Ayumu Imazu 今津渉 『Light Up』ディスコとハウスのミルフィーユ

テレビ番組『スッキリ』で、NOAが紹介された。変な質問もなかったし、事前に4人ほどの海外のファンにインタビューし、生の声を紹介するという丁寧さで良かった。そうよ、オモシロおかしくしなくてもいいのよ。

期待せず、同じZ世代としてNOAと一緒に紹介されていた今津渉を聴いてみたら、めっちゃ良かった。

Ayumu Imazu 今津渉 『Light Up』

この曲は、今井了介との共作。今井了介は、Double『Shake』『Driving All Night』、DOUBLE & 安室奈美恵『BLACKDIAMOND』にクレジットされている音楽プロデューサー。
うねるファンキーベース(最近覚えた言葉なので使いたかった)のディスコパートと、ピアノのハウスパートが、交互に繰り返されるミルフィーユ構造。スパッと切り替わるのだけど、上手いDJのようにきれいに違和感なく繋がっている。間奏でDJっぽくフィルターがかかる。The WeekndやDua Lipaなどの80年代ディスコブームを、さりげなく上品に取り入れている。彼の声は、低音よりも、よく通る中高音音域が魅力だと思う。その特性を生かせている楽曲。Jay Park『Solo』『Me Like Yuh』のようなR&B/Soulとダンスポップの中間の音楽に飢えているので、嬉しい。

映像に関しては、ビンテージ感のあるホールというロケ地選び、ダンサーに多様性があるのも良い。ダンスのフォーメーションとワンショットの映像の取り方は、ダンス動画を相当研究している方のディレクションだとお見受けする。例えば、ホールの入り口に向かって右を向いていたカメラが、今津さんを追って、左に90度角度を変える。ワンショット映像で撮っている。

f:id:senotic:20210209212750j:plainここ(上の画像)から今津さんをカメラが追って、左に90度カメラの向きを変える(下の画僧)。

f:id:senotic:20210209212804j:plain今津さんとダンサー、そしてカメラの方の正確な技術と息が合って成り立つ映像。ベトナムのダンスチームには、このレベルのカメラワークができる方がいるが、日本のMVだとあまり見かけない。ホールの客席での映像では、カメラを右に振り、左に戻ったところで、ダンサーが消えている。見る人を愉しませるちょっとした工夫。高度なデジタル技術で驚かせるのではなく、一見シンプルに見える高度な職人技を、センス良く積み重ねてある。

Shawn Mendes - If I Can't Have You (Cover by Ayumu Imazu)

今津さんの声と歌い方の魅力がよく伝わってくる動画。選曲の趣味も最高やね。Shawn Mendesより彼の歌い方が好きだわ。

EP『Waves』収録曲も、それぞれ個性があり、全部シングルカットできそう。ジャズっぽいピアノとシンプルなドラムで歌唱力を堪能できる『Lonely Boy』、恋愛ドラマの主題歌になりそうな、ストリングスが美しいバラード『雨跡』。

今津渉さんはどういう方なのか、詳しいブログがあった。
あの頃と今が繋がった瞬間 | Kindness is strength.

子ども時代から、EXILEのツアーに参加したり、EXILE『Someday』のMVにも出演されているかなり芸歴は長い方。EXILEavex合同のグローバルアーティストを育てるプロジェクト『PROJECT TARO』のメンバーに選ばれ、14歳でNYに留学。2000年生まれで、現在20歳。
PROJECT TARO武者修行2017 | EXILE TRIBE mobile
TARO - フジテレビ

NYでの14歳のときのインタビュー映像。

LDHにもavexにも所属していらっしゃらないみたい。良い選択だと思う。どういう経緯で、NOAさんと組み合わせることになったのだろう。企画を組んだ方、めちゃくちゃ褒めたい。

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