レイプ犯よりも嘘つきを誤って信じたい ― なぜ私たちは常にサバイバーを信じるべきなのか ―

SNS上でStray Kidsを脱退したメンバーへのセクハラ告発があり、その際に海外のスキズファンがシェアしていた言葉「I'd Rather Accidentally Believe A Liar Than Defend A Rapist(レイプ犯よりも嘘つきを誤って信じたい) 」。

人気有名人の性的暴行疑惑に対し、被害者が落ち度を責められたり、美人局を疑われることも少なくない。痴漢のニュースには、必ずえん罪の懸念する声が被せられる。性的暴行のショックで憔悴しているところに、取り合ってもらえず疑われることが、どれほど辛いことか。
「あなたの方から誘ったんじゃないですか?」
「どうしてすぐに言わなかったのですか?普通はすぐに誰かに助けを求めて、相談するでしょう。おかしいでしょう。」
「そんな立派な地位の人が、そんなことする訳ない。」
「本当にレイプされている人がいるんですよ。見ず知らずの人から。(顔見知りは該当しない意味)」
これは、私が実際に警察や調査の際に言われた言葉。絶望する中で、逆に、聞き入れられることや信じてもらえることが、どれだけ救いになるかを身を以て知っている。有名DJの性的暴行も取り沙汰されている今、こういった考え方があることを知ってもらえたらと思い和訳した。以下、和訳。

I'd Rather Accidentally Believe A Liar Than Defend A Rapist
Why we should always believe survivors.

"先週、有名人に対する一連の性的暴行の申し立てが行われた後、それぞれのシチュエーションで非難された人と被害者、誰を信じるかについて多くの議論がありました。"

(上記のJustin Bieberの「全ての性的虐待の申し立ては深刻に受け止められるべき」のように、反論する場合においても、この種の言葉が添えられることが多い。)

 "一連のこれら全ての申し立ては、とりわけ誰を信じるべきかの議論を引き起こしました。 性的暴行は議論するのが非常に難しいトピックであり、ある程度の配慮が必要です。 とは言え、特に有名人に関わる性的暴行の申し立ての場合、私たちは常にサバイバーを信じるべきだと、私は心底信じています。

これに対する私の論拠はシンプルです。 どちらにしても私が間違っているとしましょう。 私は、レイプ犯をかばったり擁護するよりも、嘘つきを信じたいのです。

はっきりさせておきますが、虚偽の告発は決してOKではありません。 (告発者が非難される側よりも強い力を持っている場合、その場合に限り)、それは誰かの人生を傷つけるだけでなく、本当の犠牲者を傷つけます。 彼らの信頼性を傷つけます。

実際、TwitterのCole Sprouseのファンアカウントは、お気に入りの有名人を守る最善の方法は、他のRiverdaleキャストメンバーを性的暴行で非難する偽のアカウントを作成することであると判断しました。 Sprouseの共演者であるLili Reinhart、Vanessa Morgan、KJ Apaは皆非難されました。

そのアカウントが自分たちの主張が通ったと確信した時点で、人々が「何でも信じる」ことを証明しようとして、自分たちがそれらの申し立てをツイートしたと明らかにしました。※1 Coleを助けようとしてやったことでしたが、結局のところ、彼らが実際、真のサバイバーが自分たちの話をして信じてもらうことをより難しくしただけでした。"
(※1 こんな偽アカウントが作った主張も、世間は簡単に信じてしまうということを実証し、だましたことを公表したという意味)

"私はこれらの有名人を尊敬していた人々が気の毒に思えます、本当に。特にソーシャルメディアの時代では、有名人を崇拝し、知り合いかのうようにサポートするのは、珍しいことではありません。しかし、正直なところ、どれだけトークショーで良い人に、どれほどInstagramで優しいように思えても、私たちは彼らを知りません。私たちは彼らに会ったことがなく、彼らに何ができるのか全くわかりません。

尊敬している人があなたが思っていた人ではないことを認めるのは、難しいかもしれません、それでも大丈夫です。ダメなのは、サバイバーが間違っていることにしたり、話をしようとしている将来のサバイバーを間違っていることにするがためだけに、何か※2しでかしてしまうことです。"<
(※2 例えば自分の推しを守るために偽アカウントを作ったりして、サバイバーの告発の信頼性を貶めるようなこと)

"特にこういった有力な有名人の場合、これが彼らのキャリアに影響を与えることはありません。 彼らは力・名声・お金・成功を持ち続けるでしょう。 彼らは大丈夫でしょう。

トラウマを負ったこれらの女性は、そうではありません。 彼女らは自分たちの話を共有しようとしているだけです-それが、ようやく自分たちの胸からそれを取り除くという彼女たちのためであろうと、今後他の人が警戒できるようにするためであろうと、彼女たちの意図はかなっているのです。多くの人が、こういった女性たちはただ注目や影響力をほしがっているだけと主張しています。 彼女らが唯一受け取る「注目」は圧倒的にネガティブで、大多数は否定的であるため、この議論は非論理的でしかありません。特に巨大なファンベースを持つこれらの有名人の場合、この女の子たちは殺害の脅迫と恐ろしいオンライン監視に直面します。 影響力に関しては、匿名アカウントが影響力を求める意味が、厳密にどれだけありますか?

恐らくこの女性たちは、十分な証拠を提供しませんでした。 しかし、ここは法廷ではなく、あなたは陪審員ではありません。 これらの女性はただサポートと同情を求めています。 彼女らは自分たちの状況に気づいてもらおうとしているのです。

「では、なぜ彼女らは、通報しなかったのですか?」

まず最初に、犠牲者たちの多くは有名人のファンであり、Justin Bieberのような人々と経済的に比較にならないと考えてください。 有名人は、合法的にここから簡単に逃れることができるでしょう。 通報し裁判を経験することに伴うトラウマは、言うまでもありません。

「なぜこういった有名人に対する彼らの言葉を信じるのですか?」

申し上げたように、女性たちはここから得るものは何もありません。 退屈している女性がテキストアプリを立ち上げ、有名人にレイプされる長編作をまとめ、そしてそれを匿名でTwitterに投稿していると信じ、あらゆる世界的な名声と権力を持つ男性たちが彼女らにつけこんでいるとは思えないなら、あなたは彼女たちを無視することを選んでいます。

表に出てきて自分の性的暴行の話をすることは、極めて難しいことです。 私たちにできることは、疑わしくとも彼女たちに良い方に解釈し、彼女たちに耳を傾けられていると感じさせることです。"

以上が和訳。耳を傾けられるべきは、加害者とされる側についても言えることだ。

最近になって、クラブ業界における性的暴行疑惑や差別発言が表に出てきている。クラブカルチャーが賛美される裏で、ずっと苦しめられてきた人がいるということ。日本のクラブ業界はどうだろう。犠牲者が安心して声を上げることができる状況だろうか。

Erick Morillo(エリック・モリロ)が女性をレイプした罪で逮捕・起訴された。その後 Erick Morillo は25,000 USドルの保釈金を支払い保釈され、次回の公判を控えていたが、9月1日に自宅で死亡しているのを警察が発見。

Erick Morillo がマイアミビーチ警察に逮捕された際、被害者はレイプキットで検査し、その結果 Erick Morillo の DNA の陽性反応が検出されたため逮捕されたわけだが、Erick Morillo はマイアミビーチ警察に自首している。

僕は、彼がイビザでレイプしたと聞いた。しかしそのことを告発した女性は一人もいなかった。それに僕の知り合いの女性の中にもそういった人はいなかったので、僕はそれはただの噂だと思うしかなかった。僕は、この頃からすでに Erick Morilloと距離を置いていた。だって火のない所に煙は出ないって言うからね。
その後、ニューヨークでレイプしたという噂を耳にした。しかしこの時も誰も彼を告発しなかった。その女性たちが誰なのかも分からなかったから、僕はこれはただの噂だと思うしかなかった。

僕たちのシーンにいる性的虐待を受けた女性たちが、僕たちのシーンにいる人たちが公共の場でレイプ犯を支援するような投稿して、被害者たちはどのような影響を受けるのか、僕は本当に心配している。
そのことを少し考えて貰えないだろうか?

iFLYER: 【レジェンドの功罪】レイプ犯?功績者?ハウス TOP DJ の故・Erick Morillo の死について困惑するクラブシーン
(これだけ詳細に、和訳だけではなく独自の内容も添えて記事にしているのはiFLYERだけ。Resident Advisorでさえ、この件はほとんど触れていない。iFLYERはPR記事ばかりと馬鹿にしていたが、今回かなり見直した。)

RA: ニュース: Derrick Mayが性的暴行疑惑によりイベントラインナップから除外

「私たちは発言することで、仕事、キャリア、信頼性、評判を失ってきました」と、オープンレターには綴られている。「暴力を受けて当然の尻軽とのレッテルを貼られた私たちの切り傷やあざは、優しい顔をした高い支持率を持つ人々に向けても何の意味もないと言われてきました。しかし、もう違います。私たちは黙ったままで、決して公にはしませんでした。しかし、もう違います。プライベートでそう(発言)しようとしても、誰も私たちの話を聞いてくれないことに気が付きました。しかし、もう違うのです」

私たちの現場には捕食者がいます。これはもう許されるものではありません。有名なアーティストの行動を、有名だからといって許すことはもうできません

RA: ニュース: Rebekahがダンスミュージック界のセクハラに反対する誓約、#ForTheMusicのオープンレターを公開

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