BIG Naughty 서동현 気に入っている5つ理由
3月は珍しく忙しく、新しい音楽を掘る時間がなかったこともあるが、飽きもせずBIG NaughtyのEP『Bucket List』を聴き続けていた。
なぜそんなに気に入っているのか。
1. 表現の幅
ご本人もラッパーというより歌手だと言っている。しっかりと声を出して歌い上げるのではなく、囁いたり絞り出すような発声なので、一見緩く適当に歌っているようにも見える。意識して努力しているからなのか天性のものなのか、声色やリズムなど表現の種類が多様で幅が広い。
2. 儚い10代の哀愁
初めて宇多田ヒカル『Automatic』を聴いたときに感じたような、儚い10代の切なさや哀愁を漂わせている。
3. ヴィンテージ感
韓国の古いフォークソングやロックも好きだそうで、作品や歌い方にも反映されている。彼がインタビューの中で、言及している曲。
Kim Gun Mo(김건모) - The Moon of Seoul(서울의 달)
BIG Naughtyバケットリストと若さ② - きょんちゃんのブログ
Jazzyfact - Always Awake
4. スタイリングと着こなし
スタイリストの人が優秀なのだろう。少し前までは、ラップバトルに勝ち進むための洋服を、お母さんと一緒に買いに行っているのに、今はビンテージやハイブランドを着こなしている。服に着られていない。Kpopアイドルのようなビジュアルで評価されているアーティストではないが、バランスの良さや細身の体形を生かした、曲のイメージにあったスタイリングが毎回楽しみ。
5. 親近感
BIG Naughtyは、大元外國語高等學校に通う高校生。日本の東大にあたるソウル大学にも多数合格者を出している進学校。下記の動画にお母さんも出てくるが、いかにもな教育ママの雰囲気。中学受験から大学に入るまで、こういう感じの人がたくさんいる環境で育ったので、親近感が半端ない。
見た目とは裏腹に、BIG Naughtyのお母様は、BIG Naughtyよりラッパーを知っていてHIPHOPに詳しい。落ち着いた色合いのカーディガンの模様がスカル。本当は、ご自分でラップしたいくらいなのでは。
BIG Naughtyが所属するのは、Jay ParkのレーベルH1ghr Music。崎山蒼志さんのような雰囲気の麻布高校の高校生が、KOHHのレーベルに所属しているみたいな感じだろうか。国内外で支持されているHIPHOP/R&Bレーベルでありながら、進学校の高校生を仲間に入れ、EPには豪華制作陣を投入し、プロモーションにも力を入れるなど、とても大事にしている。
高校生のBIG NaughtyとレーベルH1ghr MusicのCEOであるJay Parkの会話。こういう会話ができる関係。
BIG Naughty:質問したいのは、今年のHIPHOP賞を受け取れるか、大学入試で満点を取れるとしたら、2つのうちどちらを選ぶべきかです。あなた(Jay Park)は年間HIPHOP賞を3回も受賞したでしょう?
Jay Park:そう、確かに(恥ずかしそうに)。
BIG Naughty:なので、あなたはどう考えるか知りたいです。
Jay Park:努力、姿勢、そして懸命に働いたことが認められたと思います。ですから、とても満足して誇りに思っています。
BIG Naughty:僕は、どちらを選ぶべきだと思いますか?
Jay Park:ドンヒョン(BIG Naughty)に対しては、それはあなたの判断だと思います。将来何をしたいか、長い目で見て、それらに基づいて、考えます。
BIG Naughty:では、もし私が突然勉強に専念したいのでH1ghr Musicを辞めると言ったら、どうしますか?
Jay Park:もしそうなってしまったら、とても悲しいですが、あなたを引き留めるべきではありません。
BIG Naughty:うわぁ、あっさり僕を引き留めないのですか?
Jay Park:どうしようもないでしょう?
BIG Naughty:もしJust Musicに入ると言ったら?
Jay Park:それはただのギャングスタ―でしょう。勉強に専念したいからといって会社を辞めて、なのに突然Just Musicに入ると言ったら、やろうとしているのは詐欺師のようなものでしょう?
BIG Naughty:確かに、詐欺師のすることですね。そんなの絶対起こり得ません。