ナイトタイムエコノミーを巡る国の動き 2019年まとめ

クラブイベントのジェンダーバランスの話で聞いたが、女性DJがブッキングされていないイベントのフライヤーをひたすら貼っていくブログがあったそうだ。関係者の間では話題になり、罰金がある訳ではないがそこに貼られるということは不名誉なことで、ブッキング担当者も少しは気にしていたようだ。
すぐに状況は変わらなくても、淡々と事実を示して積み重ねていくだけでも、何かの力になることはある。先日の記事で書いたように、単にDJのギャラを上げろというより、2018年2019年に開業したべニューの一覧を作って数を根拠に示すだけ説得力が上がる。このブログにチクチク書いてきたことも、聞いてほしかった人に届いている実感がある。もちろん読んで広めて下さった方の力で。

以下、この1年私が追ってきた、国のナイトタイムエコノミー施策をまとめておく。批判だけで終わるつもりはないので、次の記事で前向きな提言をしています。

2019年2月10日 G1サミット2019 「ナイトタイムエコノミー」

日本の「ナイトタイムエコノミー」の展望と課題を議論する~秋元司×齋藤貴弘×永谷亜矢子×梅澤高明
・富裕層がスナックに行きたがったりする。
・女性の安全性をどう考えているか?性風俗の看板は違法なので撤去することは今でも可能。

2019年2月 東京都のナイトライフ観光調査

平成30年度東京のナイトライフ観光の実態調査・分析

2019年3月 NOCTIVE 立ち上げ

NOCTIVEとは?ナビタイムジャパン日本政府観光局(JNTO)の官民連携事業において誕生した日本のナイトライフを世界に発信するWEBメディア(運営:株式会社ナビタイムジャパン)。
NOCTIVEはラテン語のnocte(夜)、active(活動的)を組み合わせた造語であり、ナイトタイ ムエコノミーを推進する国の施策とも合致したネーミング。 2019年、東京オリンピックの開催を1年後に迎えた今、3,000万人超の訪日外国人を迎える日本において、 日本に足を運んでくださる世界のお客様へ、そして日本の未来を担う若者へ向けた新たなナイトライフの可能性を提 案。そしてその情報を世界へ発信する初のWEBメディア。

“NEW DAWN BREAKING” JAPAN NIGHTLIFE MEDIA [NOCTIVE] LAUNCH PARTYageHa

2019年3月4日 NOCTIVEの記事の質

当たり前のことしか書いていない記事「終電逃したら何する?」
・パーティを続ける
・家まで歩く
・タクシー
・漫画喫茶
・カプセルホテルかラブホ

2019年3月8日 Resident Advisor Japan City Guides

このシリーズは良かった。ageHaでの一晩のイベントに大金使うより、世界中の人に対して長い期間プロモーションできる。こういうコンテンツを作る方が費用対効果は高いはず。ここまで本格的に作りこまなくてもいいから、数を多く。
Japan City Guides: Tokyo


Japan City Guides: Kyoto and Osaka

2019年3月13日 横浜 ナイトタイムエコノミー

横浜で動き出す、ナイトタイムエコノミーとは? ~ナイトタイムエコノミー社の全体像~
政府KPIとしての目標値夜間を含む娯楽・サービス費1兆円増(訪日外国人1人当たり2.5万円の消費増、2020年)

2019年3月30日 Creative Footprint Tokyo Nightlife Stakeholder Meet-up

開催が広く広報されなかったので、多くの東京ローカルDJや小箱のオーナーは参加できなかった。
Tokyo Nightlife Stakeholder Meet-up [4pm-6pm]

2019年4月4日 齋藤貴弘弁護士 ラジオでCreative Footprint紹介

齋藤貴弘弁護士
「(小箱の)価値は、そこで遊んでる人コミュニティに属している人なら言わなくてもわかる。それを官公庁にどう理解してもらうのか、政策を決める決定権を持つ人たちにどう伝えるのか。」
The Creative Footprint (CFP)
クラブや小箱を調査し、文化や産業面で都市に与える影響を言語・数値化し、政治や官公庁に働きかける。過去、ハーバードやペンシルベニア大学等アカデミアも分析に協力。そのCFPが6月から東京で調査を開始、11月のNight Time Summit Tokyoで調査結果を発表。
The Creative Footprint (CFP)
Tokyo Nightlife Stakeholder Meet-up [4pm-6pm]
CFPの調査方法や指標
CREATIVEFP_methodology
ベルリンでの調査結果
CFP-Berlin-Report_web

2019年4月10日 RA記事 Creative Footprint調査始動

観光庁の支援を受けプロジェクトを実施。11月のナイトタイム・サミットを開催し、そこでCreative Footprintの成果が報告される予定だった。
RA: ニュース: 音楽が都市に与えるインパクトを数値化、東京でもCreative Footprint調査が始動

2019年4月13日 NOCTIVE LAUNCH PARTY

LUCIANOを呼んでageHaで外国人無料イベント。いくらかかったんだろう。そしてその宣伝効果は?
“NEW DAWN BREAKING” JAPAN NIGHTLIFE MEDIA [NOCTIVE] LAUNCH PARTYageHa

2019年4月22日 アムステルダム・ナイトメイヤーと語る新宿ナイトタイムエコノミー

【歌舞伎町公式アーカイブ】2019年4月22日開催 アムステルダム・ナイトメイヤーと語る新宿ナイトタイムエコノミーの可能性
アムステルダム・ナイトメイヤー(2018-2020) Shamiro van der Geld
アムステルダム・ナイトメイヤー財団(Nachtburgemeester Amsterdam)プロジェクトリーダー Ramon de Lima

2019年5月30日 アンチハラスメントのステイトメント署名提出

セクハラと箱の対応も不味さを機に、クラブ側の対応を求め、1クラバーが署名活動を実施。必要なのは、こういった具体的な問題解決。
キャンペーン · クラブと音楽を誰もが楽しむために、クラブ内におけるアンチハラスメントのステイトメントを表明/提示することを求めます · Change.org

2019年6月3日 東京都 ナイトライフイベントに1億円

東京都がナイトライフイベントに助成金
経費の3分の2以内、助成限度額1億円民間事業者や1回のみのイベントも対象申請は7月19日まで通年3件、地域3件
ナイトライフ観光振興助成金 募集を開始|東京都

2019年7月9日 RA リスニングバー紹介動画 SHeLTeR

Japan's Hidden Listening Bars: SHeLTeR | Resident Advisor x Asahi Super Dry

2019年7月30日 RA リスニングバー紹介動画 Bridge

Japan's Hidden Listening Bars: Bridge | Resident Advisor x Asahi Super Dry

2019年7月31日 NOCTIVEはVENTの回し者?

NOCTIVE外国人DJのVENTのイベントの告知ばかりツイートしていたので指摘。その後日本人DJコンテンツや、日本の観光スポットの案内が増えた。

2019年10月6日 A.T. カーニー日本法人会長/DJ 梅澤高明 氏がラジオ出演

・年末に渋谷にセラヴィという大きなルーフトップ付きのクラブができる
観光庁とナイトタイムエコノミーの推進施策 全国で13件のモデル事業
・青山の国連大学前でFarmers Marketを夜間営業まで延長

・日本のシティポップのプレイリストをSpotifyに載せ、日本の音楽と渋谷のミュージックバーを海外の音楽好きの紹介。
観光庁支援事業 道頓堀の観光船をクラブボートに
・海辺の倉庫街をなんか改装してクラブやバーにできたら。水辺だと音を出す際も迷惑になりにくかったり、風景がいい。

・Creative Footprint 東京の音楽文化の生態系の調査、年末か年始くらいに調査結果を発表
・東京にある様々な音楽venue(クラブやライブハウス)の分布や集積度、エリアの特徴などを明らかに
・ナイトタイムエコノミーの先進国と比べたときに東京にどんな強みと課題があるのか、白書みたいなもの

2019年10月28日 #TokyoTokyoFESTIVAL 助成事業決定

#TokyoTokyoFESTIVAL 助成事業決定
交付決定額総額約4億5千万円
日比谷音楽祭 1800万円
MUTEK Japan 1375万円
真鍋大度&ライゾマティクス&フレンズ展『 ENDLESS IMAGINARY』1500万円 など
平成31(2019)年度 東京地域芸術文化助成(三次募集)対象事業決定のお知らせ

2019年11月1日 渋谷未来デザイン <WHITE NIGHT WEEK SHIBUYA>

登壇:
金山淳吾(渋谷区観光協会 代表理事/一般社団法人渋谷未来デザイン 理事)
浅川真次(株式会社アーティマージュ代表取締役社長)
Zeebra(渋谷区観光大使ナイトアンバサダー)
臼杵杏希子(TEAL Inc.)
鎌田頼人(NEWSKOOL)
永谷亜矢子(an inc.)
村松 亮太郎(NAKED Inc.)

ナイトタイムエコノミー 推進に向けたナレッジ集国土交通省 観光庁 観光資源課 平成31年3月
ナイトタイムエコノミー 推進に向けたナレッジ集

(大企業しか潤わない)単発や大規模イベントの話が中心、富裕層ターゲット、規制や国自治体の予算の利用しにくさ、そしてまだ芝浦GOLDの話だった。永谷亜矢子氏が、地方にコーチングに行くが、地方の人はSNSを使いこなしたインフルエンサーのようなことが教えてもできないというようなことを言っていて感じ悪かった。地方でも若い人はSNS使いこなせているはずだし、都心から定年後リターンした人材など探せばいると思う。

 地方からすると、こんな風に見えているのかも。東京から二桁くらい時給の違うコンサルが来るけど、地元で実業やるのに資金援助されないみたいな。
地域活性ワークショップごっこを辞めよう

2019年11月1日 ナイトタイムエコノミー推進協議会 JNEA ウェブサイト公開

一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会 JNEA
代表理事: 齋藤貴弘
理事: 梅澤高明、永谷亜矢子
ナイトタイムエコノミー推進協議会|JNEA

2019年11月1日 外国人向けシティポップのリスニングバーツアー

シティポップだけが観光資源ではないし、ツアーの案内はノーギャラでのDJも多い若手DJやオーガナイザーを雇用すれば良かったのでは。

CITY POP! A Shibuya Listening Bar Tour「世界各国から日本にいらっしゃるお客様に夜の渋谷を音楽で楽しんでいただくため、個性豊かなリスニング・バー、DJバー、そしてクラブを体験していただきます。また、世界に類を見なくなったレコード・ショップでは、[TOKYO CITY POP]の名盤を英語でご紹介。」

観光庁が支援するクラブ・DJバー一覧。サイト重いし見にくいし。White Space Lab、頭バー、東間屋が載ってない。Creative Footprintの調査対象からも抜けてるんじゃないかと心配する。

2019年11月12日 Creative Footprintに若手ローカルDJが参加できない

Creative Footprint Tokyo 2019 登録しておいたけど何の連絡も来なかった。私は参加しなくてもいいけれど、これからナイトクラブカルチャーを担っていく若手DJも巻き込んで進めていくべき。

 Tokyo – Creative Footprint

2019年11月17日 NOCTIVEの記事の質

Wikipediaみたいな文面と人の写真つけてツイートするだけ。ヤコーさんの写真は商用以外に限って無断転載可だけど、許可取っているのだろうか、@抜いてるけど。

2019年11月25日 Creative Footprint Tokyo - Nightcamp

誰でも参加は可能だったが、東京ローカルのDJに広く周知されておらず、会場でCreative Footprintの説明はあったかもしれないが、わかるような案内はなかった。Creative Footprintの調査はクローズドで進めるんだろうな。

2019年11月25日 Chicks on a Mission Tokyo 駐日オランダ王国大使館

現在クラブに通ってない人が、クラブの代表みたいに目立つ対外的な活動をしていることが多い。実際にクラブで働く女性に対してChicks on a Mission Tokyoが具体的に何かしてきたのか全く見えない。

2019年11月26日 ナイトタイムエコノミーシンポジウム2019

招待制
共催 観光庁
時間市場創出推進(ナイトタイムエコノミー)議員連盟 河村建夫、秋元司
田端 浩 観光庁長官
元Night Mayor Mirik Milan
Creative Footprint Lutz Leichsenring
ナイトタイムエコノミーシンポジウム2019

ナイトタイムエコノミー推進協議会/齋藤 貴弘氏「観光庁が中心となって夜間観光推進政策に向けた取り組みを行う中、民間側として事業支援しているのがナイトタイムエコノミー推進協議会。事業としては、ナイトタイムエコノミーの13件のモデル事業のコーチングや、夜間の経済効果の測定、ナイトタイムエコノミーの日本文化としての位置づけに関してリサーチを元に行う、といった取り組みを実施しています。」
田端 浩 観光庁長官「多くの国が重視しているのは、インバウンドの消費額。ここをいかに伸ばしていくかが重要です。消費額を伸ばすためには滞在期間を長くしていただく、そのためにはナイトタイムエコノミーは極めて重要。日本には娯楽サービスがまだまだ少なく、20時以降に新たな観光消費を創出していくため、現在13のインキュベーター事業を行っています。」

【ナイトタイムエコノミーモデル事例】
① ナイトタイムエコノミー創生事業 「伝統×革新 江戸東京夜市」/DMO東京丸の内
東京・丸の内地域の経済活波及効果の向上のために、神田明神の境内を活用した「江戸のお祭りをテーマにした夜市」といった参加型のコンテンツを実施。
② SHIBUYA NIGHT MARKET PROJECT/株式会社MONOLITH
 青山ファーマーズマーケットを活用し、アルコールの提供を行うナイトマーケットを開催。
③ JAPAN RAINBOW NIGHT OUT/株式会社 新通(代表)、株式会社アウト・ジャパン
 世界での市場規模が約23兆円LGBTツーリズムのマーケットをターゲットにし、ナイトタイムに関しての情報が集約したプラットフォームを構築。現在はWEBサイトで大阪と沖縄のバーやイベントなどナイトタイムのコンテンツを集約し、SNSなどでタイムリーに発信している。
④ 新たなナイトタイムエコノミーの担い手を呼び込む空き店舗活用事業/一般財団法人ふじよしだ観光振興サービス
 富士登山で人気の河口湖エリア、その周辺にある西裏という飲み屋街の外国人観光客に対する認知拡大に向けた取り組み。
⑤ 夜の地獄めぐりと地獄の夜市/一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォームB-bizLINK
 地方部での夜間消費拡大や、夜間におけるインバウンド消費を目的とした取り組み。
⑥ OSAKA RIVER GO ROUND!/OSAKA RIVER GO ROUND 実行委員会
 インバウンド向けのナイトクルーズを実施。道頓堀から出ているクルーズ船を利用し、周辺のナイトスポットをパーティー船でご案内、提携店舗への誘導を実施。忍者姿のDJやくノ一ダンサーを使って、日本ならではの要素を盛り込み他の観光船との差別化を図ることで、外国人観光客の方にきたいと思わせるようなコンテンツづくりを行った。
ナイトタイムエコノミーシンポジウム 2019 イベントレポート

観光庁モデル事例の③JAPAN RAINBOW NIGHT OUT
大阪 Gay Bar 23軒、Lesbian Bar 1軒。
沖縄 Gay Bar 15軒、Lesbian Bar 0軒。
「Targetted Age 20s 30s 40s 50s 60s」
LGBTなのにほぼゲイバーだけの紹介で、しかも年齢を絞るのは差別なのでは。
Atarou - Japan Rainbow Night Out

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