Đen x JustaTee - Đi Về Nhà テト(旧正月)実家へ帰ろう

こういう出会いがあるから、例え1000曲聴いて収穫無しでも、チャートを丁寧になめていくのには価値がある。1か月で5700万回再生され、ベトナム語の歌にもかかわらず、YouTubeのMVグローバルチャートで47位。

都会で働く若者が、旧正月に田舎の実家に帰省する歌。メロディが日本っぽい。昔の農業トラクターのCMであったような牧歌的な感じ。望郷の念を込めたゆるラップが乗る。

Đen x JustaTee - Đi Về Nhà (家に帰ろう)

[歌詞]
家への道は心の中に
晴れても雨でも、近くても遠くても
失敗しても、成功しても
家は変わらず私たちを待っている
家への道は心の中に

どれほど時が過ぎても
物事が変わっても、星の位置が動いても
家はいつも家だ

生活のため、チャンスを求め、無心で現実生活を生きる
都会はキラキラしてるけど、夜はとてもさみしい
多くの子どもたちのように、大きくなったらただ遠くへ行きたかった
家は変わらずそこにあって、子どもたちを待っている
離れてはじめて、家のような場所はないと知る

プレゼントを開ける前に、失うものを知る
ファイターではないけれど、戦いは得意でなければ
悪い人にならないでおこうとするだけで 疲れ果ててしまうこともある
ときどきMai An Tiem*に共感していることに気が付く
踏み出すことは波乱に満ちており、家だけが安全
迷路のように、外は複雑
家に帰れば素直になれる

*(Mai An Tiêmは、古い言い伝えに出てくる人物で、正直であるがゆえに干されたが、スイカを発見して栽培し、地位と名誉を回復した。Sự tích quả dưa hấu [hay sự tích Mai An Tiêm] - Thế giới cổ tích

どれほどこのバイクが運べることか
寝る暇もないほど多くの楽しみ
通りに並ぶ桃の花と人々
とても暖かい場所だとわかる

家への道は心の中に
晴れても雨でも、近くても遠くても
失敗しても、成功しても
家は変わらず私たちを待っている
家への道は心の中に

家に帰れば、庭には犬と鶏たち
友は私を気難しいと言う
エアコンより自然の風が好き
母の炊いたお米を食べ、母が縫った服を着る
父を市場へ連れて行き、お飾り用の梅や桃のを買う
一年中機械のように働きときどき疲れ果てていると感じる
家に帰ったときはプレッシャーから解放される
火より暖かく、新鮮な米より甘い
家はいつもそこにあって、子どもたちを待っている

晴れか雨かなんて些細なことで
家に帰れることはシンプルに幸せなこと
幸せ、家に帰ろう
さみしい、家に帰ろう
成功した、家に帰ろう
失敗した、家に帰ろう
疲れた、家に帰ろう
なんとなく、家に帰ろう
放浪して、家に帰ろう
大丈夫、だから家に帰ろう
大丈夫、だから家に帰ろう
家に帰ろう、家に帰ろう

家への道は心の中に
晴れても雨でも、近くても遠くても
失敗しても、成功しても
家は変わらず私たちを待っている
家への道は心の中に

どれほど時が過ぎても
物事が変わっても、星が動いても
家はいつも家だ

大きな家かもしれないし、小さく狭いかもしれない
親は皆子どもたちがよい人生を送るよう願っている
よき人として生き、輝く未来をと
一生仕事がきつくとも不満を述べず

家への道は心の中に
晴れても雨でも、近くても遠くても
失敗しても、成功しても
家は変わらず私たちを待っている
家への道は心の中に

どれほど時が過ぎても
物事が変わっても、星の位置が動いても
家はいつも家だ

以上が、歌詞の和訳。故郷を離れ、都会で働く若者の心をがっちり掴み、共感を得て再生回数が上がっているようだ。スポンサーがHondaというのも嬉しい。

映像から、ベトナム旧正月(テト)の風習を学ぶことができる。ベトナム北部はピンクの桃の花が、南部は黄色の梅の花が、旧正月(テト)の花。黄色い実をつけるその見た目から、お金や子孫繁栄を願う縁起物"きんかん"の木。玄関に貼る赤い紙に金字のシール。お年玉。休暇が終わり、都会に戻る息子のために両親がバイクの後ろに積むのは、ベトナムちまき。随分と大きい。心配そうに見送る両親、列をなして都会に戻る若者、半音上がるサビのメロディが泣かせにかかってくる。(鼻水垂らして泣いた。)

東京に出てきて槇原敬之『遠く遠く』を聴きながら、「この地で頑張るぞ」と自分を励ましていた時の気持ちを思い出した。

今年2021年のテトは2月12日。ベトナムでは、2月10日(水)から16日(火)が旧正月休暇となるようで、日本にいるベトナムの方も、元日くらいはお休みできるといいのにな。

以下、1月24日追記。

ロシア出身のクラシックギタリストのカバー。カバーしたくなるような、普遍的な幅広い層に響くメロディなんだな。こうやって聴くと、温かみのあるクラシックギターの音色も良いものだ。コンッという音を出すには、ギターのお尻を叩くのね。途中「ディベニャ(家に帰ろう)」と歌いだすが、ロシア語も「ニャ」の音が多いから、歌い易かったのかもしれない。

ブログ書き終わった後に、トラクターのCMでなくて、トラックのCMだったと気が付いた。いすゞトラックの名曲。私と同じように、この曲が浮かんだ方が他にもいらして、嬉しくなってしまった。

いすゞのトラックCM~いつまでも、どこまでも~

Copyright © 電子計算機舞踏音楽 All Rights Reserved.