好きな女性のタイプは? 芸能事務所のアーティストの扱い

tofubeatsとのコラボ曲が良かったNOAがEPをリリースするそうで、告知配信をやっていたので観てみた。マスコミは入れず、関係者のみ。質問にも答えつつ、自分で英訳するのは大変そうだった。

EPプロモーションの適当なコンテンツが思いつかなかったのか、これが最善と考えたのか『NOAに聞きたい10の質問』コーナーが始まる。
①インドア派?アウトドア派?
②最近のマイブームは?
③初めて買ったCDは?
④好きな女性のタイプは?
⑤趣味はなんですか?
⑥韓国の良い所と日本の良い所をそれぞれ教えてください
⑦韓国にいる時一番苦労した事は?
⑧カラオケで良く歌う曲は?
⑨睡眠時間はどれくらい?
⑩今後やりたい事を教えてください

質問のクオリティの低さに驚き。「ご趣味は?」って、合コンじゃあるまいし、「苦労した事はは?」「今後やりたい事を教えてください」って、就職面接なの?アーティストのことをよく知らない芸能リポーターの質問ならいざ知らず、自社アーティストのセールスプロモーションをする人が知恵を絞って考えたものとは思えなかった。プロではない私でも、その人のアピールになる点を研究して、それをご自分の口から答えてもらえるよう質問を考えている。芸能事務所にとってアーティストは宝で、それでビジネスをしているのに、興味ないのかしら。NOAさんのインスタに、普段来ている質問を研究していないと感じた。PerfumeのCoachellaでのインタビューが酷かったのも、事務所がこんな感じだからだと納得した。

一番問題なのは「④好きな女性のタイプは?」。まず、異性愛者であることを前提としている点。例えセクシュアリティを知っていたとしても、世界に向けて公けにすることではない。合コンとかは知らないけど、人を好きになるって、細身とか家庭的とかそういうタイプで恋に落ちるものでないでしょう。もしNOAさんが「とにかく乳がでかい女子高生です!」とでも答えたら、どうするつもりだったんだろう。おっぱい好きは、なんら問題がなくて、でもそれは親しい間柄で話す極めてプライベートなこと。せめて理想のデートはくらいにすべきだったと思う。
ちなみに、「好きなタイプは?」は、日本に来た外国人は聞かれて戸惑う質問。
『プロのように「好きなタイプは?」に対処する』
Love In Japan: Handling The 'What's Your Type?' Question Like A Pro - Savvy Tokyo

いくらアーティストが多言語ができて日本国外のリスナーに人気でも、事務所の感覚がずれていると、事務所の人にそのギャップを理解をさせないといけないので、海外進出するのにも苦労しそう。事務所がインタビューを研究し尽くして、アーティストにこういう受け答えをしろと指導してもいいくらいなのに。NOAさんは、作詞作曲もできるから、アイドルではなくアーティストとして売っていくんだと期待していたので、疑似恋愛でビジネスをするアイドルみたいな扱いは残念だった。

韓国の芸能事務所は、ビジネスのためにやっているのはわかっているが、お金儲けのためであるとしても、Stray Kidsは事務所から大事にされ、事務所や社長が彼らの良さを把握しているようには見える。

Pre-TALK "JYP X 3RACHA"

Stray Kidsが事務所の社長J.Y. Parkとリリース予定の作品や近況について、上司との面談形式でトークする動画。J.Y. Park自身が有名人なので、日本で言えば、滝沢秀明社長が、新人ジャニーズグループと話すような感じ。視聴者に作品の良さを直接アピールして売り込むのではなく、第三者として面談を覗いている気分で、制作において力を入れた点などについて聞けるのが面白い。事務所が、アイドルではなくアーティストとして扱っているように見える(実際は違ったとしても)。

【Stray Kids×J.Y. Park】 Special Interview

事務所の社長が所属アーティストを、リーダーがメンバーの良いところを、長所も短所もよく知っている人が紹介する形式。社長自ら出演することで、力を入れているグループであることが伝わるし、アーティストや作品の良さを理解している人が話している。

NOAさんのファンは、そういう細かいことは気にならないのだろうけれど、日本の芸能事務所に所属するディスアドバンテージを見てしまった気がした。

Copyright © 電子計算機舞踏音楽 All Rights Reserved.