BewhY (비와이) - 찬란 (CHALLAN、輝かしい) 真似事からの脱却とアイデンティティー
なんともブログの書き甲斐がある作品。リリックと映像のあらゆるところにメッセージが仕込まれていて、見つけて理解するのは楽しい。すっかりお気に入りのアーティストになってしまった。
[Verse 1]
輝かしい、そう言われる、そう言われる
なんて輝かしい若い子
私の未来は光り輝き、とても素晴らしい
きついこと言えば、俺には筋書きは無意味
俺に代わる地球人はいない
人々が韓国のヒップホップシーンにうんざりした時
2012年9月19日
最初に俺の声が世に出て、次はC Jammだった
Aldrich Killianくらいの俺らの熱量
（Aldrich Killianアルドリッチ・キリアンは、アメコミ『アイアンマン』に出てくる超人を開発する優秀な科学者）
常に先を見据えた結果、ついにイリュージョンを起こす
俺らは真実を信じるのみ、宗教じゃない
お前らが使う俺のフローは、1年、2年前のやつ
お前らの心の情熱はシリコン
俺の成熟したプレミアムな音楽は、
（グループ）Black Eyed Peas（のメンバー）will.i.amの『Elephunk』、
Pharrell Williams、John Williamsにインスパイアされた
（John Williamsは、スターウォーズ、ジョーズ、未知との遭遇、スーパーマン、E.T.、ホームアローン、インディジョーンズ、ジュラシックパーク、シンドラーのリストなど、多くの映画音楽を作った作曲家。指揮者で、ピアニスト、トロンボーン奏者でもある。）
子どもたちは俺のファンになり
俺はリアルな若いWilly Wonkaになる
俺の名のヒップホップ黄金期を創る
（Willy Wonkaウィリー・ウォンカは、『チャーリーとチョコレート工場』の工場長）
煌びやかなシャンデリアが、タイトルの『찬란 (CHALLAN、輝かしい)』を象徴している。
高級なルームサービスを運ぶ黒人男性。ときおり、BewhYがワゴンを押す姿に切り替わることから、かつてのBewhYであることがわかる。黒人の真似をして、決まった順路で同じようなメニューのルームサービスを運ぶだけのように、ヒップホップをやっていたBewhYを表現している。
BewhYは、映画音楽の作曲家にインスパイアされたとわかり、超納得。単なるクラシックというより、映画やドラマのシーンを盛り上げるような管弦楽器の音の使い方をするから。
[Bridge]
ラッパーたちはダメになった、BewhYはズルい
ダメになったヒップホップシーンに今の俺は属していない
ここはヒップホップおたくのために用意された席
嫉妬する顔、うっ！醜い。
俺のファンは顔を上げて
見ないといけない、助け合って
俺のファン、ヒップホップをわかってるやつは、
我々の助けを必要としている
次のヒットがゴールじゃない
俺は自分の音楽を聴き、ロールスロイスの後部座席にいる
[Verse 2]
後で、彼の音楽をかけろ
時が来た、チクタク
時間の無駄
ごめん、遅くなって
やぁ、俺はヒップホップをやってる
去年、ポップはほぼやり尽くした
ヒップホップがほしいなら、
BewhYの軌跡が真ん中にある
今日、明日の新聞には、BewhYの後追いが
目覚めよ、ヘイ、俺は今目覚めているぜ
お前のアーティストのベストバースが支配する
乳と蜂蜜で満たされた、ここがわが父の土地
（「乳と蜜の流れる地」は聖書によく出てくる言葉で、肥沃な大地を意味する。父はイエス・キリスト。）
称えよ、自分自身、輝かしい精神
俺の魂、俺の肉体、俺の手、輝く聖書を
俺は輝かしい子、20と6歳
最初は興味深げに見ていた観客も、退屈そうにしていたり、終いに寝てしまっている。寝ていて聴いていなかったにもかかわらず、最高得点を付ける。
奴らは俺を超えようと頑張り過ぎている
今、今、BewhYが復活するシーズン
今この時、俺の音楽は空白（期間）を飛び越える
良き事が俺に続き
俺の名が道を開く
それでも、俺は決して完璧ではない
見えないところで成し遂げたこと
スタジオで汗だくで魂の会話
ヒップホップの中で膨大な企画がすぐに引き裂かれる
兄貴（BewhY）はクレイジー
兄貴（BewhY）の拠点は仁川
ガキの頃の不注意の事故を一掃している
ヒップホップファンに詫びている
世界に俺のダンスを見せよう
SoonとDejavuだけがトップになる
最早韓国人ではない、それがお前らの賞賛
私の血と肌の色を否定した、それは俺の望みじゃない
もし黒い顔が本物なら、なぜ肉体を黒くすることが答えでないとわからないのか？
もう俺は腰でズボンを履かない
黒人みたいになろうとしているやつみたいに
俺のアイデンティティーは韓国人だ
韓国人、韓国人、韓国人、韓国人、韓国人
黒人の真似をして認められても満足できないことに気が付く。
床に散らばった高価なアクセサリー、掃除の人がグッチのキャップを拾い上げ、ゴミ箱に捨てる。BewhYはグッチが大好きで、お金をつぎ込み、過去に『9UCCI BANK』という曲まで作っている。
大きな舞台のの客は目隠しをしている。見えていないという意味か、肌の色で見ないでほしいという願望か。
[Verse 3]
新しいスタイルのBewhYをデザインする 世界のBewhY
これに唾を吐くのは誰だ？
壮大なアイディア、非常に優れたプラン
俺が本物のラッパーだ
そんなの変だ、無視しろ、全く子供じみている
常に幼稚なポジションにいるのはお前だ
全く哀れな
俺は永い眠りから目覚めた BewhYは再び足を踏み出した
足をこの土地のトップに向けた輝かしい一歩
興奮して、心は斬新なラップのことしか考えていない
日々インマヌエルはDejavuの空白を埋めた
『Dejavu』は、BewhYの2017年のアルバム『The Blind Star』に収録されている曲。目隠しされているBewhYは『The Blind Star』、つまり2年前の自分。2019年のBewhYは、『The Movie Star』（この曲のアルバム名）に進化した。
牧師さんの解説による「インマヌエル」の意味とは、
この呼び名は「神は私たちとともにおられる」という意味ですが、それは本来、状態を意味するのではなく、「神性と人性が共にある存在」という意味です。
インマヌエルであるお方がこの世において歩まれる時には、神としてのあり方を捨てて、全く人として歩まれました。しかもその人としての歩みは「貧しい者として」、「弱い者として」歩まれました。
ステージではないが、찬란 (CHALLAN、輝かしい)黄色い光の中でラップをしている。大きな舞台の客層とは違い、作業服を着た労働者に向けてラップをしている。貧しい人と一緒に生きたインマヌエルに重なる。
[Outro]
昨晩、よく口にしていることを達成する夢を見た
口癖のように頂点に立つと言っていた
俺は自分に言った ただやるべきことをやるだけだと
既にここにいる また会おうと
俺の名を人々の心に刻み、世界の期待を超えていく
自分の人生は、生を受けた理由と目的のために生きる Dejavu
Dejavu Dejavu Dejavu 我々は超越する
Dejavu Dejavu Dejavu
Dejavu Dejavu Dejavu 我々は超越する
『Dejavu』を超えるとは、過去作品と超えるという意味と、夢で見たことが実現することで感じるDejavuと二つの意味と解釈できる。
仕事上、教養のある人に見せかけるために、聖書や古典を引用しろとアドバイスを受けたことがある。中国の方とビジネスをするなら三国志とか。欧米の基準ではなく、韓国人として認められることについてラップしているのに、めちゃくちゃ欧米ウケを狙っているように思ったし、実際、英語圏の人の反応が良い。韓国人向けに、韓国らしさとかアイデンティティとか訴えても、それほど響かないだろうからね。私は、韓国人ではない外国人としてハマるし、消費する文化・エンタメとしては最高のご馳走なので、全く問題ないのだけど。それと、ヒップホップって、常に俺が一番で強くないといけないのは、大変だなと思う。逆に、ザ・おめでたズが、「最初はグー、頭はパー、でも案外feel so good（グー）」とかラップしているのが、かっこよく思えてくる。
