2020年K-popトレンド 懐かしの80年代風シンセポップ(Everglow、TWICE、Apink、GFRIEND、Sunmi、寺本來可)

(夕方投稿する予定だったこのエントリ、ちょうど今日、DJ泡沫さんのもっと詳しい記事が出ていたので先に貼っておきます。

それなりに手間はかかっているので、以下の私のブログも公開しておきます。)

海外メディアのK-pop年間ベストは、チャートとは一致せず、コメントからも、ある程度K-popを聴いている人が選んでいるように思えた。国もジャンルも異なるメディアだが、共通して選んでいる曲がある。気になったので、集計してみた。f:id:senotic:20210107230547j:plain

昨日、The Weeknd『After Hours』とDua Lipa『Future Nostalgia』の世界的ヒットを取り上げたが、80年代風K-popも、世界を魅了したようだ。Billboardなどは、The Weeknd『After Hours』のヒットを受けて、いち早くK-popが取り入れたと説明しているが、シティポップの流行も然り、何年も前から始まっている。

Everglow - La Di Da

アメリカや南米でも人気のグループ。いかにも80年代なドラムとシンセのメロディを分かり易く鳴らしているので、The Weeknd『After Hours』の流行を取り入れたとの見方もされている。

 TWICE - I CAN’T STOP ME

日本人メンバーが3人いるガールズグループ。Phil CollinsやPrinceの曲のようなイントロのゲートリバーブドラムとシンセサウンドが、80年代風。

Apink - Dumhdurum

2011年にデビューしたグループで、メンバーの年齢は24~29歳。十分若いが、韓国アイドルビジネスもより若い人に投資する傾向にあるようで、事務所が力を入れるのは異例のようだ。イントロのフィルターとEQがディスコらしさを出し、メロディはアラビアっぽいが、ぺらっとしたシンセをレトロに感じなくもない。 

GFRIEND - MAGO

BTSと同じ事務所のグループ。イントロでRoland Jupiter-8のようなシンセをたっぷり聴かせ、80年代らしさを出している。せつないメロディが、ポップミュージックというよりも80年代の歌謡曲に感じてしまう。おしゃれシティポップはまだ理解できるが、煙草の臭いが染みついたような、いかがわしい感じのするサウンドが、世界で聴かれているのが面白い。

Sunmi - pporappippam

2007年グループでデビューし、現在ソロアーティストのソンミ。この曲はダンスもするが、音楽的にはダンスポップというより、シティポップ。シティポップらしいメロディのパートは、跳ねるような韓国語の発音は控え目に日本語のような平坦な発音で歌っている。タイトルでもあり韓国語らしい発音が印象的な『pporappippam(紫がかった夜)』の歌詞を歌うパートは、K-popらしさが発揮されている。様々な時代や文化の混じり具合が面白い。

YUKIKA (寺本 來可)- 「서울여자 (SOUL LADY)」

寺本 來可(てらもと ゆきか)は、静岡出身の日本人。日本でモデルや声優の活動をしていたが、韓国でデビューし、この曲が世界的にヒット。世界的な80年代の日本のシティポップブームに、日本は全くマネタイズできないまま乗り遅れ、韓国が日本人を起用してヒットさせたという。K-popブランドやマーケティング力があったから売れたのであって、日本のレーベルや事務所が同じことやっても売れなかったかもね。彼女が韓国語を話している動画があり、発音の良し悪しはわからないが、言葉につまることもなく、スラスラと話していた。努力されているのだろうな。
英語表記は「SOUL LADY」となっているが、ハングルでは韓国の都市名ソウル(Seoul)の方で、「ソウルの女」の意味。CNNフィリピンのコメントが良かった。

YUKIKAの声による『SOUL LADY』は明るく、甘く、そしてなんとなく懐かしいが、それはシティポップ自体が楽観的な過去のジャンルだからかもしれない。何もかもが可能と思われた、80年代の日本の好景気から生まれたジャンル。 『Soul Lady』は都会の愛と憧れを歌った曲で、どれだけ憧れていたかを思い出させてくれる。
Our best K-pop songs of 2020

2018年JYPエンターテイメントのYubinが、竹内まりや『Plastic Love』にそっくりな『City Love』を発売しようとして中止している。
韓国歌手ユビンの新曲が竹内まりやの作品を盗作か 発売中止に - ライブドアニュース

同じアルバムの曲『숙녀 (淑女)』はリリースされ、海外のシティポップファンにも人気でヒットした。
Yubin - 숙녀 (淑女)

J.Y. Park - When We Disco (Duet with 선미)

NiziUのプロデューサーで、韓国の大手事務所JYPエンターテインメントの設立者であるJ.Y. Park。「ディスコ~」って歌っているけれど、荻野目洋子『ダンシング・ヒーロー』(1985年)みたいで、完全に歌謡曲

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