DJの纏まりと発散(メイリオ、Mayu Amano)

メイリオ
人との出会いのように、音楽やDJとの出会い方もまた様々で面白い。tomoyuさんというSoundCloudのどの曲のコメント欄にも表れる方がいて、tomoyuさんと同じくモノトーンの顔イラストのアイコンだったので、間違えて聴いたのがきっかけ。今は消えてしまったMIXTAPE Autumn 2018とMIXTAPE 0001を聴いた。ハウス・テクノ・ジャズと聴いてきて、メイリオさんのDJはどれにも当てはまらない、そして誰とも違う、でも「メイリオ」という印が入っている。そういう感じがした。

地域の異なるオリエンタルな楽器の音の曲が集められていたり、ジャンルも幅があるのだけど、例えるなら素材や質感は違うが同じベージュというように全体が纏まっている。それは単にゆったりしたBPMで統一されているからではなく、繋ぎのマッシュアップがとにかく丁寧。似た音の楽器、ナレーションとバックグラウンドの組み合わせ。BPMが遅いほど、繋ぎのごまかしがきかないはず。06:35から3曲目のCoyote - Inside Thisはナレーションで始まるが、前の曲がバックグラウンドミュージックになっていて調和している。ナレーションが終わった時点で次の曲の楽器の音が鳴っているが、前の曲の楽器の音と近いので、よほど意識しないとどこで繋いだか気が付かない。24:48からのAlmunia - views From a Blue Trainへの繋ぎも、同じ楽器や音色の近いものを持ってきてる。27:22からの尺八かフルートのような音の曲、横倉裕や喜多嶋修あたりの雰囲気。だいたい1曲おきに、何回Shazamしても間違った曲示すかわからないかの曲が挟まっていて、何回もベッドにスマホ投げた。グラデーションのように、音が近く親和性のある曲をよくこれだけ繋げるなぁ。どれだけ曲を知っておられるんだろう。今再生回数154回だけど私が120回くらい再生しているわ。メイリオさんごめんね。
00:00 The Cheebacabra - 2nd & Cedar (Morommy Remix)
06:35 Coyote - Inside This
12:25 Smith & Mudd - The Start
24:52 Almunia - views From a Blue Train
31:47 Andi Otto - Bow Wave
35:07 Riyoon - Tunnel Vision
37:33 Paqua - Visitor (Ray Mang Mix)
47:37 Golden Bug - Hippie Friends
57:40 The Cheeacabra - The Hidden Valley (Funkscribe Remix)
この前までSoundCloudにあったミックスも最新のミックスも、私の好みではないことも多少あるかもしれないが、何がコアなのか掴みづらくて発散している印象。取り直しができる家でのミックスではなく、現場でどんなかけ方をされるか聴いてみたい。

Mayu Amano
毎週日曜に渋谷から配信しているTSUBAKI FMのイベント、当日は映像の配信がなかったので、TSUBAKI FMファンは誰がDJをしているかSNS上で推理していた。私以外にもDoItJazz!の田村さんかと思った方がいらした様子。アルバムにしかなない曲など、知名度やブランドに影響されないセンスある選曲。ブラインドで区別できるかは自信がないけれど、大人で落ち着いた選曲なのに、おじさん臭さがない。テクノやハウスの以外だと、繋ぎが下手だったり繋がなかったりする人も意外といるが、きちんとしてる。全てVinylだし、そうだこのときはロータリーミキサーだった。DJだと一つの楽器がソロで前に出るような曲はあまりかからないが、1曲目のサックスのソロは浮いていおらず、こういうのもアリなんだと。ラウンジDJながら、Sans Titre N°8の後半に向けての煽りがメリハリになってよいし、品の良い激しさ。02:01:16からのアンビエントな曲が良いのだが、これも検索できず。約半分の曲は検索できなかった。ジャズからワールドミュージックまで個性的な曲も含まれているが、主張しないジャズも挟んであるから纏まっているのだろうか。

01:35:28 Lloyd Miller & The Heliocentrics - Spiritual Jazz
01:41:42 Yazz Ahmed - Beleille
01:47:55 Frederic Galliano Electronic Sextet - Sans Titre N°8
01:55:57 Chip Wickham - Barrio 71
02:06:13 Roberto Musci & Giovanni Venosta - The Ups & Downs of a Chewing Gum
4月のTSUBAKI FMでのDJは選曲は好きなんだけれど、好きなものを詰め込み過ぎてしまったのか、発散して軸がないというか。今のところ喫煙の箱でのDJプレイが多いのだけど、CITANのような場所での機会があれば行きたい。

纏まり感って何なのだろう。洋服も黒で統一すれば纏め易いが、多色使いの服でも違和感のないコーディネイトはあるし。バランス?調和?核の置き方?DJにおける全体の纏まり感の要素は何だろう?そんなこと考えながら聴くのもまた楽しい。

DJを言語化することは意味も価値もあるし、今は海辺の砂を右から左に動かす程度のことであっても、いつか何かしらのきっかけになればいいなと密かに思ってる。Boiler Roomに出ている人だって、繋ぎもめちゃくちゃな人がいるし、日本で有名なDJだって、毎回同じような選曲だったり、テクノだからと4つ打ってるだけの同じような曲を繋げる退屈なDJをしてる。DJ歴2年目でも、心を湧き立たせてくれるDJはいる。じゃぁそれをどうやって他人に伝えたらいいか?理屈で説明するしかないと思った。DJを言語化している例を、英語も含め探したけれどなくて、結局タナカフミヤさんの実況くらいしかなかった。毎日平日も4時間、休日はもっとDJミックスを聴いて、ブログで言語化するのを続けてる。だけど、結局DJだって知名度でしか判断できない人は多いし、パーティでも他のDJを聴いていないし、誰のDJがどう価値があるか、説明できる人はほぼいない。ブログは読んで頂けるだけで十分ありがたい。でも「自分や友達のDJのこと、ブログで褒めてくれた。やったー。」で終わってしまうのは、少しだけ悲しい。最近は、検索サイトからのアクセスの方が多くて、DJの名前で情報を求めて来てくれる人も少なからずいる。そういう人に魅力を伝えられていたら、一番嬉しい。

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