GRADATION 代官山 (MIKIKO KAMADA、Daniel Miller、MABO / ISHIKAWA MASATOMO、eastaudio SOUNDSYSTEM)

GRADATION 代官山をアートメディアが取り上げていない理由が、なんとなくわかった。キャプションがなく、置いてあった冊子には1階の一部の作品しか載っていなかった。2階の作品は、作家名もわからない。アートというよりデザインなのかなと思う作品も混ざっている。作品の配置や順序も根拠を感じず、話題性やアート以外で知名度のある人の作品を集めた感じで、学芸員がキュレーションしたものではない、だからアートメディアでは扱っていないのかなと思った。以下、先の記事で紹介したRe:planter以外の作品について。

MIKIKO KAMADA (OFFICE UTOPIA)

実際に事務所として使われていたであろう場所の一角、オフィスのデスク・袖机・椅子・棚・予定表・時計はそのままに、草木が生い茂る。立ち込める水蒸気で視界が霞む。厚く敷き詰められた落ち葉を踏みしめると、土の感覚が伝わってくる。デスクの上のビーカーには植物。無人の椅子。培養実験をしていたら、突然植物が暴走して成長し、一瞬でオフィスを占拠してしまったかのようだ。椅子の主は植物に食べられてしまったのか、慌てて逃げたのか。
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などと超深読みしていたら、オフィスに植物を取り入れようというOFFICE UTOPIAの考えを、極端な形で実現してみたショールーム的なもののようだ。アートというよりデザイン。それにしても実装の仕方が素晴らしい。床の落ち葉も、少し歩けば床が見えてしまったりなどせず、しっかりと地面が再現されている。植物の選択と配置により、色形と空間がデザインされている。特に部屋上部の配置デザイン、下からそびえる植物と上から垂れ下がる植物のバランス。生け花の中を歩いているような感覚。中を歩き、様々な角度から見ても、絵になる。そのセンスに圧倒される。ご本人がどの程度デザインと実装に関わっておられたかが気になるが、おそらくフラワーデザインのプロが実装しているのではないかと推測した。

MIKIKO KAMADA
Plants Director
北海道大学大学院農学研究科を修了。専攻は分子植物育種学。
大学院卒業後、野菜種子メーカーにて商品の企画開発に携わったのち、インドアグリーン、グリーン装飾について学びプランツディレクターとして独立。アカデミックなバックグラウンドを最大限に活かしつつも女性らしい視点から植物の"funny"な世界観を展開させる。

mozzgreens

MARUOSA x TURBO SONIC

ビジュアルインパクトはあるのだが、冊子にも作品の説明がないのでよくわからない。調べても出てこない。感じろってことかな。

MABO / ISHIKAWA MASATOMO

住宅設備のショールームだったようで、ドアや屋根素材の見本、トイレやお風呂の展示がそのまま残っている。それを黒塗りにしてアート?にした展示
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Daniel Miller

これは行った人のお楽しみ。期待するほどのものではないが。立ち入り禁止まで含めた作品という解釈。
「メディア、マスコミ関係者は立ち入りを禁止致します。写真及び動画の撮影は禁止致します。」
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Qsamura Tokyo

奇妙なサボテンは自然の彫刻だと感じられて面白かったが、ギャラリーではなくキッチンという展示スペースを生かせておらず、照明もメリハリがなく、単なるサボテン屋さんといった展示。
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(作家・作品名不明)

真っ暗な厨房の中に展示さえたネオン?の作品。真っ暗な元厨房と言えば、六本木アートナイト2019 津田 翔平「KYO-ZO」を思い出した。あれ良かったな。もう一度観たい
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glo Hall eastaudio SOUNDSYSTEM

DJ SODEYAMAさんの音楽が聴けると楽しみにしていたのだけど、この日はDJイベントで聴けず。他の部屋はおそらく禁煙だが、この部屋はスポンサーであるgloは可。さすがに音は良かった。クラブの音量も音質もこれくらいのレベルなら、足を運んでクラブミュージックを楽しむ価値がある。今日は珍しく音量がちょうどいいなーと思っていると必ず、「音上げろ。」って言う人が出てくる。「音下げて。」っていうのはノリが悪いみたいな。耳栓するやつや引っこ抜くとか、強い酒飲んでつぶれてなんぼとか。展示だけで、当日3,000円、前売り2,000円は高い気がするけど、DJイベントもあるそうなので、高音質でのDJも含めならそこそこ妥当かと。

音響クルー「eastaudio SOUNDSYSTEM」が手掛ける「NORM」シリーズより巨大木製スピーカーを設置。ミキサーにはハイレゾ対応PioneerDJ DJM-900NXS2、そしてDJ用マルチプレーヤーCDJ900NXS、ターンテーブルには、世界中のDJが待ちこがれ遂に発売となったTechnics「SL-1200MK7」。レコード針には、DJ用のラインアップもそろえ、今もなお1本1本手作りの生産を続ける「日本精機宝石工業(JICO)」。それらをつなぐケーブルは、オヤイデ電気のプロライン「NEO」がDJに特化したケーブル「d+」を中心にワイヤリングサポート。大音量ながらも、超高音質空間を演出する。

アートフェアイベント「GRADATION 代官山」開幕。音楽とアートの今を体感する場へ。 | Webマガジン「AXIS」 | デザインのWebメディア

代官山久しぶりだった。ちょうど雨上がり、路面に反射するイルミネーションもきれいで、上機嫌で写真撮ったりして楽しかった。

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