日本の国会での質疑について報道されている。緊急時に台湾のようなマスクマップシステムが構築できるかという野党からの質問。ニュースの解説「日本ではグループで決断を下します。つまり、誰も決断しないということです。何年も自民党が支配してきました。国会議員はポジションをローテーションしています。竹本IT担当大臣は、自分がITの専門家ではないと事実を晒すという失言しました。」後ろで眠りこけている大臣の姿が映し出されている。

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