新型コロナウイルス(COVID-19)対策先進国シンガポールもクラブ閉鎖を要請
オリンピック延期
昨日のWHOの会見でオリンピック延期についてDr. Michael Ryanが回答していた。(動画は、35分あたりから。)時事通信のノブさんという日本人の方が検査数について質問していたので、この会見が記事になるかなと期待したが、出てないようなので。
"We are feeding into the IOC and Japanese government and Tokyo 2020 committees deliberation on this. And I believe the decision will be made soon regarding the future of the games. The decision to postpone the games would be purely decision of the Japanese government and IOC. But we are obviously in the process offering the risk advise, as I said previously, we really confidence the Japanese government and IOC will not proceed any games should be dangerous to athletes or spectators."
シンガポールの厚生省(日本の厚生労働省)
この会見で、ロックダウンについても質問があった。ロックダウンしていないけれど感染者数がそれほど多くない国として、例に上がったのがシンガポール。過去の会見でも、しばしば良い事例として名前が挙がっている。休校にも、エンタメ自粛要請もしていない。
日本の厚生労働省にあたるMOH (Singapore Ministry of Health)のウェブサイトを見てみた。見やすい。国のウェブサイトとは思えない。サイトのトップに、どういう情報がデマで、根拠のない噂を広めるなと注意書きが出る。WHOもウイルスとの闘いはデマとの闘いでもあると言っていて、改めてそれを強く実感している。何人退院したかの情報もすごく見やすい。(実際のウェブサイトはもちろん英語、わかりやすいように自動翻訳をかけてキャプチャした。)
https://www.moh.gov.sg/covid-19
ポスターも、理解し易く、かわいい。英語・中国語・マレー語・タミル語版がある。WHOも国民への教育を強く呼びかけていた。
https://www.moh.gov.sg/covid-19/resources
どうすればリスクを下げられるか、ここまで具体的に指導して、周知している。映画館は、人との距離を1メール以上空くように、座席が販売されている。
Advisories on Safe Distancing Measures | Enterprise Singapore
シンガポールの自由と厳しさ
国内の活動が自由な分、水際対策がとても厳しい、そして早い。状況が悪化の兆しがあれば、やりすぎくらいに先手を打っている。国民は安心できるよね。
2月27日 永住権を剥奪、自宅待機命令違反で
永住権を剥奪、自宅待機命令違反で - NNA ASIA・シンガポール・社会・事件
3月22日 シンガポール、短期滞在者の入国や乗り継ぎを禁止 3月23日深夜から(ハブ空港なのに、トランジットできない)
https://www.traicy.com/posts/20200322149536/
シンガポールまでも娯楽や冠婚葬祭を含む集会を禁止
そしてとうとう、国内の経済活動は自由だったシンガポールさえ、クラブや映画館のクローズを指示。
3月24日 仕事や学校以外の集まりを10人以下に制限(以前は250人以下)
これらの措置は、2020年3月26日23時59分から実施されます。これらの措置は2020年4月30日まで実施される予定ですが、状況が改善されない場合は延長される可能性があります。
5. ナイトクラブ、ディスコ、映画館、劇場、カラオケ店などのバーや娯楽施設は全て閉鎖されます。これらの場所では、一定期間にわたって密接な接触が続くため、伝染リスクが高くなります。
12. 全てのイベントと集会(例:会議、展示会、フェスティバル、コンサート、スポーツイベント、見本市)は、規模に関係なく、延期またはキャンセルする必要があります。これは、全てのイベントと集会を250人未満の参加者に制限するという以前の要件を厳しくしたものです。
13. シンガポール人は、一度に10人以上が参加する社交行事や集会を開催したり、参加したりすることは避けてください。これらには、誕生日や結婚式などの個人的なお祝いが含まれます。葬儀と葬祭の場合、出席は可能な限り家族のみに制限し、いずれかの時点で10人以下の人々の集まりにする必要があります。友人や知人が最後の敬意を払い、悲嘆に暮れている家族に慰めを与える必要性を理解しているように、私たちは社会の相互作用を最小限に抑えるために彼らの役割を果たし、ウイルスの拡散を一緒に遅らせることができるよう、一般市民に強く要請します。
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/tighter-measures-to-minimise-further-spread-of-covid-19
そのシンガポールに心配される国
そのシンガポールの今から10日前(2020年3月15日)の会見。
"If you look at the countries that we have highlighted, one concern we have in UK, in Switzerland, in Japan. It's not just about the numbers that we have reported. It is the case rising very rapidly. It's not just about the numbers, but the fact that these countries have abandoned any attempt at containing the spread the virus. They have said so publically, especially the UK and Switzerland. Perhaps less so for Japan. But certainly in the case of UK and Switzerland, I think the UK has been most public in acknowledging that there's no point of containing. And they are now at the phase of trying to delay the spread. If there is no deliberate effort contain, then we anticipate that the numbers of infected cases in these countries were rise even more sharply in the coming days or weeks. That’s why we are quite concern."
(私たちがハイライトした国を見ると、英国・スイス・日本に、ある懸念があります。 報告した数値だけではありません。 非常に急速に上昇しているケースです。 数字だけではなく、これらの国がウイルスの拡散を封じ込めようとする試みを放棄したという事実です。 彼らは、特に英国とスイスで公に言っています。 おそらく日本ではそうではありません。 しかし、確かに英国とスイスの場合、英国は封じ込める意味がないことを認めて最も公になっていると思います。 そして、彼らは現在、広がりを遅らせようとしている段階にあります。 封じ込めの意図的な努力がない場合、これらの国の感染症例数は今後数日または数週間でさらに急激に増加すると予想されます。 それが私たちが非常に心配している理由です。)
COVID-19: Singapore concerned as some countries have given up on containment, says minister
イギリスもスイスも、言った通りになった。ただし、アメリカの水際対策が手遅れだったことまでは予想されていなかった。シンガポールがすごいことは知ってたけど、ポンコツ先進国と具体的な施策の差をまざまざと見せつけられるとね。WHOは各国からの資金で成り立っている立場上、国名を挙げて批判しない。この先の状況を読むのに、シンガポールの情報も参考にするといいかもしれませんね。