COVID-19感染急拡大の2020年12月一か月間、日本と韓国政府がやったこと

日本とほぼ同時期に感染者が急増した韓国。介護施設や拘置所で感染者が急増したものの、新規感染者数は落ち着きつつあるように見える。その韓国がこの1か月何をやった事を振り返ってみた。その結果は、今後の数字に表れてくる。

 高齢者の感染リスクが高いのは明らかなので、高齢者は家にひっこみ若者は経済を回すべきという考えもわかるが、感染者数と死亡者数はどこの国を見ても相関関係があり、リスクの高い人だけを世間と完全に隔離することはできないのだから、ワクチンも治療薬もない現状では、全体で感染者数を減らす必要があるのだろうと理解している。

1月3日時点だが、日本はアジアの中で断トツ感染者と死亡者が増えている。（1月4日以降の爆増は含まれていない。）

日本も検査数を増やしたが、人口当たりの検査数は少ない。シンガポールは日本の20倍以上。シンガポールは夏に、外国人労働者の寮で感染爆発が起きたが、検査と隔離を徹底して、今は抑えられている。

 韓国は、クラスターの発生場所・病床の圧迫状況・検査数など、日次で数値レポートを作成し、情報公開している。3日に一度の定例会見で、起きている問題に対して具体的な施策を国民に説明している。
＜韓国の主な対策＞
・入国制限（直行便の停止、陰性証明義務化）
・検査拡充（無料・夜間・匿名・老人介護施設）
・非感染者/接触者/感染者の分類と隔離
・医療機関、医療従事者への金銭的補助
・違反者を見回り、摘発、罰金

日本が、GoToトラベルの停止を宣言したのは14日だが、停止は12月28日からで、それまではGoToしていた。国会議員が会食やパーティーを止めなかったり、酔っ払ってケガをする国会議員までいた。 

12月21日 英から入国、1日150人 菅首相「1人か2人」と発言 [新型コロナウイルス]：朝日新聞デジタル

素人でもおかしいとわかる数字を把握していない。客2人だけ乗せて飛行機飛ばすはずがないだろう。現状を把握さえしていない国のトップに、国政を任せている日本国民に呆れる。王貞治・杉良太郎・みのもんたと高級ステーキ店で忘年会やってる暇があれば、データの1つでも読めばいいし、話を聞かないといけないのは医療関係者や保健所でしょう。韓国は、イギリスからの直行便を止めている。日本国民も、給付金がいくらもらえるとか行動が制限されているとか、自分たちに直結することにしか興味がなく、国の施策や長期視点に興味が無さ過ぎ。韓国は、批判もされるし、分かり易く支持率もガクンと減るから、韓国政府は国民の怒りに具体的な策で対応し、コロナ対策の実績を作って数値で必死でアピールしている。

最近ある小規模ライブハウスで従業員の方の陽性が判明したが、勤務していたフロアが違うので接触者とならないと保健所から言われたようだ。未だ検査抑制しているように感じてしまう。またオリンピックをやりたいから検査数を抑え、感染者数を低く見せたいのかと疑ってしまう。

神奈川県、保健所の負担軽減のため、濃厚接触者の特定調査の対象を絞り込むことに決定。医療機関や高齢者施設を優先にする。

神奈川県 負担増で濃厚接触者調査“縮小”｜日テレNEWS24

神奈川県、濃厚接触者の追跡を見直し「市中感染広がり意味ない」｜TBS NEWS

クラスターではなく、既に市中感染なのでは。クラスターを追うのは、もうとっくに限界で、市中感染であれば、検査と隔離をしなければ収束しない。感染は、水に落としたインクのようにあっという間に広がる。いかに早くすくい上げるかが重要なのに、全てが遅い。飲食店や観光業にとって、Go Toは助かったかもしれないが、Go Toで楽観的なムードを煽り積極的に加速させたことで、事態を悪化させたように思う。

もう1年経過し、何もせずに勝手に収束しないことはわかっただろう。スウェーデンモデルも失敗だったと評価され、データも知見もそろってきているのだから、いい加減、今からでも上手く抑えられている国のマネをしてほしい。