DJミックスをネットにあげてお金を稼ぐ

国によって人気のある音楽は違うし、日本で無名でも海外で評価されることもある。地元のファンは10人でも、日本全国、海外を合わせれば100人になるかもしれない。DJミックスをネットに上げてマネタライズする環境は整いつつある。メリットもある。
・リスナーに直接評価してもらえる(ブッキングで足切りされない)
・容姿で判断されずDJミックスだけで勝負できる
・距離や国境を越えて聴いてもらえる(地方、海外)
・クラバー以外もリスナーになる(未成年、クラブを卒業した年齢層)

Mixcloud SELECT
Mixcloud上で課金してDJを支援できる。支援すると、特別なミックスを聴けたりダウンロードしてオフライン再生できる。DJだけでなく音源権利者にも還元される。f:id:senotic:20190618153721j:plain
誰もがSELECTになれるのではなく、現時点限られたDJやネットラジオ局のみ。SELECTのリストの中に、DJ MITSURU(鬼柳満)さんという方を見つけた。フォロワーは現時点で6,600人、FacebookでDJ配信、Mixcloudでチャート1位も獲得されてる。どうも北海道の方らしい。日本は対象外と理解していたが。
【2019年8月23日追記】DJ MITSURU(鬼柳満)氏にメールインタビューしました→コチラf:id:senotic:20190616185810j:plainf:id:senotic:20190616185830j:plain日本からの課金はまだ対象外。f:id:senotic:20190616185859j:plain

MixcloudとSoundCloud
DJミックスをSoundCloudに上げている人は多いが、Mixcloudをお薦めしたい。アップロードできるデータ容量が大きく、音質も良い気がする。リスナーにとっては、前回停止した箇所から続きが聴けるし、曲名が表示されるのでShazamする手間が省けるので助かる。SELECTの審査に当然フォロワー数も入っているはずなので、収益化に興味のある方はMixcloudでフォロワー数を増やしておくのがよいのでは。
SoundCloud Go+は日本は対象外で、Mixcloudのように曲を特定する仕組みがなく、DJミックスを収益化する目的での利用は今のところ不向き。ただし、SoundCloud上のカタログを使ってDJができるようには進んでいる。

Twitch/YouTube/Facebook/Periscope
Twitch/YouTube/Facebookは、すぐに音を消されがち。Twitch/Periscope配信は、他のファンの反応を見たりファン同士のコミュニケーションが取り易い。Twitch/YouTube投げ銭できると思うが、手数料を取られるならLINE Payみたいなオンライン決済で良いのでは。ただ、他のファンが投げ銭しているのをみて、自分もと触発されるファンは多いかも。DJ MITSURUさんもそうだけれど、海外のDJはTwitterのアカウントを持っておらず、FacebookInstagramだけの人も多い。海外ファンを意識するなら、Twitter以外のSNS利用も検討されてみては。

Dubset
Apple MusicやSpotifyにDJミックスを配信でき、再生回数に応じてロイヤリティがDJと音源権利者に分配される。
DJ向け録音iOSアプリ DJM-REC にデジタル著作権管理プラットフォームDubsetへのアップロード機能を追加
「本アプリケーションの利用にあたっては、各国の著作権法及び国際条約の規定を遵守してください。」と注意書きがある。権利者の合意が必要で、Apple MusicやSpotifyでの配信なので、デジタル配信されていない音源を含むミックスは通らないのではないかと思う。逆にApple MusicやSpotifyで配信されている曲だけでミックスしているDJやリミックスの配信には向いているのでは。Mixcloud SELECTは、RED LIGHT RADIO、WORLDWIDE FM、AFROJACK、OLIVER HELDENSなど具体的に名前を上げて実働が開始しているが、Dubsetはまだ情報が少なく、まだこれからといったところなのだろう。Dubsetは、SonyWarner MusicUniversal Musicとも契約しているので期待は大きい。

【2019年8月16日追記】Dubset社のMixBANKにDJミックスをあげてみた方の記事。やはりミックスで使える曲はとても少ない。

MixcloudはWarner Musicと契約しているが、Universal MusicSonyと契約したという情報は見あたらなかった。

音源権利者
声を大にして言いたいのだが、この動きはDJよりも権利者こそしっかり注視すべき。MixcloudもDubsetもDJミックスで使っている曲を特定するのだが、デジタル配信していない古い音源などは、サンプリングやもしかすると違法配信している曲に紐づけられ、そこにお金が落ちてしまうリスクがある。例えば、渡辺香津美のアルバム『KYLYN』の中の『I'll Be There』、MixcloudではAkasaka - Water Waysと認識されている。Midnight Riotというレーベルが権利を買っているのかもしれないが。

f:id:senotic:20190616190032j:plain
例え違法配信されていても損失額は可視化されないし、既に十分稼いだ音源で更に収益化する必要はないのだろうけれど、高い音楽スキルを持った人が集まり贅沢な環境で収録された日本の音楽は文化遺産。クールジャパンも、今の時代には決して生み出すことができない音楽の価値を理解し、収益化できる策を考え支援してほしい。Instagramでロシアのパーティの様子を見ていたら、山下達郎が流れ出してみな楽しそうに踊っていたこともあった。竹内まりやのPlastic Loveブームの後追いをするのではなく、そこから何を学び、今後のためにどういう策をとるか。音楽自体は人気があって世界中で聴かれているのに、よくわからない外国語のタイトルで売られ、生み出した日本人が認識されず評価されないのはとても辛い。

Copyright © 電子計算機舞踏音楽 All Rights Reserved.