DJ Mayu Amano #tsubakifm 伝統の音を斬新に編み込み、ジャズの思い込みを打ち砕く①

Mayu Amanoさんの2時間DJミックス、その土地の伝統楽器の音なども斬新な形で取り込んだ世界各地ジャズ。ピアノの音の音が映える生音中心ミックス。普段ほとんどジャズを聴かない私が、「あれっ、自分、もしかしてジャズ好きなのでは?」と勘違いしてしまうくらい、2時間ずっと魅力的なジャズで満たされている。川の流れのように少し緩やかになったり早くなったり、太い音もありながら力技ではなくエレガントに心を燃やしてくる。新譜も多く、世界の人々がコロナ禍で隔離期間中にも、素晴らしい音楽を作っていたことがよく理解できる内容。Amanoさんのその目利きのセンスに再び感服すると共に、それらの曲を巧みに組み上げる実力に圧倒される。当たり前のように繋ぎもきれいなので、DJに没頭できる。

何曲か厳選して紹介するつもりが、1曲1曲調べている間にそれぞれの曲やアーティストが興味深くて、愛着が湧いてきてしまった。新譜も多く、検索もなかなかひっかからなかったりもするので、せっかくなので全曲紹介。

・Black String - Sureña (2019年 韓国)
・Okay Temiz & Johnny Dyani - The Night(2017年 南アフリカ・トルコ)
・Ilhan Ersahin - WONDERLAND - Karşı Yaka (Live at Yakup 2 Restaurant Teras)(2020年 トルコ)
・Open Source Trio - Metal Jazz (2014年 ブルガリアキュラソー・ドイツ)
・Yinon Muallem - Back Home (イスラエル
・Shubh Saran - Slip (2017年 アメリカ、カナダ、バングラディシュ、メキシコ)
・Mino Cinelu & Nils Petter Molvær - SulaMadiana (For Manu Dibango)(2020年 ノルウェー、カリブ)
・Pan Afrikan Peoples Arkestra - Nyjah's Theme(2020年 アメリカ、アフリカ)
・Rob Mazurek/Exploding Star Orchestra - A Wrinkle In Time Sets Concentric Circles Reeling(2020年 アメリカ)
・Aratita Electronik Jazz Quintet - Fables of the Solar Gods(2020年 イギリス)
・EABS - The Lady with the Golden Stockings (The Golden Lady)(2020年 ポーランド
・Rymden & Bugge Wesseltoft & Magnus Öström - The Life and Death of Hugo Drax (2020年 ノルウェー
・Mino Cinelu & Nils Petter Molvær – Indianala (2020年 ノルウェー、カリブ)
・Girls In Airports - Randall's Island(2015年 デンマーク
・Sonata Islands Kommandoh - Prima Lamentazione (2018年 イタリア)

Anticueca - Ayotzinapa (En Vivo) (2017年 チリ)

Dewa Budjana - Suniakala (2016年 インドネシア)

懐古趣味的な印象も受ける。おもちゃのようなポップな見た目のエレキが、不思議とオーケストラと調和している。

OP3 - Please, Exit Now (2020年 ギリシャ)

彼らはジャズ・アンビエント・ポストロックをエレクトリックに融和させるような試みをしていて、ギリシャのジャズシーンのダイヤモンドと呼ばれている。

Lucy Khanyan Quartet - new beginnings

和楽器に近いオリエンタルや竪琴や笛の音とピアノのセッション具合。どこの国のジャズなのか、気になる。音から推測し、楽器の形状に想像を巡らせている。

<追記>
Amanoさんから教えて頂きました。
Lucy Khanyan Quartet - new beginnings

アルメニアのピアニストであり作曲家でもあるLucy Khanyanが率いる女性カルテット。ピアノ、カーヌーン(アラブの琴)、BlulとShvi(アルメニアのフルート)、 チェロからなる四重奏。フルートの音が尺八に似ているし、メロディも日本ぽい。別の曲だが、カーヌーンやアルメニアのフルートの演奏の様子が観れる。

Lund Quartet - Sequoia (2011年 イギリス)

前の曲の最後ときれいにマッシュアップさせながら、ピアノ鍵盤の一番端、低い音を静かに打ち鳴らしながら始まる。ビリビリと震えるような低音がとても心地よい。Lund Quartetは、ピアノ(とテルミン)、コントラバス、ドラム、DJからなる4人組。自動車整備工場の庭にDIYでスタジオを建て、同様に音楽も友達の手を借りながら作っている。

BBC - Music - Review of Lund Quartet - Lund Quartet

Mischa Blanos - Am Wired (2019年 ルーマニア

私はダンスミュージックが好きなので、アップテンポで勢いのある曲に惹かれる。前半はラテンらしさ感じたが、ルーマニアのアーティスト。

7歳からクラシックピアノの訓練を受け、生演奏したピアノをサンプリングして変形させるなどの手法により、クラシックなピアノに新たな動きをもたらしている。
RA: Mischa Blanos

Paradise Cinema - Casamance(2020年 セネガル)

太鼓と管楽器のリズムがドタンドタンとずれるようなところがあって、繋ぎが上手くいかなかったのかなと思ったら、そういう曲。面白い。「Casamanceは、焦点があったり外れたりするフィールドレコーディング、低くピッチダウンしたビート、広がるサックスの間を移動します。」
アルバムの説明「実際には来ない想像上の文化と時間に位置付けられた、第4のワールドミュージックに近い所にあります。セネガルのリズムの引用を含みながら、これらの要素をアンビエントでミニマルな音楽と組み合わせ、伝統の外の音楽を生み出しています。」
伝統の良さを生かしながら、革新的なものを作るのは本当に難しい。こういったチャレンジの方法自体が革新的であり、それぞれのアプローチの違いは面白い。

f:id:senotic:20201017203329j:plain

Copyright © 電子計算機舞踏音楽 All Rights Reserved.