コロナ禍後の海外アーティストの招致、日本人の海外ツアー
コロナ禍後、音楽イベント通常開催までのロードマップの続き。海外アーティストの招致や日本人アーティストの海外ツアーなど、いつから海外渡航できるようになるのか、また以前と何がどのように変わるのか、気になっている人も多いと思う。ワクチンの開発状況、経済優先の政策、国同士の交渉など、日々刻々と変化しているため、先は読めない。ただ少しでも未来を予測し、見通しを立てるための視点を共有する。
航空券の価格、就航本数
乗客同士の間隔を空けるため、販売する座席数を減らすと、その分のコストが上乗せされ航空券代が上がる可能性がある。マスクや消毒、衛生面を強化するためにもコストがかかる。食事の提供ができないとなると、LCCは食事などのオプションで稼ぐことができず、収益が落ちる。経済的に観光業に依存している国も多く、航空会社を簡単には潰せない。国が支援するケースが多いだろう。
利用者が少なければ、就航本数が減便されたままの可能性もある。ウイルス感染拡大の第二波やキャンセルのリスクを避け、多くの海外旅行を控えたなら、需給バランスにより逆に一時的には価格は下がる可能性もある。
飛行機で乗客を分散させることは理にかなっているが、「非常に法外な」費用がかかる可能性があると述べました。
「座席の3分の1を失うことは、航空会社が損をして飛ばすか、パリからニースへの帰りの航空券が、現在のお金で1,000ポンド（13万円）だった古き良き時代に戻ることを意味します。」Coronavirus: What global travel may look like ahead of a vaccine - BBC Newsワクチンの前の世界旅行がどのようになるか
格安フライトアラートを配信するWebサイト、Dollar Flight Clubは、COVID-19の発生により、飛行機での旅行が大幅に安くなると予測しています。
2001年の9/11攻撃や2008年の大不況などの過去の傾向を見ると、世界の国際線と国内線の両方の航空運賃は、2021年までに平均35％減少し、その後平均27％（2019年レベルを超える）に急増します。 2025年まで需要が回復します。
「お客様は、航空会社、飛行時間、利用可能な路線や市場の選択肢が少なくなります。それはすべて、乗客が空（の旅）に戻ったときにより多くを支払うことを意味します。」とDFCは言いました。
航空会社は収益の2倍の損失があるため、旅行需要が戻ってきたときに収益性を取り戻すために追加料金を引き上げると予想されます。
Airline ticket prices will dip after coronavirus – study – Travel Daily
海外旅行保険
保険でカバーされないとなると、コロナウイルス感染による医療費・入院費・滞在費は、イベンターとアーティストのどちらが持つのか、取り決めておく必要があるかもしれない。
60歳以上は、海外旅行を1年間できないと警告した
多くの旅行保険会社は、コロナウイルスをカバーしていませんOver-60s warned they may not be able to holiday overseas for a year
旅行がより広く利用できるようになったとしても、Covid関連をカバーする保険会社を見つけるのに苦労するかもしれません。
国境「バブル」
オーストラリアとニュージーランド、バルト三国（ラトビア、リトアニア、エストニア）、ドイツとオーストリアなど、距離が近く関係性が高い国で、且つ感染抑制レベルが同程度の国同士で、国境封鎖解除に向けて進めている。感染を抑制できている国同士を、検疫隔離無しで行き来できるようにすることを、「バブル」と呼んでいる。観光が経済の中心であるギリシャなどは、夏のバカンスに向けて、6月15日から外国人の観光客の入国を受け入れる。
ラトビア、リトアニア、エストニアは5月15日からお互いの国民に国境を開き、パンデミックな規制緩和の中で、欧州連合内にバルト海の「旅行バブル」を形成すると、首相は水曜日に述べた。
「ウイルスの蔓延を抑制する対策を講じていない、状況が非常に悪い国々に対処する場合は、この原則を維持すると思います。」
Baltic states to create 'travel bubble' as pandemic curbs eased - Reuters
オーストリアとドイツの間の旅行は6月15日から可能になります。ヨーロッパ中の多くの国々と同様に、国境は3月中旬にコロナウイルスの蔓延を阻止するために閉鎖されました。
最初の規制緩和により家族の訪問や出張が可能になると語りました。
オーストリアとドイツの二国間協定は、今後の兆候になります。クロアチアからギリシャに至る多くのヨーロッパ諸国は、国際旅行の完全な復活への道を開くために、2つ以上の国の間で一種の「旅行バブル」を作成することについて話しています。
Austria German Borders Down: Why This Is Great News For Europe Travel
ギリシャの首相キリアコス・ミソタキスは水曜日の国民演説で新しい日付を発表し、ウイルス感染率が許容できるほど低い国からの旅行者のみが許可されると述べた。
彼は国へのほとんどのフライトが7月1日までに再開することを確認しました。
ギリシャでのCovid-19による死者数は170人未満で、2か月でパンデミックが発生したのは3,000人未満でした。ミツタキス氏は、同国の迅速な対応とウイルスの封じ込めの成功は、訪問者にとって「安全、信頼性、健康のパスポート」になると語りました。
観光客は、コロナウイルス検査を受けたり、検疫に留まったりせずにギリシャに入ることができます。観光大臣のハリス・テオハリス氏は、保健当局は必要に応じてスポットテストを実施すると述べました。
Greece to open to tourists on June 15 | CNN Travelギリシャは6月15日から観光再開
検疫隔離
現在のところ、入国できたとして、長くて2週間人との接触を避ける隔離が必要な国が多い。渡航先で2週間、帰国して2週間隔離が必要となると、1か月近く身動きがとれななくなる。滞在費用もかさみ、自国での活動にも影響するとなると、海外ツアーをしてもコストデメリットが大きい。
中国と韓国は、ビジネスマンに限って入国時の検疫の最低限にする「ファストトラック手順」に合意し、5月1日から運用を開始している。
韓国人ビジネスマンが中国に入国する場合
出国前：
1） 少なくとも14日間は自己健康モニタリング（発熱など）を実施する。
2） 出発前72時間以内にCOVID-19検査を受け、健康状態報告書（韓国厚生省指定病院発行）を受け取る。
中国入国後：
1） 中国の地方自治体が指定するセンターに1～2日間滞在し、COVID-19テスト（PCRテストと血清テストの両方）を受ける。
2） 両方のテストで陰性と判定された場合、事前に準備された個別車両によって移動する。
Fast Track Procedure available for applicable Koreans Entering China for business purpose View|Press ReleasesMinistry of Foreign Affairs, Republic of Korea
イギリスとフランス政府の共同声明では、両国間の往来に検疫措置は適用されないと発表されていたが、一転して当面必要となった模様。
政府はフランスからの旅行者が計画されたコロナウイルス検疫措置から免除されることを否定しました。
先週末に発表された計画では、海外から到着した人は2週間自分自身を隔離する必要があります。
滞在する場所がない人は、当局が提供する宿泊施設に隔離する義務があります。
当初、イギリスとフランス政府の共同声明では、検疫措置は適用されないと述べていました。Government backtracks on French quarantine exemption - BBC News
日本への外国人の入国規制解除の計画も見えてきた。出張者・研究者、留学生の順で、感染者数が少なく経済的な関係性が深い台湾、ベトナム、ヨーロッパの一部の地域が候補として検討されているとのこと。音楽アーティストが日本に入国する場合、ビジネス渡航なので出張者と同じ扱いになるのか、規制解除について正式発表されたときに確認したい。
Japan maps out how to begin accepting foreign travelers - Nikkei Asian Review
