歌詞の中のDJ 「ねぇ、DJ、あの曲をかけてよ。」

歌の歌詞には、その時代が反映される。DJはどのような位置付けで、歌詞の中ではどう描かれてきたかを探ってみた。大体がこの3パターンに当てはまる。
1. 気分の上がる曲をかけて楽しませてほしい
2. 嫌なこと忘れるために朝まで踊らさてほしい
3. 気になる人といい感じになれるように雰囲気を作ってほしい

2001年のm-flo『come again』から2008年のAYUSE KOZUE『こよいキミに恋をして』の歌詞やMVを見ると、当時は今より、割と普通の女の子がおしゃれして気軽に遊びに行ける場所だったような印象を受ける。華やかで。

World's Famous Supreme Team - Hey DJ (1984)

これが元祖でしょうか。次のZhané『Hey Mr. D.j.』より10年も前。

"Hey DJ, just play that song
Keep me dancing all night"

Zhané - Hey Mr. D.j. (1993)

90年代、DJに対する期待が歌詞に表現されている。きっとそれを満たしてくれる存在だったのだろう。

"Everybody, move your body, now do it
Here is something that's gonna make you move and groove
Hey D.J. keep playing that song, all night
On and on and on (on and on and on and on)

It's Friday night and the weekend's here
I need to unwind, where's the party, Mr. D.J
I am ready to call my friends
So we could all get down
Where's the party, hey Mr. D.J"

小泉今日子 - CDJ (1989)

作詞作曲は、小西康陽。彼女に嫉妬されるくらいレコードが愛されていたんでしょう。

"あなたにはお気の毒だけど
あなたの大切なレコードを
割っちゃった"

"あなたにはお気に入りかもね
私にはうるさいだけのゴミ
割っちゃった"

"いますぐ DJ
あの曲 DJ
かけておくれよ DJ
しばらく DJ
この場を DJ
繋いでおくれよ DJ"

ORITO feat K Dub Shine - Dj.Feelgood (1999)

DJの描写表現が良い。DJから得られる感動や快感を覚えてしまうと、病みつきになって「もっともっとくれよ」となる。DJって、ほんとにかっこいいんだから。夜の支配者Mr.Djであってほしいですね。

"ガチっときめた良い靴 良い服
Dj.Feelgood
もっともっとくれよ
溶けてくようなクラブ プレイを
熱くなってるぜ こんなに
Dj.Feelgood on the mix"

"Dj、Dj、流れ止めないで
夜の蝶たちがダンス踊ってる
brothers、sisters、ブースの手前で
横目でチラリ チャンスを待ってる"

"Dj、Dj、繋ぎ続けて"

"夜の支配者Mr.Dj
片耳あてて ヘッドフォン聴いて
次のジャムにのせる ターンテーブル
じらした曲に合わせ手振る"

 m-flo - come again (2001)

切ない歌詞だこと。イントロのハープが美しいな。

"金曜日のスカラに君を忘れに踊りあかすよ 今夜
I'll sing you this song 届くように
切ないメロディーに涙しないようにクールにね
踊り続けさせて ねえ DJ won't you come again
フロアーをもっと熱く 響かせて
Yeah, 朝までまわし続けて 帰りたくないから止めないで"

m-flo loves melody. & Ryohei - miss you (2003)

透き通るmelody.の声でお願いされるイントロ。

"DJ play that music louder, お願い"

矢井田瞳 - Keep on movin' (2003)

ヤイコがDJの曲を出していたのですね。なかなかの強気のダメ出し。

"踊らせてよ DJ
今日は朝まで気分なの
そんな曲じゃダメ
眠気も飛ばせよ"

mihimaru GT - 気分上々↑↑ (2006)

「Hey DJ」と言えばこの曲。DJやクラブのことを知った上で、韻を踏んだり、ポップな歌詞に落とし込めている。クラブの描写表現も上手い。

"Hey DJ カマせ yeah yeah yeah 気分上々↑↑の
針落とせ 音鳴らせ パーリナイ
飲もう ライ ライ ライ みんなで踊れ!
Hip-Pop ピーポー かけてよミラクル number"

"最悪な日にキック
再起動のボタン クリック!
DJかけて!今 trip"

"Oh hip-hop, R&B, pops, techno, house, rock, hip-hop
オリジナル探すキーポイント
それぞれの色重ね合わすレインボー
君に聴かせたいが為 苦しむ挙句の果て 十字固め
今を楽しみたいんだね
Let's hip-hop! Here we, here we go!"

加藤ミリヤ - このままずっと朝まで (2007)

女性から積極的なアプローチをする歌詞で面白かった。10代20代の人は、your numberが連絡先の電話番号だとわかるんだろうか。

"突然いたずらに冒険したくなるような罠にハマることがある
ドキドキまるでfantasy見つめられたらもう目を離せないよ
play boyカウンターの横 私から彼に声をかけてやろう

音にかき消されないように耳元でhe said
(ドコカラキタノ?トモダチトキタノ?)
もうわかるでしょ 早くtell me what's your number boy"

"深くにも私は彼に本機になっちゃいそうな予感
予想外の展開 10分前に出会ったばかり but
おしゃれして来てよかった 今日は楽しい時間を過ごしましょう
DJ 音もっと上げて 見知らぬ二人の距離を近づけて"

AYUSE KOZUE - こよいキミに恋をして (2008)

"この音楽すごく新しいね
心くすぐるDJ、ナイスアシスト
少しずつ近づく二人の距離"

キュウソネコカミ - 良いDJ (2013)

こんな曲があったとは。私のブログなんてかわいいものじゃないか。褒めてもいるけれど、バンドの人に言われるとちょっと腹が立つな。こういうこと言われないように、DJはプライド持って、どうせバンドやバンドファンは自分のDJ聴いてないだろうと思わないで、常にスキルを見せつけてほしいものです。

"流行の音楽かけてほしい! 踊れる音楽かけてほしい!!
客盛り上がればハイセイいぇー! 俺がお前らをブチ上げる!!

人を踊らせる事で 喜び得れる感じのアレ
曲と曲のつなぎを 違和感無くそつなくこなす

ステージの上でCDJをシュタタタン×4

円盤選んでかけてOh Yeah! ディスクジョッキー×2
切り貼り自由にかけてOh Yeah! ディスクジョッキー×2
客盛り上がればそれでオッケー ディスクジョッキー×2
我が物顔で回せばOh Yeah! ディスクジョッキー×2

雰囲気だけでモテてる あのクソDJしばきたい
ミュージシャン気取りで調子こく あのDJを黙らせたい"

"チャラいだけで無能な あのクソDJしばきたい
ミュージシャン気取りで調子こく あのDJを黙らせたい

黙らせたぁぁぁぁぁい!!!!!"

 やまだひさし - Hey DJ (2013)

レフティーモンスターP」という方が、GUMIというボカロに歌わせニコニコ動画に投稿したのがオリジナル。恐らくクラブDJではなく、ラジオのディスクジョッキーのことのようだが、めちゃくちゃベタなJ-POPでなんか良かったので。

"Hey DJ 聴かせて 笑顔がこぼれるword
つまらない悩みは ちょっとおいといて ねえ!
HeyDJ 今夜も 誰かと繋がって
見たことも無い様な何かが生まれる
そんな 奇跡 起こるハズだよ"

tofubeats - MOONLIGHT (2018)

「いつまでも進まない時間をちょっと進めて欲しい」は、早く時が経って失恋のことを忘れて傷が癒えて欲しいのに、時が進まない苛立ちと解釈した。改めて聴いてみると、歌いだし直前の"dedicate ~ DJ"に既聴感があって、サンプリング元が気になる。

"ターンテーブルから 聴こえてた少し昔のラブソング
ハートブレイク 立ち直れないままに過ごしていた
DJ、DJ、何かが必要なミッドナイトには

夜の静けさに合いそうな曲を流してほしい
パーティの最後はきっと出会うよ君なら大丈夫
いつまでも進まない時間をちょっと進めて欲しい
なんとなく感じてる不安を忘れたいよ、DJ

月の輝く光ともうちょっと強めてほしい
パーティの最後はきっと出会うよ君なら大丈夫
いつまでも踊りたい気持ち 盛り下げないでほしい
なんとなく感じてる不安を忘れたいよ、DJ"

kiki vivi lily - So much (2019)

ねぇDJきいて こんな歌を
たまにはかけてみるのはどう?

これからも、DJは歌の題材になるような、憧れの存在であってほしい。

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