TRÚC NHÂN x HẢO HẢO - LÀM GÓI ĐỠ THÈM エースコック ハオハオ 昔の日本

中国やアジア旅行好きな年配の方にその魅力を伺うと、「昔の日本みたい」という答えがよく返ってきた。「海外まで行って昔の日本を懐かしんで、楽しいものなのかなぁ。」と理解できずにいた。ベトナムの商品CM動画を見ていたら、こういう気持ちだったのかもと少しわかった気がした。

エースコック ハオハオ

TRÚC NHÂN x HẢO HẢO - LÀM GÓI ĐỠ THÈM

最初の小学校のシーン。先生がアオザイを着ていて素敵、生徒の制服は社会主義国であることを思い出させる。ラーメンを茹でずにそのまま割って食べるのは、チキンラーメンでやっていたなー、懐かしい。最後、卵も出てくる。歌い手Trúc Nhânの既視感は何だろうと考えていたが、子供番組の「歌のお兄さん」だ。歌も、演歌が混じったようなJ-pop風。
このCMで良いのは多様性。子どもから大人まで、シーンも学校・寮・家・職場と様々。お母さんが育ち盛りの子供に作って運んであげるのではなく、寮仲間で作ったり、カップル2人で台所に立ったり、働く女性が自分のためにラーメンを作って食べる。エースコックのわかめラーメンが食べたくなって、ブログを書き終わる前に買いに行った。

大阪本社の会社エースコックは、1993年にベトナムに進出、2018年にはベトナムに新社屋を完成させている。ハオハオ発売開始は2000年、去年は発売20周年で、その記念ソングらしい。20歳以上の人にとっては、子供の頃からあるロングセラーなんだね。ベトナム人でハオハオを知らない人はいないとか。

人口約9,620万人のベトナムでの即席めんマーケットは、年間消費量が約52億食(2018年時点)の規模にまで拡大しており、その中でエースコックベトナム社は、国内の即席めんシェア50%を超えるNo.1企業にまで成長しました。
海外事業|会社情報|エースコック株式会社

私が子どもの頃は、チキンラーメンサッポロ一番チャルメラ出前一丁など、袋麺のテレビCMがたくさん流れていた。それに、お菓子・アイスクリーム・ソフトドリンクの新商品CMもあったな。おいしそうな映像と新商品にワクワクした。学校の成績や受験のプレッシャー、友達付き合いと、実際の生活はそんな楽しい日々ではなかったが、昔のCMを見返していると、明るく希望に満ちていた時代だったかのような気がしてくる。(美化しているだけなのは、わかってる。)テレビを全く見なくなって4年くらいになるが、見なくなる前は、過払い金請求代理の法律事務所CMがやたら目立って、なんだか暗い気持ちになったものだ。

経済成長のスピード

LỚN RỒI CÒN KHÓC NHÈ ( MV ) | TRÚC NHÂN

都会でグラフィックデザイナーとして働く1990年生まれの男性が、母親がFacebookで昔の家族写真をシェアしたことをきっかけに、自分の生い立ちを回想するストーリー。「おかんに電話しよう」というキャンペーン。今はMacで仕事をする「シティボーイ」だが、子供の頃は、土間にコンロがありマッチで火をつける生活。システムキッチンではない。Đen Vâuのインタビューによると、2015年頃の中国との国境近くベトナム山間部には、電気やネットも通っていない場所があったようだ。5年前に電気やネットもなかったのに、いきなり薄型のスマホを持つことになった方もいるのかもしれない。変化のスピードが速くて大変だ。

冷凍おせち

TRÚC NHÂN ft LAN NGỌC - ĐẦU BẾP TẠI GIA, AN YÊN ĐÓN TẾT

昔は両親が手作りしてくれていたテト(旧正月)のご馳走。大人になった兄弟は、作り方もわからないし、面倒だから作りたくない。テトは楽しみではあるが、何をどれだけの量作ろうか頭を悩ませ、手間がかかって大変な思いをするらしい。その負担から解放され、簡単に豊かで平和なテトを迎えましょう!というCM。日本のおせち問題と同じ。やっぱり愛情のこもった手作りじゃないとと、眉をひそめる年配の方がいたりするんだろうか。チルド食品加工が可能な工場と低温流通網が整備されてきたことで起きる生活の変化。

食品CMの王Trúc Nhân

Trúc Nhânは食品CMの王様のようで、クノールスープの素やミリンダのCMにも出演している。(ミリンダはファンタと競合するソフトドリンクで、昭和40年代には、日本でも売られていたらしい。)年末にリリースされたミリンダのCM動画は、既に4250万回再生されている。「桃の天然水」やポカリスェットなど、当時の人気絶頂のアイドルや売れる直前の若い女優さんが出演するCMが懐かしい。
CHUYỆN CŨ BỎ QUA 3 -TRÚC NHÂN x RICKY STAR x MIRINDA

比較文化が好きだから、ついMVもそういう視点でも観てしまう。海外旅行はもう十分満喫したつもりだったけど、また行きたくなっちゃった。遠い国の街の空気を吸いたい。

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