aespa 에스파 - Next Level 細部に宿る技の積み重ねとチームワーク

引っ越しでブログを書く余裕がない間も、隙間時間で『Next Level』のダンスパフォーマンスを釘付けになって見ていた。インパクトの強い振り付けとそれを完璧にこなすaespaのダンススキル、そして息のあったカメラワークが素晴らしい。見せ所のダンスをaespaがバシッと決め、カメラが最善の方法で映像にする。見せ場が決まる度、フィギアスケートの難しい技が決まった瞬間を目にするような興奮と気持ちよさ。余裕たっぷりクールな表情のままで、振り付けを完璧にこなすダンススキルも圧巻。他のKPOPガールズグループと比べ4人と少人数だが、十分な存在感。確かアバターを含め8人というコンセプトだったはずだが、そういうややこしい設定とか要らなくて、純粋に歌とダンスと存在感だけで勝負できるアーティストグループだと思う。

本作『Next Level』は、歌に限って言えば、KPOPではよくある異なる曲を短く繋ぎ合わせたような感じ。印象的なサビのメロディを際立たせるような作りに慣れている身からすると、アルバムのダイジェストかと思ってしまう。それでも、繰り返し聴いているうちに慣れてくる。

振り付けとカメラワーク

f:id:senotic:20210804112518j:plainカリナの足元から全身をなめるカメラワーク。服装や振り付けも相まって、エロくない。足元から見上げることで、スラリとしたスタイルが強調される。ぶつかるのではと心配になるくらい、ぎりぎりまでカメラが寄ることで、あたかもその場にいるような臨場感を味わえる。

f:id:senotic:20210804112554j:plainメンバーが斜め前方に腕を伸ばしスパッと指さした瞬間に、カメラが回り込み、ウインターの指差しを真正面で受ける。カメラが、メンバーの指先の動きまで完全に頭に叩き込んでいるからこそできること。頭に入っているだけではなく、正確で俊敏に動ける身体能力の高さ。そして、その動きの速さにも、ばっちり目線を合わせるウインターのスキルに感服する。

f:id:senotic:20210804112637j:plain特徴的な歌舞伎で見得を切るようなポーズも、ウインターとカメラマンさんがばっちり決めて、興奮。改めてスクショを見直しても、カメラが近い。どんなにカメラが急に寄っても、まったくひるむことなく冷静に目線を送れるaespaのレベルの高さ。MVではなく、パフォーマンス動画でこれができているというのが凄い。

f:id:senotic:20210804112926j:plainカメラマンさん、ベストなポジションわかってる。4人ともしっかりカメラを見ている。この後の一列からひし形へのフォーメーションの変化も、この角度から見るのがベスト。

f:id:senotic:20210804113015j:plainアジアやヨーロッパでこの曲のダンスチャレンジが行われている。プロと差が出るのは、コの字の角度。美しくきっちり90度に手首を曲げて、ピタッと動きを止める。平然とした顔で、細部や指先に渡るまでレベルの違うダンスをやってのける。それがaespaの抜きん出ているところ。

f:id:senotic:20210804113113j:plainこのウインターの腕と指先の角度の美しいこと。この振り付けも、本物と差が出るところ。

歌唱力

『Next Level』の良いところは、ニンニンとウインターの歌唱力が堪能できること。KPOPはあまり歌唱力に重きがおかれていないように思う。ダンスや見た目のパフォーマンスが重視されるから、ステージパフォーマンスも口パクが多い。aespaも口パクか"かぶせ"だと思うが、『Next Level』ではアカペラとまではいかなくとも、BGMの音量は控えめで、エフェクトのかかっていない声量たっぷりのソウルフルな歌声が楽しめる。前作『Black Mamba』では見落としていたが、ウインターも声量があり、しっかりと歌える。彼女の歌の魅力に気が付くことができた。
ニンニンは、声と歌い方が色っぽい。「だっちゃ」が口癖の『うる星やつら』のラムちゃんを想起させる、語尾上げの「ちゃ」がセクシーで好き。

印象的な振り付け

マトリックスf:id:senotic:20210804113409j:plain

 顔の前でパンパンと肘を合わせ、注意を引く。単に肘を合わせるだけでなく、指先でも形を作っている。気付かない人だって多いはずなのに、こういった細部にわたるこだわりの積み重ねがクオリティの差となる。f:id:senotic:20210804113427j:plain

真似をしたくなる腕を絡ませるフォーメーションf:id:senotic:20210804113636j:plain

照明

f:id:senotic:20210804113734j:plain私はどうもピカピカのLEDパネルの映像、メリハリがなく明るいだけの派手なレーザーが苦手。音楽がスローダウンしたところで、照明を落とし影だけにする演出。本人たちの存在感が十分なので、これくらい引き算の演出の方が、より彼女たちを引き立てる。

衣装

衣装も、ギラギラした光ものや、フリフリやヒラヒラしたスカートが苦手。ライダーズスーツや、マリンスポーツウェアのような衣装がクール。それでいて、女性が憧れる色気がある。例えば、ニンニンさんのおへそ周りのシースルー。腰を振るとき、おへそが透けて見える。品のあるセクシーさ。

真似たくなるダンス

アジアからヨーロッパまで様々な国のダンスチャレンジを観た。一番キレがあって、盛り上がって楽しそうだったのは、このロシアの動画。特に、カリナのパートを踊っている彼女のダンス。ダンス動画を観ていると、完コピできる人たちの多さに驚くが、観れば観るほど、aespaとカメラの細部にわたるクオリティの高さに気付くことができる。
[K-POP IN PUBLIC RUSSIA] AESPA 에스파 - next level (cover by G.I.C.)

まとめ

分かり易くアクロバティックで激しいダンスよりも、少し見ただけでは気が付かないような細部へのこだわりとクオリティが生み出すNext Levelのパフォーマンス、そしてそれを記録できる映像チームの技を堪能できる作品。

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