17分越えの長い曲 Nu『Earth』+Luigi Tozzi『Wadjet 』、Tomas Jirku『The Iliad & The Odyssey』

最近気に入ったDeep Techno系の2曲がたまたま長い曲で、1曲は17分越えだった。4曲かけたら1時間のDJセットができるし、17分もあれば、DJの途中でトイレに行って念入りに手も洗える。

Nu『Earth』+Luigi Tozzi『Wadjet (Wa Wu We's 4th Dimension) 』

2013年リリースのNu『Earth』と2017年リリースのLuigi Tozzi『Wadjet (Wa Wu We's 4th Dimension) 』とのマッシュアップ。元々1つの曲かと見紛うくらい自然。Nu『Earth』で、男性が朗読しているのは、13世紀のペルシャの詩人であり学者のルーミーの詩。朗読のスピードとマッシュアップした曲のテンポの合わせ方が絶妙。朗読はしっかり聞けて、冗長にならず踊れるスピード。Save Your AtollがRepostしてくれていた曲、さすが信頼のディグとキュレーション。

(詩の一部)
キリスト教徒でも、ユダヤ教徒でも、ムスリムでも、
ヒンドゥー教徒でも、仏教とでも、イスラム神秘主義でも、禅でもない

どんな宗教でも文化システムでもない

私は東洋出身でも西洋出身でもなく
海から来たのでも、地面から出てきたのでもなく
自然でも空気でもなく
元素で構成されていない

私は存在しない
この世界にも来世にも
アダムとイヴやその他起源の物語の子孫でもない

私の場所はなく、痕跡もない

体も魂もない

Tomas Jirku『The Iliad & The Odyssey』

Silent Seasonから9月にリリース予定の、Tomas Jirku20年のキャリアの集大成となるアルバム『Touching The Sublime』。その中の1曲。中盤からのこだまする金属音に、終盤は金管楽器の低音が重なり、壮大さを感じる。

カナダ バンクーバーにある彼の家を取り巻く、人里離れた自然を探検することでインスパイアされ、圧倒的な畏怖を経験することで、合理的な感情の限界に直面するような場所において、荘厳という哲学的コンセプトをJirkuに呼び起こしました。このアルバムは、ロマンチックな時代の散文の聴覚表現と、初期のアルピニズムの物語の共感です。

Tomas Jirkuはカナダ バンクーバーを拠点とする写真家でもあり、アルバムには写真集が付く。一度だけスキーをしに、バンクーバーのウィスラーへ行ったことがある。針葉樹の森に囲まれた自然豊かなスキー場で、サンタクロースが出てきそうだった。頂上付近、周りの山並みを見渡せる7th Heavenは、本当に天国のように、美しく光が射していた。自分の目で浴びた光、耳にした音、肌で感じた温度と風の感覚、その記憶を久しぶりに呼び起こした。

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