ロシア Little Big 『Uno』幻のEurovision Song Contest

いきものがかり水野さんが、ポップミュージックとは文脈や前提知識がなくとも楽しめる音楽だと言ってらして、納得だった。言葉や生きてきた環境が違っても楽しめる音楽というのは、素晴らしいと思う。様々な言語や年齢の人を笑わせることができるロシアのバンドLittle Big、改めて紹介。ミュージックビデオの再生回数はこんな感じ。なんとなく人気の規模感が伝わるかしら。f:id:senotic:20200730001431j:plain
Little Bigは、ヨーロッパ最大の歌謡コンテストEurovision Song Contestに、コロナがなければ今年ロシア代表として出場予定だった。Eurovision Song Contestを説明しようと思って調べていたら、出場にチャレンジするドラマが、日本語でもNetflixで配信されていた。
「(Eurovision Song Contestは)42か国が参加、視聴者は1億8000万人」

Eurovision Song Contestは、1956年から始まり60年以上の歴史を持つ。1974年に優勝したABBAは、その後最も成功を収めたアーティスト。
Facts & Figures - Eurovision Song Contest

そのEurovisionのYouTubeチャンネルで、過去最大の視聴回数(137,529,442)を獲得したのが、Little Big『Uno』。ABBAを意識したのようなブルーの衣装、70年代風のベルボトムパンツとヘアスタイル。奇妙でオリジナリティがあり、且つ誰もが真似して踊れる振り付け。ABBA世代も孫と一緒に踊れる。Little Bigの魅力は、子供からお年寄りまで、ロシア語がわからなくても、一緒に楽しめるところ。登場人物のダンス・表情・演技だけで、ストーリーが理解できる。HYPNODANCERの場合、カジノゲームに見えて実はカードゲームのUNO、煙草は鉛筆、ドラッグは鉛筆の削りカス、強盗だが暴力ではなくダンスで失神させる。ロシアの人は踊るとコサックダンスっぽくなってしまうのか(日本人が盆踊りっぽくなるように)、それともわざとなのか。


Little Bigって、元々は、というか今もかな、モッシュとか起きるようなロックバンド。


北朝鮮金正恩を風刺する作品もあれば、これは動物愛護がテーマ。捨て犬からの視点が上手く表現されている。最後「ペットは最後まで責任をもって飼いましょう」というメッセージ。


インタビュー動画を見ていると、メインボーカルのIlyaとSonya Tayurskayaは、まるで長年連れ添った熟年夫婦のよう。Ilyaさんが言葉選びに困ったら、Sonyaさんがとても自然にフォローして代弁する。ic3peakやВремя и Стекло然り、最近は男女ペアで創作している作品を気に入っている。両方の違う視点が入った作品が、面白いのではないかと。Little Bigは、言語関係なく幅広く楽しめる作品を多く出していて、次々に新しい挑戦もし結果を出しているグループ、個人的にはCoachellaに出てほしい。
最近ようやく認識したんだけど、Mikikiってタワレコ系列のメディアだから、タワレコに売ってない作品は絶対取り上げないのね。恐らく、他の音楽メディアも大体そうなんでしょう。考えてみたら当たり前なんだけど、あくまで"タワレコで売ってる中での"お薦めという風にいちいち認識していなかったものだから。2020年上期ベストに選んだ10曲中6曲は、タワレコで扱ってなかったんですよ。海外のトップチャートから漁っているので、特別奇をてらってはいないんだけど。ic3peakは、Pitchforkでも取り上げられているくらいだし。そういう現状を認識すると、益々良い音楽を日本語で紹介しなくちゃと思ってしまう。お節介は治りそうにないわ。

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