1万人に約6万7500円等イギリスのアーティスト支援 組織とスピード

アーティスト支援

2020年4月3日 COVID-19の影響を受けたミュージシャンを支援するための500万ポンド(約6億7500万円)が1週間でなくなる

£5m fund to aid musicians affected by COVID-19 runs out in one week | DJMag.com
"Help Musicians UKが立ち上げたコロナウイルスの流行に影響を受けたアーティストを支援するための500万ポンド(約6億7500万円)の資金がすでに使い果たされました。
Help Musicians UKは3月25日にファンドを立ち上げ、現在、COVID-19の影響により必要な収入を失った英国全体の10,000名のミュージシャンに500ポンド(6万7500円)の一括払いを手配中です。"
"英国政府の自営業者向けサポートパッケージは、2、3か月は来ない"

2020年3月30日 Help Musicians UKが500万ポンド(約6億7500万円)を提供するコロナウイルス経済困難基金を立ち上げ

Help Musicians UK launch Coronavirus Financial Hardship Fund for artists affected by pandemic | DJMag.com
"独立したミュージシャンをサポートするために設立された団体であるHelp Musicians UKは、進行中のパンデミックの影響を受けたミュージシャンに500ポンド(6万7500円)の資金を提供するコロナウイルス経済困難基金を立ち上げました。
基金は、コロナウイルス(COVID-19)の大流行の中、「重大な財政的困難に苦しんでいる」ことを証明できるミュージシャンのために用意されます。 500万ポンドは、Help Musiciansによって基金として確保されています。
申請には、年齢、市民権のステータス、音楽能力など、多くの資格要件が含まれています。 この申請には、ビデオ、映像、またはその他の手段を通じて、高度な音楽スキルの証明も要求されます。
組織は、申請を受け取ってから10日以内に、全申請者に申請が通ったかどうかを、できるだけ通知するよう努力すると言っています。基金は、申請が通った申請者の銀行口座に振込されます。 一度だけ基金に申請することができ、支払いを受けるのも1回だけです。
先週、英国政府はパンデミックの影響を受けた自営業者を支援する計画を発表しましたが、おそらく6月まで資金援助は届かないだろうと認めています。"

2020年3月25日 PRS for Music アーティストへの緊急援助基金を発表

PRS for Music announces Emergency Relief Fund for artists | DJMag.com
"PRS for Musicは、コロナウイルスパンデミックの経済的影響を緩和するためのアーティストへの緊急援助基金を発表しました。
最低2年間PRS組織のメンバーであり、その間に500ポンド(6万7500円)以上稼いだ、PRSの全メンバー助成金を利用できます。 助成金は個々人に割り当てられ、最高額は1000ポンド(13万5千円)です。 申請は3月26日木曜日の午前9時に開始します。"

2020年3月24日 UK ARTS COUNCILがコロナウイルスの影響を受けた人々のための1億6,000万ポンド(約216億円)の緊急基金を発表

UK Arts Council announces £160 million emergency fund for those affected by coronavirus | DJMag.com
"この基金は、イギリスの様々な芸術分野を直接支援します。 National Portfolio Organizationsで9000万ポンド、National Portfolio以外の組織で5,000万ポンドが利用可能になるだけでなく、アーティスト、クリエイティブプラクティショナー、フリーランサーなどの個人にも2,000ポンド(約27万円)が利用できます。"

Spotify 総額1,000万ドル(10.8億円)を拠出

Spotify COVID-19 Music Relief
"Spotifyはこのページを通して寄せられた寄付額と同額を、総額1,000万ドル(10.8億円)になるまで拠出し寄付します。"
(イギリスのHelp MusiciansもPRS Foundationもあるのに、日本の音楽団体は無い。)

やっぱりさ、資金や予算のあるところにどんどん訴えていかないとダメなんじゃない。国会議員だけに訴えても、支援額やいつになったら給付されるかわからない。支援金には限りがあって、世界中で取り合いになるから、すぐに動けてきちんとアピールできる組織にどんどん取られていく。早い者勝ち。
オリンピックの観光客を見込んだ観光とエンタメ関係の国や東京都の予算、どれだけあることか。観光客も来れない状況で、無理やり予算消化しようとして動き出しているのもある。
世界の著作権管理団体がアーティストのために動く中、JASRACは国と一緒で、海外にはばらまくけれど、国内アーティストには還元しない。声を上げていかないと。ただなんとなく、そういうものだと思って徴収されているだけじゃ、いつまでたっても搾取され続ける。

東京都が1800万円助成する予定だった日比谷音楽祭も中止になったり、繰越しなければ、予算は大幅に余るはず。
JASRAC分配保留金16億の使い道

政府への要求

2020年4月7日 ロンドン市議会のリーダーに、クラブの年間ライセンス料と深夜課税の徴収を12か月間停止するように依頼

London Night Czar appeals to councils to suspend licence fees for clubs and venues amid coronavirus pandemic | DJMag.com

音楽やクラブカルチャーの貢献

大物アーティストや有名クラブが社会貢献してくれると音楽業界のイメージが良くなる

Massive AttackはをNHSスタッフと最前線の労働者へのクラウドファンディングに£10,000(約135万円)を寄付

Massive Attack donate £10,000 to NHS staff and frontline workers crowdfunder | DJMag.com
"クラウドファンディングキャンペーンにより、20,000ポンド以上が募金され、コロナウイルスパンデミックの間NHSスタッフ(イギリスの国の医療従事者)や他の第一線の労働者に無料の食事が提供されました。"

ミラノのクラブSocial Music Cityは救急隊に場所を提供

Italian club donates space to emergency services during COVID-19 crisis | DJMag.com


色んな国の音楽アーティスト支援も見ているけれど、どんなインディーズアーティストやDJまでもがカバーされる訳ではない。各個人が国や企業に支援を求めるのは無理で、組合のような組織がないと難しい。いざというとき動いて交渉してくれる組織を維持するには、アーティストが少しずつ拠出金を出したり、組織を維持するために日頃から活動に参加しておく必要がある。例えば『クラブカルチャーを守る会』に対して、こういうときだけ、国に働きかけろとか、補償金ぶんどって来いとか言うのはおかしい。海外の組織は、日頃から、国や企業からの支援を受けるために、時間も労力も使って努力している。箱同士、アーティスト同士の意見が分かれても、ちゃんと議論をしている。自分たちの価値を外の人に理解してもらうための活動もしている。マスコミを悪者にして、叩いて気持ちよくなって終わるだけでは、世間のイメージは変わらない。
個人の主張や派閥が強く、その日暮らしに近い財政状況の日本のアーティストには、海外のような組織はフィットしないかもしれない。組織に寄付をしても、自分が応援しているアーティストや箱に届くとは限らないし、中抜きがなく、アーティストや箱をダイレクトに支援できるクラウドファンディングが、日本の状況を踏まえて、最も理にかなっているように思う。

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