KPOPを観まくった後の モーニング娘。『恋愛レボリューション21』

aespaのローアングルは、モーニング娘。恋愛レボリューション21』を想起させるとかで、少し話題になっていた。その前からTLC『No Scrubs』に似ている気がしていたので、改めて観返してみた。

TLC『No Scrubs』(1999年2月)
モーニング娘。恋愛レボリューション21』(2000年12月)

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ローアングル、しゃがむ振り付け、厚底、ボリュームのあるボトムス、へそ出し、外向きの毛束など共通点はあるが、真似したというより当時のトレンドだったように思う。それにしても、『No Scrubs』のローアングルは、思っていた以上に極端。下から見上げることで華奢な体も強く大きく見え、撮影スペースの狭さが気にならなくなる。魚眼レンズを使った映像も、狭さを逆手にとった感じで面白い。もし胸の高さのアングルだったなら、随分と印象は変わっただろう。パンツが見えたら別だが、下から仰ぎ見るローアングルがエロとは全く思わないし、むしろ自分にとっては強くてかっこいいイメージ。

『No Scrubs』の宇宙船内部のようなセットは、『Scream』と似ていると言われていたそうだ。確かに。
Michael Jackson, Janet Jackson - Scream (1995年)

aespaはガラスの板に乗って撮影したと話していたが、SOULHEADは『空』(2003年)のMVでやっていた。「仰ぎ見れば清々なるこの空よ」だから空を見上げるMVなんですね。

KPOPを観るようになった今、改めて見てみると、昔とは違う見方ができて面白かった。

モーニング娘。って素人っぽさが売りだと思っていたが、ダンスのフォーメーションチェンジが多く、しかもきれいに揃っていて驚いた。そして、振りが大きい。これだけ動いて、マイク手持ちでしっかり歌っている。(KPOPは、ダンス重視で口パクも多く、マイクはヘッドセット。)天を指さす振り付けは、90年代のディスコリバイバルの名残り?いや、編曲ダンス☆マンで、ディスコソングだからか。坂道系でよく見るふわりと広がるスカートではなく、ワンショルダーやふさふさのレッグウォーマーの衣装もかっこいい。BOAはアーティストだけど、モーニング娘。はアイドルだからと、当時は低く見ていた。こんなにスキルのあるグループだったとは。

中澤さんと飯田さんが地面に手をつく振りとか、全然違うと思っていたのに、見れば見るほどaespaと共通点を見つけてしまう。

飯田圭織は、『抱いてHOLD ON ME!』の「ねぇ、笑って」という歌詞を無表情で歌うことから、音楽番組でそれを延々ネタにされていた。aespaもニコりともしないどころか、鋭い目つきで睨みつけるところが魅力。やらせなのか、後で怒られたかは知らないが、当時芸能界で力を持っていたと思われるとんねるず石橋貴明に向かって、「ちゃんと女の子扱いして下さいよ。」とブチ切れている。若いアイドルグループが大御所司会者にキレるって、今の方が難しそう。

愛想がなくて、学校の先生を見下すヤンキー感があって最高。ASAYAN見ていなかったから知らなかったけど、後藤真希さんってこんなだったのか。

後藤真希「だって、アホの坂田みたいな事やってるんだよ。最初の方。衝撃的でしょう。私モーニング娘。って、自分の中で、色っぽい事をやってたりとか歌ってたりとかかっこいいアイドルのイメージだったの、最初。それがさ、私が入って(最初に)出す曲が『LOVEマシーン』でさ。」
「私ってカッコいいグループに入ったんじゃなかったんだっけ?みたいな感じで、自分の中でもやもやしてたんだけど。で、どんどんどんどん、モーニング娘。がHAPPYなイメージになってきて、途中から」

横浜アリーナモーニング娘。卒業コンサートのリハーサルで、つんく♂と意見が衝突し、マイクを通して横アリ中に文句を響き渡らせる。リハではつんく♂さんの言う通りにして折れた振りをしておき、本番では違うことをやった。

モーニング娘。は、年齢も身長も多様性に富んでいるが、ダンスはビシッと揃い、逆にバラバラの身長を生かすダンスフォーメーションを組んでいる。各メンバーの個性が強く、主張もする。ASAYANで裏側や過程を見せ、ファンを取り込む。現在、サバイバルオーディションで勝ち抜いたアイドル全盛期で、商品そのものよりストーリーを売る時代と言われたりもするが、モーニング娘。は、進歩的だったんだなと思った。

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