DJ Mag Alternative Top 100 DJs 2020から読み取るトレンド

DJ MagのTop 100はフェスでプレイするEDM DJの単なる人気投票になってしまっているが、DJ Mag側も課題意識があるのか、Beatportの売り上げと組み合わせたAlternative Top 100 DJというランキングもある。曲を作るのとDJは別で、自分の曲をかけるDJはつまらないと思うが、単なる人気投票よりはマシ。今年は、トップ10の半分が女性。23位には、黒人でトランスジェンダーHONEY DIJON。Joel CorryやMarshmeroが入っていないのは、Beatportで売っていないからだろうか。

< Alternative Top 100 DJs 2020 >
1. CHARLOTTE DE WITTE ☆
2. CARL COX
3. CLAPTONE
4. ADAM BEYER
5. AMELIE LENS ☆
6. BORIS BREJCHA
7. NINA KRAVIZ
8. JAMIE JONES
9. PEGGY GOU ☆
10. NORA EN PURE ☆</
Alternative Top 100 DJs 2020, powered by Beatport | DJMag.com

< Alternative Top 100 DJs 2019 >
1. CARL COX
2. ADAM BEYER
3. CLAPTONE
4. NINA KRAVIZ
5. FISHER
6. RICHIE HAWTIN
7. CHARLOTTE DE WITTE ☆
8. PEGGY GOU ☆
9. BORIS BREJCHA
10.MARCO CAROLA<
Alternative Top 100 DJs 2019, powered by Beatport | DJMag.com

上位者のインタビューもあり、コロナ禍についてだけでなく、人種差別や多様性についても質問しているのが良かった。日本のクラブ関係者やDJは、ほとんどの人がDe Schoolの件も把握していないくらいだが、人気があり影響力のある世界のトップDJに、きちんと質問をぶつけ回答を得ていて、メディアとしての義務を果たそうとする誠実さを感じる。ロックダウンの影響もあってか、EDMやテクノからの変化も窺える。

1. CHARLOTTE DE WITTE ☆

「私は今後の(テクノ)EPのアイデアがありますが、それに加え、他のよりアンビエントかよりエクスペリメンタル的なエレクトロミュージックにも、以前より少し気持ちが傾いています。クラブに行けないので、最近はテクノバイブスを十分感じていません。これは良いエクスペリメンタルのフェーズです。」

2. CARL COX

ロックダウン期間中、CARL COXは家庭菜園を始めたそうで、土や、ニンジン・ネギ・ソラマメ・ブロッコリー・パセリ・タイム・バジルなどの育て方について語っている。注目株として、女性二人組DJを紹介している。

2020年の注目株DJ /プロデューサー:「Sicaria Sound、このガールズが大好き。 彼女らは、最も純粋な形のダブテック エレクトロ ミュージックをプレイします。 未来、確実に。」

―ダンスミュージックシーンをより包括的にするために、個人的にどのような業界の変化を求めていますか?
「私は本当に才能のあるエレクトロのライブ演奏アーティストを求めています。ダンスフロアも照準を合わせていないアーティストがたくさんいます。」

3. CLAPTONE

4. ADAM BEYER

5. AMELIE LENS ☆

6. BORIS BREJCHA

―ダンスミュージックシーンをより包括的にするために、個人的にどのような業界の変化を求めていますか?
「私は、ビジターが騙されているのをよく見かけます。しかし、ゲストがメインの中心であるべきです。彼らは私たちの文化の原動力です。 何よりもまず、彼らは安心を感じる必要があり、彼らの記憶に残り続ける経験を与えられるべきです。」

7. NINA KRAVIZ

8. JAMIE JONES

9. PEGGY GOU ☆

10. NORA EN PURE ☆

南アフリカ生まれ、スイス育ち。ジャンルは、Deep house。

2019年のTomorrowlandでのプレイ。軽快でシンプルなピアノ曲から始まり、マリンバや重低音が鳴るメロディックなディープハウス。主流のEDMとは趣が異なる。CHARLOTTE DE WITTEやAMELIE LENSのテクノはあまり好きじゃないから、ディープハウスの女性DJが上位なのは嬉しい。

めちゃくちゃ寒そうだが、スイスの山の上でのセットも、風景と音楽が合っている。
Nora En Pure presents Purified 200 | Gstaad, Switzerland

少し脱線して、世界の有名フェスはEDMやテックハウスばかりでよく飽きないなと思っていた。昨年のTomorrowlandには、オーケストラやラテン歌手J Balvinが出演していた。面白かったのが、そのオーケストラSymphony of Unityが、Fatboy Slimの『Right Here Right Now』を生音で演奏していたこと。和太鼓のような大きな太鼓がビートを刻んでいる。こういう新陳代謝があるのは良いですね。

こちらはUnderworld『Two Months Off』を生演奏で。生音ハウス・エレクトロ、流行ってる?

13. BLACK COFFEE

―ダンスミュージックシーンをより包括的にするために、個人的にどのような業界の変化を求めていますか?
南アフリカには、ダンスミュージックプロデューサーの大きなシーンがありますが、正に体制がありません。 何年にも亘り、私は一員として、これらのプロデューサーが体制を作るのを手助けしようとしています。

14. DEBORAH DE LUCA

デボラ・デ・ルカはイタリア・ナポリ近郊のスカンピア出身。「Vele di Scampia」という巨大な団地があり、彼女はここで生まれ育った。治安が良いとは言えないこの地区から、DJとして現在の成功を収めたのだ。

【DJデボラ・デ・ルカ】ナポリ凱旋ライブセット!あの曲をリミックスした新譜もリリース – techMusic

23. HONEY DIJON

―ダンスミュージックシーンの人種差別に対処するには、どのような手順を踏む必要がありますか?
「黒人アーティストが、もっとラインナップされるだけでなく、フェスのプロモーターやブッカーとしても活躍すること。ただエンターテイナーとしてステージに立つだけでは十分ではなく、権力と影響力のある立場にもいることです。」

インクルージョンに関して、自分たちが含まれるかどうかだけではなく、男性が女性、DJが客、世界的DJが地元など、特権のある人が、自分たちとは別の逆の属性の人について言及していることが印象的だった。日本のDJやアーティストにこういう受け答えを期待してしまうのは、私が西洋的な価値観で考えているからなのだろうか。

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