小箱で夜中踊れなくても困らない

クラブイベントって、多くの人は流れる音楽よりもそこに集まる人に会いに行っているのだと思う。老舗の小箱は歴史があり、少数派の音楽を育て人と音楽を結び付け、たくさんの人の思い出を作ってきた場所に違いない。ただ、音楽を楽しむ場所としてクラブイベントに行き始めた立場として、小箱で夜中踊れなくても何一つ困らない。

敷居の高さ
大箱は人混みに紛れることができるので、一人でいても目立たない。小箱は常連さんが多くて、一人でふらっと入りにくい。大箱のように情報がたくさん出ていないのでチャレンジしにくい。大箱はサブステージも多いので、メインステージのDJが合わなかったら他という選択ができるが、小箱でダメだったら逃げ場所がない。

設備
音響からロッカー・トイレまで設備面で小箱が劣るのは仕方ないとして、一番困るのはタバコ。狭い空間で横でタバコ振り回されるのは地獄。20代男性の喫煙率は22.8%、女性は7.0%。吸わない人の方が圧倒的の多いのに、小箱のほとんどが喫煙可。若い人にも来てほしいとか言ってるけど、喫煙率とか気にしたことあるのかな。禁煙にしたら残り80%、90%の人も来るかもしれないよ。

立地
繁華街にある箱の周りには24時間営業の店があるが、住宅地や文教地区にある小箱にはないので、音楽や雰囲気が合わなかったときに行く場所がない。移動するのも遠い。住宅地や文教地区で夜中に大きい音出さなくても、0時まで楽しくやればいいんじゃないかな。朝まで飲んでつぶれた人が、通学路にころがっていたら良くない。

出演者
箱にもよると思うが、小箱はアンダーグラウンドが渋いとかテクノ以外邪道みたいなこと言う小難しい人とかが多い印象がある。若くて才能のあるDJやアーティストを発掘して出演させることを、積極的にやってる小箱ってあるのかな。Forestlimitとか、西麻布Bulletsとかはそうだったのかな。

観たい出演者はメジャーではないが大箱で観れるし、大箱の方が音もよくてセキュリティーもいて安全、フロアは禁煙。疲れたら外に出て、24時間営業の店で休める。最近はホテルのラウンジに人気DJが来て踊れる。ミラーボールはなくて明るいけれど、安全だし綺麗で禁煙。行けば会える知り合いもいないので、よほど魅力のある出演者が出るときでないと小箱に行く理由がない。ネットを漁れば、才能ある中学生がごろごろいて、個性のある音楽を発信している。別に年齢は関係ないからスーザン・ボイルみたいな人でもいいけど、今現在小箱は小箱にしかない独自性のある文化を発信できているのかな。

クラブに関する風営法の改正時の動きを辿ってみると、最初から小箱から深夜の客を大箱が奪うシナリオができていたのかもしれないと疑ってしまう。でも、本当に小箱に人気があれば、午前0時までの営業で成り立つと思うし、小箱文化も守れるはず。ホテルや商業施設という若者が気軽に入れる施設に、DJブースが次々とできている。大箱もアイドルやYoutuberのライブ、未成年も入れるデイイベ等、クラバー層を広げている。小箱は風営法よりももっと先に、危機感もって考えないといけないことがあるんじゃないかな。

青山蜂のクラウドファンディングも、なぜ防音なのか理解できなかった。防音したからと言って夜中の営業ができるようになった訳でもないのでしょう。地域住民からの苦情は、騒音だったのか店のまわりで騒ぐ人だったのかゴミだったのかの説明がない。クラブに行っている20代が音楽を楽しむ場を奪われてブチ切れないと、風営法の運用基準を変える大きな波にはならない。私のように、別に夜中に小箱で踊れなくても何ら支障のない人が多ければ、変えるのはもう無理だと思う。今東京でNOONと同じことが起こったら、どれだけの人が動いてくれるだろうか。お客さんも一緒に裁判戦ってくれるのかな。そこまで愛されているクラブが、東京にはどれだけあるのだろう。風営法の議論を見れば見るほど、風営法の議論に熱心な層と実際に今クラブに行っている層の意識に乖離がある気がして、この思いが強くなる。

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