2019年3月 HARUSAKI @MAGNET by SHIBUYA109

出演者がabelest、Native Rapper、Soleil Soleilのイベント?tomadさん私のこと好きなのかと思ってしまう。他にも気になるイベントやパーティがあったが、さすがにこのイベントは外せない。イベントに行く道すがら、こんな胸が高鳴るのは久しぶりだ。

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abelest
Alzheimerと睡眠をもう3か月近くほぼ毎日聴いているが、まだ飽きない。ただ癒し系の落ち着いた音楽なので、ライブで盛り上げるのは難しそうだと思っていた。track makerのライブは、SSWの場合は自分の曲を順番に披露するコンサートやバンドライブ形式、インストが多い場合は自分の曲を中心に他人の曲も挿んで繋ぐDJセット形式が多い。abelestさんは前者かと思いきや、どちらかといえば後者。だけどDJと違って、もっと部分的に短く切り取って繋ぎ重ね、さらに自分の声を被せる。最初は低音の効いた映画音楽のような始まり方、そこから音もメロディもリズムもBPMさえ、目まぐるしく変わる。展開に置いて行かれまいと、前のめりで聴き入る。異なる音楽がパッチワークのように繋ぎ合わされるのだが、音楽やリズムが偏らないようにランダムに選ぶのはとても難しいはず。例えば英文字と数字を組み合わせてパスワードを作る際にも、くせや好みでついつい似通ってしまう。変化をつけようと力が入れば、奇をてらった風になったりライブセットとしてまとまりがなくなってしまう。雅楽や民謡のような音楽も使いこなし、abelestさんの世界観が描かれているようなライブセットだった。そんな音楽に乗せる歌は、歌の範疇を超えた音だった。歌声が主張したり浮くことがなく、楽器や他の音楽となじんでいる。Alzheimerは録音された自分の歌に、ライブでハモリを入れているようだった。(3つ目の動画)Alzheimerと睡眠の感想でも触れたが、abelestさんはリズムによる表現が豊かだ。セットの中で出てくるリズムの種類が半端ない。どういう音楽の聴き方をされているのか存じ上げないが、リズムも意識しながら多種多様な音楽をたくさん聴かれてきたのではないだろうか。
最近展開や構成がめちゃくちゃ上手いDJミックスを聴き込んでいるので、track makerのライブミックスが少ししんどい。組み合わせる才能に秀でたDJとゼロから音楽を生み出す才能の表現を比べてはいけないのだけど。だが、人気曲のエディットやカバーで客を沸かそうとするのはどうもねぇ。たくさん自分の持ち曲あるでしょ。他人の曲使うにしても、自分の音楽を引き立たせるために使ってほしい。abelestさんは、他人の音楽というパーツを組み合わせ自分の世界を表現されているようだったし、展開や構成も下手なDJよりはるかに面白かった。見たこともないライブだったが、前衛芸術のようによくわからないものではなくちゃんと楽しい。DJの人にabelestさんのライブセットを聴いてもらって感想を聞きてみたいな。

Native Rapper
法政大学でのライブからなので約1年ぶり。何でTREKKIE TRAXじゃなくMaltine Recordsが呼んであげてるんだ。TREKKIE TRAXもうちょっとちゃんと応援したげて。Water BunkerとSwag Girlはブースの前で披露。やはりブースの中より広く動けてフロアとの距離が近く、歌やに集中して感情がこもっているいるように見えるので盛り上がる。Native Rapperさんの歌い方はあっさり軽やかなので、フリや体も使って大げさに表現するくらいでちょうどよく、歌詞のメッセージが伝わるかも。Swag Girlは今回のライブを見たことで心に響いた。Native RapperさんとSoleil Soleilさんが同じステージにいるのを見れるなんて、夢みたいだった。tomadさんの背中拝んでおいた。

Soleil Soleil
ネット配信でライブを拝聴してから2年5か月、ようやく生で。Native Rapperさんで既に汗だくだったのだが(寒の戻りで気温が低いにも関わらず)、久しぶりに爆踊り。引き籠りがちなのに、こんなに飛び跳ね続けプチャヘンザできる元気が私にあったのかと驚いた。最近はテクノかジャズのDJミックスを聴くことが多いが、たまには知ってる曲やアッパーなハウスで踊り続けるのもいいね。いまだに聴き続けてるRhye - OpenとU-Z - Change Your Mindのremixでは踊れなかったけど、念願の今更Soleil Soleil remixが聴けたので良かった。Maltine Recordsからリリースされたばかりの新曲JK Rolling、Native Rapperさんのパートは生歌で。ラップ、hip hopを聴かないのでSOLA THE LUVAさんのラップがどうなのかわからないが、個人で細々と音楽を作り続けている人の心情が素直に表現されているリリックが好きだ。「僕は押入れの中で音楽を作っている いつもソウルフードを食べている」厳ついラップなのに、言ってることめちゃかわいい。韓国のラッパーのリリックを受けて、日本のラッパーが呼応し、日本のproducerの音楽に乗せる。隣国との関係は難しいけれど、個人と個人が繋がり理解し合うことはとても大切。
JK Rollingのリリック

 Soleil Soleilさんからの流れ、ワイパさん1曲目何をかけるのかしらと思ったら、M1ぽいピアノで始まるSeven Grand Housing Authority - Deuteronomy。さすがハウスで温まった空気を壊さない。ライブ機材とタンテを入れ替えないといけなかったらしく、80年代にラジカセを担いで踊ってた人の如く、タンテ担いで踊ってらしたワイパさんはかわいらしかった。

Negative Cloud No.10 1周年も、結局分煙にして下さっていたようなので行きたかった。HARUSAKIが楽し過ぎてずっと飛び跳ねていたので足が限界だった。雨も降らず風も吹かず、音量音質も良く割れたりせず、モッシュもなく、風向きで煙草の煙が流れてきたり喫煙場所を守らない人もいたが屋外で籠らないので空気が良い。昼イベで出入り自由だから、好きな時間にきていつでも帰れる。何より出演者の音楽が大好きな人が集合していて、優しく温かい雰囲気で安心できた。主催のtomadさんも、いつも通り最前列で楽しそうにしてらした。こんなに心から楽しめたイベントはいつぶりだろう。もう自分は音楽イベントに行くことで幸せを感じられなくなってしまったのではと思いかけていたが、そんなことなかった。

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