Residente - This is Not America アメリカはアメリカ合衆国だけではない

Childish Gambinoの『This Is America』では描かれなかったアメリカ合衆国以外のアメリカ大陸の主に抵抗の歴史を、歌詞と映像で振り返るという壮大な作品。

Residente - This is Not America

[歌詞]

遠い昔、あなたが着いたときには、
私たちの足跡は既にそこにありました。
彼らは猫の餌まで盗み、
そしてまだ皿を舐めています。
この恩知らずに腹を立てました。

彼らが私を虐待者扱いするまで、今ドラムを激しく叩いています。
あなたが情報を知らないなら、クンビア・ボサノバ・タンゴ・バジェナートを投げつけます。
木や竹も、すぐに良くなる。

（西アフリカの都市）トンブクトゥのように熱い血で
（ラッパーの）2Pacは、ペルーのトゥパク・アマル2世*1にちなんで名付けられました
アメリカは、アメリカ合衆国だけではありません、お父さん、
ティエラ・デル・フエゴ諸島*2からカナダまでです。
あなたはとても荒っぽく、とても空っぽでいなければなりません。

*1 トゥパク・アマル2世は、スペインの植民地時代、ペルーの独立と先住民の権利運動を主導した。
*2 ティエラ・デル・フエゴ諸島は、南米チリの最南端に位置する。

アフリカは、モロッコだけだと言っているようなものです。
これらの悪党は、彼らが使っているカレンダーがマヤ人によって発明されたことを忘れていました。
長い間この大陸は、コロンブス以前のアメリカ先住民と共に歩んできました。
全海軍をしても、農民の害虫（大量発生してやっかいなもの）を窓から追い出すことはできません。
これは組織の責任者へ向かいます。
マチュテ（山刀）は、サトウキビを切るだけのものではなく、頭を切るものです。

ここにいる、私たちは常にいる、私たちは去らなかった、私たちは去らない
あなたに思い出させるためにここにいます、
あなたが望むなら私のマチュテ（山刀）があなたに牙をむきます

ここにいる、私たちは常にいる、私たちは去らなかった、私たちは去らない
あなたに思い出させるためにここにいます、
あなたが望むなら私のマチュテ（山刀）があなたに牙をむきます
あなたが望むなら私のマチュテ（山刀）があなたに牙をむきます
あなたが望むなら私のマチュテ（山刀）があなたに牙をむきます
あなたが望むなら私のマチュテ（山刀）があなたに牙をむきます
牙をむく
牙をむく

民兵組織、ゲリラ、
紛争の子供たち、ギャング、
ブラックリスト、偽陽性、
殺害されたジャーナリスト、失踪者、
麻薬政府*3、彼らが盗んだすべてのもの、
現れた者と忘れられた者、
迫害、クーデター、
破綻した国、亡命者、価値の低いペソ、
麻薬密売、カルテル
侵略、不法移民、
11日間で5人の大統領*4、
警察による至近距離からの射撃、
100年以上の拷問、
完全な独裁政権で歌うヌエバ・トローバ*5。
私たちは気圧を吹き飛ばして流れる血です。
ガンビーノ、我が兄弟…これがアメリカです。

*3 麻薬政府（Narco-state）とは、麻薬がもたらす富や麻薬組織に関わる政府のこと。
*4 2001年のアルゼンチン経済危機において、政府が行った銀行口座からの引き出し規制に反発する暴動が起き、沈静化を目的として2001年12月20日から翌年1月2日までに大統領が4人交代した。
*5 キューバ革命後に発生した音楽で、歌詞は政治的でラテンアメリカ運動の一部であり、反米的なものもある。

[ご本人による解説]

『This is Not America』は、ラティーノとしてアメリカ合衆国にいて、アメリカ合衆国のことをアメリカと言及されているのを聞いたことから、インスピレーションを得ました。私がアメリカ合衆国へ来始めるずっと前から、その言葉遣いを聞くと、違和感を覚えました。慣れていたので、困惑したり気分を害するのではありません。しかし、居心地悪くさせました。「やれやれ、この人たちは自分たちが世界の中心だと思っている。」という感じでした。
この歌に対して自分がしたことは、私たちの歴史の復習でした。その次に、Childish Gambinoのあの歌（『This Is America』）も見て、私はChildish Gambinoのファンでフォローもしていますが、「ワオ、これは全（アメリカ）大陸についてだろう。なんてやばいんだ。」と言ったのを覚えています。わかるでしょう？ですから、興奮してミュージックビデオを見て、理解しました。彼の歌は大変必要ですが、同時に、アメリカ、お分かりの通りアメリカ大陸について、彼がカバーしていない多くのことがあると思いました。そうして、「私が抜けているものをカバーして埋めましょうか？」と言いました。
私たちは音楽を通して皆繋がっていて、兄弟愛を形作るのはかっこいいと思いました。私たちの非常に豊かな音楽DNAについても少し話しました。ここに歴史があり、あなた方が存在を忘れている（欠けることのない）完全な文化があると言うような感じです。
アメリカの会話の中で、私たちラティーノはヒップホップから除外されています。歴史の中のベストラッパー20について話すときか、わかりませんが、私は「彼らには第一人者のVicoがいないからスペイン語を話さないのですか？彼らにはTegoがいないから。」という感じです。ですから、そういう風に言わないで下さい。「歴史上」と言わないで下さい。「アメリカ合衆国の中で」と言って下さい。なので、私は「見ろ、あなた方は皆、私と同じように2Pacを崇拝していますが、彼の名前はペルーが由来です。」と言いました。私たちはここにいて、リストの一部です。
このマヤ歴についてのラインは、2Pacのリファレンスと密接に関連しています。巨大な先祖代々の歴史と共に私たちがどのくらい長くここにいるか、そしてその物語から私たちを追い出そうとしたのかという知識を持ちます。アメリカという言葉が表すものから私たちを追い出してきたのか。無意識でそうしている人もいます。無知からそうしている人もいます。しかし、こうやって始まりました。傲慢で、植民地主義者の方法で。アメリカからカリブまで、歴史の中の重要な人物です。彼らがプエルトリコでヒバロ族に強いた、例えば、賃金が実際は支払われないような、つまり奴隷のような仕事で、私たちは皆つながります。わかるでしょう？マチュテ（山刀）は、それを象徴します。道具であり、抑圧に抗って身を守るための武器でもあります。私にとって、ソングライターにとっては、非常に複雑な仕事なので、お互いを守り、お互いを防護し、自分たちの中で助け合うことが重要です。国の中の政治問題を強調する必要があり、魂から湧き出ることを述べるとき、状況は複雑になります。ミュージックビデオでVictor Jaraを使った理由です。彼は、自分の音楽を歌い演奏し続けようとしたため殺されました。

1970年、チリ人民連合によりアジェンデ政権が成立したが、1973年9月11日、アウグスト・ピノチェト将軍の軍事クーデター（チリ・クーデター）によってアジェンデ政権は崩壊。その直後、ビクトル・ハラは軍に逮捕され、チリ・スタジアム（屋内競技場。エスダディオ・ナシオナル・デ・チリとは別の場所）に連行された後、虐殺された。

連行されてきた多くの市民を励まそうと革命歌ベンセレーモスを歌ったところ、ギターを取り上げられ、「二度とギターを弾けないように」と両手を撃ち砕かれ、それでも歌いやめなかったため、大衆の面前で射殺されたという伝説が流布された

ビクトル・ハラ - Wikipedia

Childish Gambinoの『This Is America』をオマージュしている。

マジョリティでない場合、多くの人が正にこの国の二次的被害によって（アメリカ合衆国に）来ています。例えば、80年代のエルサルバドルを見てみましょう。彼らはそこへ来て、戦争を作り出し、子供を民兵にするため訓練し、そして戦争が終わらせました。その子供たちは、そこに残りましたが、彼らが知っている唯一のことは人の殺し方です。他の政治政党が勝ったため、彼らは国から逃れなければなりません。彼らはそこに留まることはできません、さもなくば殺されるでしょう。だから、移住しなければならないのです。結果的に、二次被害として彼らはギャングになります。そして、多くの人がより良いものを求めてアメリカ合衆国へ来ますが、時として物事はそうは落ち着きません。働けるならどこででも働くようになります。幸運を手にする人もいます。この一部は滞在許可証を持つべき不法移民であることをはっきりさせることが重要です。あなた方が彼らを戦争に巻き込み、彼らが自分たちの仲間を殺すことや何かしらがであなた方が救われたのであれば、少なくともあなた方ができることは彼らに滞在許可証を与えることです。
アメリカ合衆国のアーティストと、音楽を演奏すれば殺される、つまり国から逃れなければならない60年代70年代のラテンアメリカのアーティストの現実を理解してもらうためで、明らかにこれは比較ではありません。重いです。今、キューバで同じことが起きています。キューバのラッパーであるLos AldeanosのAldoと私は友達です。彼らは検閲されました。実際自分たちの国でラップができませんでした。それがどういうことかわかりますか？彼らはラップをするために隠れなければなりません。このご時世に。
Gambinoのラインについては、アメリカ大陸で起きていることの残りの部分を共有するのには良いアイディアだろうと思います。前向きな意図で、彼（Gambino）や人々に授ける。この歌でアメリカ大陸を全て揃えるために。これで、漏れなく取り上げました。
Alfredo Jarrの芸術作品からも着想を得ました。彼は、チリ人で、ニューヨークに拠点を置いていて、30年前にタイムズスクエアで同様のことをしました。アメリカ合衆国の地図に「This Is Not America」を置いて、置いたままにしました。彼は激しく非難されました。私は彼に伝えます。「心配しないで下さい。新しい世代がベビーブーマーに話し方を教育するこの時代に、私たちは、アメリカをアメリカ合衆国のことだけを言うのを止める道を歩み始めることができます。

Alfredo Jarrの芸術作品