TikTok15秒時代 ロングセットの贅沢(Junya Utsunomiya、PUNKADELIX aka MAYUDEPTH)

1曲も繋げない私がこんなこと言うとしばかれそうだが、DJはロングセットで見分けられる。上手いDJは何時間でも聴いてられる。もし10分で退屈したら、それは相性が悪いか上手でないか。40分だとそんなに差は出ないが、2時間以上となるとその人のDJが見えてくる。「前半1時間で疲れちゃったんだな。」とかもわかる。15秒のTikTokを楽しむ時代に、2時間のロングセットを味わう贅沢。

Junya Utsunomiya
3時間はさすがにと思っていたが全然聴ける。テクノというよりハウスや歌モノも取り入れて派手だが、一貫してダークな音が鳴っているので統一感がある。メリハリの付け方、特に間(無音)の使い方がめっちゃ上手い。


音が少なくなりビートだけになって、01:19:16からは5秒間残響音がうっすら残るだけでほぼ無音。次の曲が引き立ってゾクッとする。01:30:17 何回かの無音が挟まることでシュッと締まる。02:19:32 派手に鳴っていた音がプツッと切れて無音、女性のナレーション。これや。無音ってやっぱり勇気が要るのかな。音止めたと誤解されるから?下手にやるとグルーブが途切れるからか。確かに無音のタイミングと長さ、無音の後どう音出すかのセンスがないと、ブツッと途切れただけになってしまいそう。でも音量やBPM上げたりエフェクトかけるより、一旦引いた方が絶対効果ある。引かないと押せない。大声で叫んでばかりだとそのうち耳を塞がれてしまうが、小声でボソッとつぶやくと逆に人は耳を傾けたりする。
入れ過ぎると下品になるけど「ここは盛り上がるとこでっせ」といった感じで、BPMはそのままに徐々に音階が上がる曲がちょいちょい入ってる。01:38:42からの曲がかっこよくて曲名を検索したが出てこなかった。アクセントになってる。01:43:45単音が最初ぽつぽつ入り段々早くなって連続音になるのが面白い。02:11:35「点滴に弱い」と空耳する。UMEK - Deja Vuのremix?02:32:55 The Southern - 4C1DはBPMが大胆に変わる曲で面白い。03:00:00ぴったしで几帳面な終わり方。7曲くらいのプレイリストでも順番悩むのに、よく3時間分も選んで変化がつくように並べて繋げられるわ。

PUNKADELIX aka MAYUDEPTH
J-WAVE TOKYO M.A.A.D SPINのCHICKS ON A MISSION週とPLAYCOOL週全員分聴いたが、PUNKADELIXさんのDJが突出して良かった。
<CHICKS ON A MISSION TOKYO>
 3/4(mon)  Sakiko Osawa
 3/5(tue)    カワムラユキ
 3/6(wed)   AMIGA
 3/7(thu)    Naz Chris
 3/8(fri)      Nagi
 3/9(sat)    PUNKADELIX
<PLAYCOOL>
 4/8(mon)  WASEI"JJ"CHIKADA&YOKE aka DJ REDBLOOD
 4/9(tue)    Yummy
 4/10(wed) DJ DRAGON
 4/11(thu)   DJ EMMA
 4/12(fri)    KO KIMURA
 4/13(sat)  Q'HEY
テクノはどこ切っても同じような曲の金太郎飴のようなミックスが御多くて、別にそのDJでなくてもと思うこともしばしば。PUNKADELIXさんのDJは個性がはっきりと際立っている。

テクノに縛られず色味を加えたセット。と思いきや、セットリストのジャンルを確認したらほとんどテクノだった。

「テクノ言うてもこれくらい選択肢あるでしょ。」と見せつけてくれるバリエーションの豊富さ。1曲の中でも展開があるから、繰り返しに飽きてそろそろ次の曲に繋いでほしいと思うことはない。1曲1曲個性があるから2時間飽きないし何度でも聴ける。
00:03:27 曲名不明 表情のあるビートにポコポコした音。たまらんな。そこからワイルドなLogtoad - Drill Beatに繋ぐ。
00:31:15 Viers - Protocol 鳴ってる音は少ない分、リズムの面白さに気付ける。
00:45:10 4つ打っていた低音のビートがここで一旦止まる。引き算のメリハリ。
00:51:30 Marie Davidson - Work It 2時間セットの折り返しはナレーションが入った個性強めの曲。PUNKADELIXさんがかけるとかっこいいな。界隈の人がよくかける女性の喘ぎ声がループしてる某曲ダサいし、もっとdigしてこういうのもかけてほしい。
全体を通して選曲された曲の共通点は見当たらなかったのだが、地味な曲の間に特徴のある曲をバランスよく点在させることでメリハリができ、結果地味な曲も生きて、セットを通した一体感ができているように思った。全部派手で主張する曲だとサイケデリックな絵みたいにごちゃごちゃする。

ブログで書いてきたDJは皆さん、DJだけ聴いても誰だかわかる。有名な音楽プロデューサーが人に提供した曲でも、曲だけ聴いてその人だとわかるのと同じ。誰がプレイしても同じなら、そのDJがプレイする意味がない。私はその人しかできないDJが聴きたい。

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