Nissy 西島隆弘 『Get You Back』比較によるダンスのカメラワーク研究

Nissy 西島隆弘 『Get You Back』、歌とダンスはかっこいいだけに、カメラワークは何でこうなっちゃったのかな。寄りと引きを繰り返すが、メリハリなくじわーと寄ったり引いたりを繰り返す。音やダンスとタイミングが合っていないので、酔いそう。

Nissy(西島隆弘) / 「Get You Back」1 TAKE DANCE ver.

基本的に、寄りと引きの切り替えは、音楽か振り付けに合わせると良いと思う。
・メインボーカルが前に出る時/後ろに下がる時
 (前に出る時は寄りで撮り、カメラ目線もしくは指差しをもらう。)
・アクセントになる音が鳴る時/無音になる瞬間
・両端からダンサーが出てきて集団に加わる時
 (俯瞰して全体を見せたく、引きの絵を撮るため)
・フォーメーションが大きく変わるとき

カメラの(上から下からの)角度は、
・基本目線より低い位置から少し上に見上げる
(アジア人は身長が低めなので、少しでも大きく見せるため)
・ダンスのステップの見せ場は、足元が見切れないように
・V字などフォーメーションの美しさを見せたいときは上から俯瞰

ダンスの振り付けの担当をした方の再現動画があったので、全く同じパートの絵を比較し、理想的なカメラワークについて考えてみた。

振付師本人がNissy【Get You Back】踊ってみたwith Nissy Dancers

①低い位置から見上げる
下から見上げるように撮った方が、大きく強くみえる。f:id:senotic:20210405150940j:plain

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例えば、これくらい下からもぐりこんで撮っても、やりすぎではない。踏みつけられそうで、迫力がある。それにしても、Kpopアーティストは、どの角度から撮りに来られても、カメラ目線送れて、本当にスキが無い。(WayV 威神V 『Action Figure』より。)

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②引き過ぎ注意
最初のイントロは別として、ダンス中盤なのに、広いからって後ろに引き過ぎ。目的がわからない。よく見えないし、強さをアピールするような振り付けにもかかわらず、こじんまりしてしまう。f:id:senotic:20210405151059j:plain

③足元の見切れ
足を大きくカメラの方に蹴り出す見せ場。なのに肝心の足元が見切れている。f:id:senotic:20210405151127j:plain

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せっかくこんなに高くジャンプしているのだから、高さと躍動感が伝わる撮り方を。足元が見切れているので、飛んでることさえわからない。f:id:senotic:20210405151229j:plain

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振り上げた足が全く映ってない。ダンス動画なんだから。f:id:senotic:20210405151314j:plain

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④現場目線
ダンサーが中央に集まり、一気に外に弾け出す瞬間に、さっと後ずさりしてカメラを引く。なぜかって、その場にいたら、人間は驚いて後ずさりするから。もしその場にいたらとるであろう動きで、カメラがそれを映像で撮ってくれると、没入感が高まる。f:id:senotic:20210405151610j:plain

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映像の撮り方というより、そもそもダンスにも差がありそう。上の公式は、意地悪して着地したところをスクショしたのではなく、一番跳ねているところを切り取った。ジャンプの高さが低く、ほとんど飛べていない。下の再現の方は、左右と前に飛び出し、更に手を上に振り上げ、上方向にも弾け出している。飛び出してくるような迫力。

⑤奥行き
V字フォーメーションで奥行きや立体感が出ているので、横からより真正面から撮った方が良かった。上から俯瞰も有りだと思う。

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実は、カメラマンは両方同じ方だった。カメラマンではなく、ダンサーの方。回を重ねて、だんだん上手くなっておられるのかもしれない。

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